戻れない逃亡路!かつての主従に生じる亀裂と戦神の冷徹な政治交渉

白娉婷(はくへいてい)は何侠(かきょう)と共に大晋を脱出したものの、その心は未だに沈在野(シェン・ザイイエ)(シェン・ザイイエ)の面影に囚われていました。

身を寄せた隠れ家で次々と不審な物証を見つける白娉婷(はくへいてい)は、何侠(かきょう)が自分に隠れて異国と危険な繋がりを持っているのではないかと疑い始めます。

復讐の鬼と化した主君の変貌と、燕国の命脈を握る銅鉱山を瞬く間に制圧した沈在野(シェン・ザイイエ)(シェン・ザイイエ)の圧倒的な手腕が描かれる第8話です。

隠れ家に溢れる異国の影と王宮の暗殺命令!崩壊を始める信頼関係

嫉妬が招いた極秘の抹殺令!晋王が放つ最悪の刺客

大晋の宮廷では、張貴妃(ちょうきひ)が晋王に対して鎮北王が身分の卑しい侍女のために皇命に背いたと涙ながらに訴えていました。

どれほど立場が低くとも、命を賭けて愛される白娉婷への激しい嫉妬心が彼女を突き動かしています。

晋王は愛妃の機嫌を取るために、内廷禁衛軍の首領を密かに呼び出しました。

下された命令は白娉婷の居場所を突き止め次第、報告を待たずにその場で格殺(抹殺)せよという非情なものでした。

その頃、馬車に揺られる白娉婷は、夢と現実のはざまで激しい悪夢にうなされていました。

それは、沈在野(シェン・ザイイエ)と抱き合ったまま晋軍の乱箭に射抜かれて命を落とすという、あまりにも凄惨な光景。

第7話の三分燕子崖で沈在野(シェン・ザイイエ)の手を振り払い、何侠の元へ戻る選択をした彼女でしたが、心は完全に戦神の愛に染まっていたのです。

消えたはずの別院と建業織造の封印!深夜の庫裏で交錯する視線

何侠が白娉婷を連れて向かったのは、かつて敬安王府が所有していた秘密の別院でした。

しかし、白娉婷の聡明な頭脳は、即座にこの状況の奇妙な違和感を捉えます。

この物件は王府の官帳に登録されていたため、第1話の王府查封の際に没収されているはずだからです。

不審に思った彼女が周囲の侍女に尋ねても、誰もが怯えたように口を閉ざすだけでした。

不信感を募らせた白娉婷は、深夜の闇に紛れて静かに屋敷の調査を開始します。

辿り着いた倉庫の奥で彼女が目にしたのは、建業織造の封条が貼られた大量の木箱でした。

中身を確かめようと手をかけた瞬間、背後から気配もなく何侠が姿を現します。

何侠は巧みな言葉で彼女の追及をはぐらかしますが、その瞳の奥には冷徹な光が宿っていました。

何侠はさらに、沈在野(シェン・ザイイエ)の左佩剣である離魂剣を白娉婷に手渡し、彼女の離間計を称賛します。

第6話の通敵の噂を利用し、晋王と沈在野(シェン・ザイイエ)の絆を切り裂いた彼女の知略を大いに喜ぶ何侠。

しかし、何侠から復讐のために沈在野(シェン・ザイイエ)を殺せと言ったらできるかと問われた白娉婷は、言葉を失い沈黙するしかありませんでした。

危機感を覚えた何侠は、夜明け前にすべての木箱を運び出すよう冬灼(とうしゃく)に密命を下します。

【白娉婷が隠れ家で見つけた違和感】

1. 没収されているはずの敬安王府の別院がそのまま使える状態にある

2. 倉庫に山積みにされた大晋の官商貨物建業織造の封印箱

3. 護衛の兵士たちの口音(訛り)が燕国ではなく白蘭国のもの

剥ぎ取られた燕軍の威厳!銅鉱山に大晋の旗を掲げた沈在野(シェン・ザイイエ)の神速

一方、燕国の宮廷には一晩にして十五座の銅鉱山がすべて大晋の軍旗に塗り替えられたという衝撃の報が届きます。

守備隊の騎兵たちは衣服をすべて剥ぎ取られ、無残にも旗竿に縛り付けられていました。

激怒する燕王・慕容粛の前に、影のように現れたのは他でもない沈在野(シェン・ザイイエ)です。

燕王は十五座の銅鉱山は白娉婷の身柄と交換する条件だったはずだと、晋王の裏切りを激しく非難します。

しかし沈在野(シェン・ザイイエ)は、第7話で白娉婷と交わした五年不侵犯の盟約をここに提示しました。

5年の猶予があれば王位を固め、軍備を拡張できる。大晋が約束を守る以上、この鉱山は我が国のものだ

戦神の圧倒的な威圧感と、逃げ道のない完璧な論理の前に、燕王はただ従うしか選択肢がありませんでした。

崩れ去る嘘!純朴な冬灼(とうしゃく)の失言と歪んでいく主従の絆

別院では、白娉婷が冬灼を厳しく問い詰めていました。

なぜ少爺と二人で大涼の軍勢に変装していたの?という鋭い質問。

純朴な冬灼は動揺のあまりなぜそれを知っているの?と自ら口を滑らせ、完全に墓穴を掘ってしまいます。

白娉婷はさらに、屋敷を固める兵士たちの口音が燕人ではなく白蘭人であることを見抜いていました。

倉庫にあった大晋の官商貨物も含め、何侠が他国と手を組み、危険な密輸に手を染めていることは明白です。

追及に耐えかねて逃げ出した冬灼に対し、何侠は彼女の心は、もう別の場所にあると冷酷に告げました。

同じ頃、大晋の国境には、何侠が命を捧げると誓った白蘭の耀天公主(ようてんこうしゅ)が、不穏な空気を纏いながら到着していました。

経済の命脈を握る建業織造の謎と何侠の恐るべき変貌

今回のエピソードで最も注目すべきは、倉庫に隠されていた建業織造の箱です。

これは大晋の宮廷が直轄する最高級の絹織物であり、国家の重要な経済資源を意味しています。

第3話の染物工場で白娉婷が西域と中原の経済の命脈を繋ぐという幼い日の夢を回想していましたが、何侠はその経済ルートを、復讐のための密貿易と軍資金調達に悪用していました。

かつては正義感に溢れていた小敬安王・何侠が、両親を失った絶望から、異国である白蘭や大涼の勢力と結託する復讐の鬼へと変貌していく過程が非常にリアルです。

彼は白娉婷の忠誠心を試しつつも、彼女の頭脳が自分から離れていくことを敏感に察知しています。

主従の純粋な信頼関係が、大晋の経済を揺るがす闇の計略によって、修復不可能のところまで壊れ始めています。

哀しき沈黙が物語る愛の重さ!決裂のカウントダウンが始まる

何侠から沈在野(シェン・ザイイエ)を殺せるかと問われ、一言も返せなかった白娉婷の苦悶の表情が胸に刺さる回でした。

第5話で沈在野(シェン・ザイイエ)の肩を刺した時の彼女の冷徹さは消え去り、今や彼の愛の深さに完全に降伏しています。

守るべき主君が暗黒の道へ進む中、彼女の孤独な戦いはさらに過酷なものへと変わっていきます。

白娉婷の心が自分にないことを確信した何侠は、これから彼女をどのように利用していくのでしょうか。

そして、国境で晋軍と対峙する白蘭の耀天公主(ようてんこうしゅ)が、何侠という手駒を使って大晋の朝廷にどのような嵐を巻き起こすのか。

それぞれの野心と愛憎が複雑に絡み合い、国境の緊張感が最高潮に達する次回の展開からも目が離せません。

つづく