激動の中原に訪れた刹那の平穏と裏で動き出す若き夫婦の逆襲
大晋国の危機が去り、沈在野(シェン・ザイイエ)(シェン・ザイイエ)と白娉婷(はくへいてい)はついに念願の婚礼の儀を執り行います。
しかし平穏な隠里の裏で、白蘭国へと帰還した何侠(かきょう)と耀天公主(ようてんこうしゅ)は、朝廷を牛耳る貴一族を破滅させるための残酷な罠を始動させていました。
愛の成就と血塗られた権力闘争が鮮やかに交錯する、見応え抜群の第28話です。
大晋の新たな夜明けと白蘭国で牙を剥く冷徹な権力奪還作戦
大晋国との訣別と燕晋止戦合約の破棄
朝廷の混乱が収まり、司馬弘(しばこう)の体調も奇跡的な回復を見せ始めました。
沈在野(シェン・ザイイエ)(シェン・ザイイエ)と白娉婷(はくへいてい)は皇帝の元を訪れ、大晋国を離れて静かに暮らすための訣別を告げます。
晋王は義弟を抱き締め、大晋はお前の家だからいつでも戻るようにと涙ながらに言葉をかけました。
王宮の安定を取り戻した司馬弘(しばこう)は、即座に新たなる軍事的な聖断を下します。
大燕国との間に結ばれていた五年間の止戦合約を完全に無効化する旨を布告。
国境地帯へ十万の精鋭を増員し、燕王に対して一切の挑発を許さぬ強硬な防衛線を構築しました。
隠里の世外桃源で執り行われた沈在野(シェン・ザイイエ)と白娉婷の涙の婚礼
これまで幾多の戦火によって引き裂かれ、白娉婷に悲しい思いをさせてきた沈在野(シェン・ザイイエ)は、強い内疚の念を抱いていました。
彼は晋王から特別に賜った允許の旨を携え、隠れ住む美しい山林の地で盛大な婚礼の儀を企画します。
楚漠然(そばくぜん)と酔菊(すいぎく)が嬉々として段取りを進め、赤く染まった祝台の前で二人の天才は永遠の愛を誓い合いました。
新婚の生活が始まる中、白娉婷は屋敷の周囲に五行八卦陣を用いた強固な仕掛けを張り巡らせます。
手合わせに挑んだ楚漠然(そばくぜん)は、吹き荒れる風と竹林の罠に翻弄されて散々な目に遭いました。
沈在野(シェン・ザイイエ)は彼女の防衛線がいつ追手が来るか分からないという深い恐怖の裏返しであることを見抜きます。
荷物が常にまとめられた部屋を見た沈在野(シェン・ザイイエ)は、彼女の小さな肩を優しく抱き締めました。
端午の節句が過ぎたら国境の山を越え、亡き母の故郷である域外の地へ旅立とうと提案します。
四大国家の恩怨も、皇帝の思惑も届かない本当の世外桃源を作ろうという夫の誓いに、彼女は微笑みました。
貴炎を陥れる美女の毒!何侠(かきょう)と耀天公主(ようてんこうしゅ)が仕掛けた小樹を伐る計略
白蘭国の地では、最高権力者となった耀天公主が、何侠を伴って花容の街へ入っていました。
何侠の配下により、貴常青の腹心であった何大砲が城門で首を吊った死体となって発見されます。
貴常青の息子である無能な貴炎は、何大砲に贈ったはずの二箱の金子が消えている事実に愕然としました。
宮殿の奥で、耀天公主は何侠から驚くべき国家の醜聞を記した物証を提示されます。
それは老臣の貴常青が巨額の軍費を横領し、大燕国へ保護費として献上していた通謀の罪証でした。
何侠は一族の即座の処刑を求めますが、公主は強大な大樹を倒す前に、まずは息子の貴炎から下刀する奇策を提案します。
耀天公主は罠とも知らぬ貴炎を自身の内室へと誘い、甘い言葉で美酒を何度も勧めました。
すっかり泥酔した貴炎が公主の手を握って愛を告白した瞬間、背後に潜んでいた何侠が容赦なく彼を気絶させます。
目覚めて恐怖に震える貴炎に対し、何侠は貴一族の党羽のすべてを裏切らせるための冷徹な名簿を突きつけました。
没収された金子と焦燥に駆られる老臣・貴常青の誤算
何侠と耀天公主は、何大砲の隠し財産から没収した二箱の金子を使い、大胆な善政を始めます。
花容の地へ学堂を修築し、飢えた民のための粥棚や通商の要となる碼頭を自ら次々と建設。
民を救う実務を通じて、若き夫婦は白蘭国の最下層の民衆から圧倒的な信望を勝ち取る手順を踏みました。
都の屋敷では、愛息のあまりの愚かさに貴常青丞相が激しい憤怒を爆発させていました。
唯一の連絡線であった何大砲が消されたことで、燕王へ軍費を横流ししていた物証の隠滅を余儀なくされます。
何侠という復讐の怪物が仕掛けた音もなき包囲網が、老臣の背後まで確実に迫っていました。
五行八卦陣に隠された白娉婷の深層心理と何侠の剪枝葉の兵法
婚礼の歓喜の裏で防壁を編み続ける女軍師のトラウマ
白娉婷が隠里の庭園に構築した五行八卦陣の機関は、彼女の防衛本能の過剰な発露です。
第24話前後で繰り広げられた張尚書らによる暗殺計略の恐怖が、彼女の天才的な頭脳を心理的に監禁しています。
沈在野(シェン・ザイイエ)との婚礼という至高の幸福の最中にあっても、薬材を溜め込み、常に荷物をまとめる手順。
これらは、自身の知略が再び夫を戦火の地獄へ引きずり込むのではないかという、深い自責の現れなのです。
大樹の枝葉を切り落とす何侠の剪枝葉(せんしよう)の権力掌握術
何侠が耀天公主と共に実行した貴炎への伏撃は、兵法における剪枝葉(枝葉を刈る)の冷徹な実践。
第17話の朝廷において、貴常青から偏門入宮の屈辱を受けた何侠は、正面突破ではなく足元を切り崩す作戦を選びました。
無能な息子を不敬罪の檻に閉じ込め、老臣の防衛線である党羽の底細(素性)を内部から暴露させる手順。
さらに没収した金子を民の生計に還元する輿論戦(よろんせん)を組み合わせ、貴一族の政治的基盤を完全に無力化しています。
戦神の愛がもたらす未来と不穏な白蘭朝廷の行方
赤い婚礼衣装を纏い、ようやく沈在野(シェン・ザイイエ)と本当の夫婦となった白娉婷の涙を浮かべた笑顔が、あまりにも美しく切ない一話でした。
第1話の出会いから続いた長い流浪のタイムラインを経て、二人が掴んだ束の間の世外桃源の輝き。
しかし、お互いを深く想い合うほどに、押し寄せる乱世の足音が彼らの静かな生活を脅かしていきます。
背後では、息子の失態によって防衛線を突破されつつある貴常青の暗い復讐の牙が研ぎ澄まされていました。
次回、何侠の次なる策略が白蘭国の軍権を完全に掌握するための大粛清へと発展。
平穏な端午の節句を迎える沈在野(シェン・ザイイエ)たちの元へ、大晋国から放たれた新たなる黒い影が忍び寄る展開から目が離せません。
つづく

