華やかな都の夜を切り裂く悲劇の凶刃

秘密の恋を育む拂暁(フー・シャオ)と晏長昀(アン・チャンユン)の前に、大晦日の華やかな都が舞台として広がります。

しかし、禁断の香木を巡る陰謀と蕭権(シャオ・チェン)の異常な愛が、宮廷の暗部をさらに深く染め上げていきました。

楽しげな祭りの夜が一転し、寧国の王女を突如として襲った血塗られた刺殺事件が描かれる衝撃のエピソードです。

策略と嫉謀が交錯する除夕の夜の惨劇

隠された恋心と大晦日の夜に交錯する嫉妬の嵐

拂暁(フー・シャオ)と晏長昀(アン・チャンユン)は周囲に隠れて密かに恋人としての甘い時間を過ごし始めました。

しかし、食事の席で二人の妙な距離感を察した側近の阿成は、動揺を隠しきれません。

二人は必死に普段通りの主従関係を装いますが、流れる空気の甘さは隠せませんでした。

そこへ現れた寧国の佳陽公主が、晏長昀を強引に連れ出して除夕の街へと繰り出します。

一緒にお参りをすれば願いが叶うという風習を聞いた王女は、熱烈に同行を要求しました。

恋人を奪われた拂暁は、不機嫌な表情を隠せないまま二人の後ろを追うことになります。

統領は拂暁の機嫌を損ねぬよう、都の警備を理由にして王女の誘いを冷淡に拒絶しました。

怒りの矛先を変えた王女は、拂暁に大量の荷物を持たせて陰湿な嫌がらせを敢行します。

買い漁った品々を両手に抱えさせられた拂暁は、息を切らせて都の道を歩く羽目になりました。

窮地を救ったのは、新年の挨拶に訪れた南国の若き皇帝である趙沅(ジャオ・ユエン)の優しい差し出しの手です。

皇帝は拂暁の苦境を憐れみ、自らの手で重い荷物を全て受け取りました。

皇帝が自分に対して注ぐ並々ならぬ執着に、周囲の太監たちは驚きの手を止めます。

王女が晏長昀を新年の宴に伴う許可を求めると、皇帝は自らの思惑からしぶしぶ承諾しました。

嫉妬に狂った拂暁は、皇帝への嫌がらせとして国家を意味する生姜を突き付けます。

皇帝は困惑の笑みを浮かべながらも、最愛の彼女からの奇妙な贈り物を懐へと収めました。

薯蓣の衣服と皇后の寝宮で暴かれる禁断の純愛

自室に戻った拂暁の前に、昼間に街の商店で見つめていた美しい衣服が置かれていました。

晏長昀が彼女のために密かに購入しており、二人は壁を越えた愛を静かに確かめ合います。

大局のために王女の側にいてほしいと願う彼女の健気さに、統領は深い愛着を覚えました。

宮殿に戻った趙沅(ジャオ・ユエン)は、天下の全てが己の物なのに最愛の女性だけが手に入らないと嘆きました。

蕭皇后が夜を徹して仕立てた衣服を持参するも、皇帝は冷淡な態度を崩そうとはしません。

自分が頼れるのは夫だけだと涙を流す皇后を、皇帝はただ無言で見つめるだけでした。

一方、拂暁は皇后の元を訪れ、宮廷を狂わせる御黛香の行方について密かに探りを入れます。

その香木が蕭権(シャオ・チェン)の手によって、実の妹ではなく太皇太后へ献上された事実を突き止めました。

兄が最愛の妹の手元からお気に入りの品を遠ざけた事実に、二人は強い不審を抱きます。

拂暁はこの不審な動きを晏長昀へ報告し、以前に第11話で目撃した蕭権の秘密を口滑らせました。

蕭権は実の妹である皇后を愛しており、彼女の寝顔に口づけしていたと白白と明かします。

近親相姦という朝廷の絶対的な禁忌を耳にした統領は、深い衝撃に目を見開きました。

統領はこの異様な執着を知り、香に仕込まれた朱銀粉の毒で宮廷を乗っ取る算段だと確信します。

蕭権は愛する妹を毒の連累から遠ざけるため、あえて香木を最高権力者の元へ移したのです。

朝廷のすべての権力を毒で麻痺させようとする、蕭家の血塗られた計画の全貌が見えてきました。

賑やかな都の孤独と許願帯に刻まれた男たちの火花

大正月を控え、二品以上の高官たちが宮中の豪奢な宴会に集まる中、拂暁は一人取り残されました。

孤独に耐えかねて賑やかな街へ出た彼女は、王女の伴をする晏長昀の姿を発見します。

恋人が他の女性の側にいる現実を前に、彼女の胸には激しい寂しさが押し寄せました。

彼女は和傘の影に身を隠し、すれ違いざまに統領の冷たい手を密かに握り締めます。

去り行く二人の背中を見つめる彼女の前に、お忍びで脱出した趙沅が優しく寄り添いました。

傷心の彼女を慰めるため、皇帝は夜の都の賑わいの中へと彼女を連れ出します。

皇帝は彼女の心を掴むため、新年の願いを込める許願帯を買い求め、彼女の隣に結ぼうとしました。

しかし、背後から疾風のごとく現れた晏長昀が、主君の手を遮って自らの帯を先んじて結びます。

二人の男の視線が火花を散らし、広場には一瞬にして緊迫した空気が張り詰めました。

花火の夜の急襲!佳陽公主の胸を貫いた離儿の凶刃

晏長昀の視線が常に拂暁を追っていることに気づいた王女は、ついに冷酷な本音を問い質しました。

なぜ自分に近づき、機嫌を取るような真似をしていたのかと、統領の真の意図を鋭く追及します。

王女の冷ややかな目線に対し、統領は自らの復讐の仮面を静かに脱ぎ捨てました。

統領は観念し、第16話から朝廷を脅かす御黛香に隠された恐るべき国家の機密を突き付けます。

王女は寧国へ帰国した後に全ての真相を教えると言い残し、華やかな夜空の花火を見上げました。

自らの命が巨大な陰謀の道具にされている事実を、彼女も薄々感づいていたのです。

その瞬間、万事閣の首領である白弋の命令を受けた刺客の離儿が、路頭の民に化けて接近しました。

すれ違いざまに放たれた冷徹な一撃が、佳陽公主の胸元へと容赦なく突き刺さります。

刃は深く肉体を貫き、王女の口から鮮烈な血のしぶきが夜空へと舞い上がりました。

統領が気づいた時には、王女は鮮血に染まりながらその場に崩れ落ちていました。

大晦日の夜に凄惨な悲鳴が響き渡り、周囲の民衆は恐怖のパニック状態となって逃げ惑います。

花火の光に照らされた暗殺者の影は、人混みの中へと瞬時に消え去っていきました。

蕭権の倒倒錯した愛と生物兵器御黛香の宮廷侵食

蕭権が妹の愛用していた御黛香を太皇太后に献上した行動には、極めて冷酷な計算が働いています。

第18話で刀哥が廃人同様に陥った描写からも分かる通り、この香は脳を腐らせる最凶の兵器です。

蕭権は朝廷の最高権力者を毒で無力化し、自らが天下の全権を掌握する計画を前倒ししました。

それと同時に、血の繋がらない妹である皇后への歪んだ純愛が、この計略の引き金となっています。

彼女が毒の依存症に巻き込まれるのを防ぐため、あえてお気に入りの品を後宮の深奥へ遠ざけました。

実の父親を殺害した彼の狂気は、最愛の女性を守るためなら国家を滅ぼすことさえ厭わない領域に達しています。

衝撃の暗殺劇が告げる復讐劇の終幕と緊迫の次号予告

大晦日の華やかな祭りの空気から、一瞬にして凄惨な殺人現場へと変貌する演出の緩急が見事な一話でした。

衣服を密かにプレゼントする晏長昀の不器用な愛に胸が躍る反面、ラストの刺殺シーンの圧倒的な絶望感に息を呑みます。

第11話の後宮での目撃談がここで回収され、蕭権の異常な心理が暴かれる脚本の構成力に鳥肌が立ちました。

次回第20話では、目の前で国賓を刺殺された晏長昀が、千羽衛の監察責任を問われて絶体絶命の窮地に立たされます。

王女を失った寧国使節団が激怒し、朝廷に対して全面的な宣戦布告を突き付ける最悪の事態へと発展。

瀕死の王女が握る最後の秘密を巡り、拂暁が自らの師匠である白弋の元へと命がけで乗り込みます。

つづく