華やかな使節団の裏に潜む寧国王宮の不穏な謀略

第15話で宋庭を蕭丞相殺害の犯人に仕立て上げ、朝廷の憂いを一つ除いた晏長昀(アン・チャンユン)。しかし彼の前に、強大な寧国から妖艶な佳陽公主が新たな火種として立ちはだかります。朱銀粉の呪いと一族誅殺の記憶が交錯する中、監察職の拂暁(フー・シャオ)を巻き込む美しくも冷酷な宮廷の騙し合いが幕を開けます。

宿敵の交錯する血脈と命がけの接待任務

汚物の部屋からの脱出と不吉な王女の歓迎式

第15話で自ら恭桶洗いの刑を選んだ拂暁(フー・シャオ)は、毎日過酷な労働に追われていました。皇帝の趙沅(ジャオ・ユエン)は彼女を側に置くため女官の地位を提案しますが、彼女はこれを拒否します。そこへ宿敵の蕭権(シャオ・チェン)が、寧国から悪名高い佳陽公主が南国へ来訪するという火種を持ち込みました。

過去に3人の夫を呪い殺したとされる公主の接待を、百官は恐怖から誰も引き受けようとしません。太監の馮公公は、この危機を拂暁の罪を贖う絶好の好機として皇帝に進言しました。見事に接待役に任命された彼女は、華麗な官服に身を包んで千羽衛の前に現れ誇らしげに胸を張ります。

宮門の前で行われた盛大な歓迎式を、暗殺組織・万事閣の首領である白弋が静かに見つめていました。馬車から降り立った佳陽公主は、傲然と手を差し出して拂暁にエスコートを要求します。その手を見た晏長昀(アン・チャンユン)は、彼女の皮膚に長期間の朱銀粉の服用者特有の異変を察知しました。

飛来する暗殺の刃と宮廷を魅了する禁断の香木

歓迎の宴が催される中、寧国の男達による激しい剣舞のパフォーマンスが披露されます。突如として彼らの剣が折れ、鋭い破片が皇帝の趙沅(ジャオ・ユエン)と拂暁の元へと猛スピードで飛来しました。窮地を救ったのは晏長昀であり、酒杯を投げつけて破片を弾き飛ばし彼女の命を再び救います。

暗殺未遂の失態を演じた佳陽公主は、南国の百官へ寧国貴族が愛用する御黛香を献上しました。さらに公主は、自身の身辺を守る臨時のボランティア護衛として晏長昀を指名します。拂暁は激しい嫉妬から猛反対しますが、彼女を独占したい趙沅の思惑により護衛職が承認されました。

その夜、宴で泥酔したフリをした公主は、引き締まった晏長昀の体に妖しく寄り添います。彼の鋭い視線は、王女の手首に浮かび上がった不気味な赤い紋様を捉えていました。第2話の一族誅殺の悪夢と繋がるこの印を調べるため、統領は彼女の寝宮へと足を踏み入れます。

暴かれる暗殺組織の血縁と御黛香に溺れた夜

闇の密会にて、万事閣の首領である白弋は新丞相の蕭権(シャオ・チェン)を冷酷に問い詰めていました。実は佳陽公主は白弋の実の姉であり、寧国の宮廷から追放された悲劇の血脈だったのです。肉親さえも利用する蕭権の暴挙に対し、白弋は超えてはならない一線があると強く警告しました。

一方、公主が男を魅了する秘密が献上された香にあると勘違いした拂暁は大騒動を起こします。彼女は太監頭の刀哥とともに、自室を怪しい御黛香の煙で満たしてしまいました。その頃、晏長昀は副官の魏添驕(ウェイ・ティエンジアオ)に対し、公主の手の印が幼少期に両親を殺した仇の物と同じだと告げます。

香の煙に巻かれて幻覚を見た拂暁は、駆けつけた晏長昀の手を握りしめて涙を流しました。自分と一緒に誰もいない遠い場所へ逃げてほしいと、一途な想いを不器用にぶつけます。統領は愛おしそうに彼女を抱きしめ、すべての復讐劇が終わった後に必ず応えると誓いました。

傷心の朝食と引き裂かれた初恋の防衛線

翌朝、想いを込めた朝食を抱えた拂暁は、統領の寝宮へとウキウキした足取りで向かいました。しかし扉の隙間から見えたのは、佳陽公主と仲睦まじく朝食を共にする晏長昀の姿です。隠れていたのを発見された彼女は、公主の意地悪な誘いにより最悪の同席を強いられました。

公主からどのような女性が好みかと問われた統領は、彼女の目を真っ直ぐに見つめます。私は公主のように、広く天下の民を慈しむ高潔な女性が好みだと冷淡に言い放ちました。目の前で無残に初恋を打ち砕かれた拂暁の心は、激しい絶望の闇へと突き落とされます。

朱銀粉の刻印と寧国王宮に隠された血のミステリー

過去の惨劇の記憶を呼び覚ます手首の赤い紋様

佳陽公主の手首に浮かび上がった赤い印は、物語の最大の謎である定国公府の滅亡事件に直結しています。第4話や第10話で語られた関酉之変の夜、幼い秦琰の目の前で家族の命を奪った実行犯がこの紋様を宿していました。この事実は、一族を罠に嵌めた真犯人が南国だけでなく、隣国である寧国の王宮中枢に潜んでいる証拠です。

禁断の香木御黛香と朱銀粉の隠された相関関係

曲太医の成分検査では異常が見つからなかったものの、この香には恐るべき精神変容の罠が仕込まれています。佳陽公主が長期にわたり服用している朱銀粉と、この御黛香の成分が合わさることで一種の麻薬効果を発揮します。晏長昀が複数の調香師を動かして徹底捜査を命じたのは、この香が朝廷を狂わせる新たな毒兵器だと見抜いたからです。

策略の代償と傷だらけのヒロインが迎える過酷な岐路

第16話は、これまでのコメディ要素から一転して、非常に切なくスリリングな心理戦が展開されました。復讐のためあえて王女に近づき、彼女の前で高潔な女性が好みと嘘をつく晏長昀の不器用な決意が胸を刺します。しかし、何も知らない拂暁の絶望は深く、二人の固い絆には決定的なひび割れが生じてしまいました。

次回第17話では、傷心の拂暁が万事閣の刺客としての本来の凶暴な本能を完全に覚醒させてしまいます。佳陽公主の包囲網が狭まる中、晏長昀は愛する彼女の誤解を解き、真の黒幕の首を上げることができるのでしょうか。朝廷全体の命運を左右する寧国の巨大な陰謀を前に、二人が選択する命がけのサバイバルから一瞬も目が離せません。

つづく