華京を離れる英雄たちと青州に渦巻く最悪の暗殺計画
大理寺での流言騒動を乗り越えたのも束の間、大遂の命運を揺るがす新たなる軍事任務が幕を開けます。
第26話は、皇帝の命により青州へと派遣される衛韞(ウェイ・ユン)と、因縁のライバルである監軍の顧楚生(こそせい)の不穏な共闘が描かれます。
一方、華京に残された楚瑜(そゆ)は長公主(ちょうこうしゅ)の行方を追って隠密捜索を開始し、鳳陵城へと繋がる血の導火線を見つけ出します。
策略の遠征と隠された血痕!青州の闇に潜む北岐の毒牙
宋文昌(ソン・ウェンチャン)が魅せた綿雪の奇策と蒋純が授けた真実の恋の試練
護国公府の宋文昌(ソン・ウェンチャン)は、頑なに心を閉ざす楚錦(そきん)のために、風雅な絵画の軸を用意していました。
彼がゆっくりと画軸を開いて弾くと、中から本物の綿絮が漫天に舞い散り、美しい銀世界を演出します。
第21話で描かれたように、一度は約束を破った彼ですが、楚錦(そきん)のすべてを愛する情熱は決して衰えていませんでした。
同じ頃、衛府では長嫂の蒋純が、楚瑜(そゆ)への執着に苦しむ衛韞(ウェイ・ユン)に対して真摯な助言を授けていました。
女性との接触が少なかった若き侯爵に対し、あえて彼女のいない遠い土地へ赴き、異なる生活を経験することを提案。
そこでもなお想いが消えぬなら、それこそが本物の愛であるという、蒋純なりの深い親心による人生の試練でした。
青州の財政不正と国公府から引き継がれる若き将軍たちの使命
大遂の朝廷では、青州節度使の許令璋が長年にわたり国庫への賦税を隠匿し、中飽私囊(私腹を肥やす行為)を働いている疑惑が浮上。
皇帝は新任の懐化大将军である衛韞に青州への出兵を命じ、宋家兄弟を左右の将軍に、そして顧楚生(こそせい)を監軍に指名しました。
第25話で楚瑜への求婚を拒絶された顧楚生は、公務においては衛韞と互いの能力を競い合うことを冷酷に宣言します。
護国公は長男の文昌が国境を守る真の武将へと成長したことを確信し、先祖伝来の長刀をその手に厳かに伝承。
若き兄弟が膝をついて不負使命を誓う中、朝廷から正式な出陣の聖旨が下されました。
同時に、兄の楚臨陽(そりんよう)もまた、かつて父が散った鳳陵城の守備を命じられ、華京からそれぞれの英雄が旅立ちます。
閉ざされた公主府の梅花紋の血痕と鳳陵城へ密航した富貴の花
楚瑜は長公主(ちょうこうしゅ)の離京に不審を抱き、晩月と楚錦を伴って厳重な公主府の壁を攀じ登り、不法潜入を決行。
広大な邸内には門客の姿が一人もなく、奥の密室の床には梅花紋の不気味な血痕が鮮烈に残されていました。
第23話で長公主が薛寒梅(せつかんばい)(せつかんばい)を捕らえたあの激戦の痕跡であり、誘拐が成立した動かぬ証拠です。
┌────────────────┐
│ 公主府への潜入 │
└───────┬────────┘
│(梅花紋の血痕を発見)
▼
┌────────────────┐
│長公主の簪が│
│ 鳳陵城周辺で発見│
└───────┬────────┘
│(楚瑜も北へ走る)
▼
┌────────────────┐
│ 鳳陵・青州を舞台│
│ にした最終決戦へ│
└────────────────┘
衛韞が事前に追跡させていた情報により、鳳陵城の周辺で長公主の金の髪簪が回収されていた事実が判明。
楚瑜は実家の祖母・謝韻に別れを告げ、兵器職人の陸七八(りくしちはち)が待つ鳳陵城へと自らも馬を駆る決意を固めました。
一方、楚臨陽(そりんよう)の軍の輜重(兵糧部隊)の中には、愛する彼を追って護国公府を脱走した宋清平(そうせいへい)(そうせいへい)が密航していました。
臨陽は厳しく帰還を促しますが、徒歩ででも付いていくという彼女の強い執着に、ついに不器用な心軟を見せます。
男女の礼節を守るため自らは馬車を降り、執事の楚山に慎重な運転を命じて、二人の運命は鳳陵の地へと向かいました。
青州節度使の暗殺の罠と深夜の老宅で炸裂した衛韞の拳
青州の地に到着した衛韞一行を迎えたのは、冷酷な笑みを隠し持つ節度使の許令璋でした。
衛韞は即座に城内の防衛陣形を自らの衛家軍に差し替えようと提案しますが、許令璋は巧妙な言葉でこれを拒絶。
裏で糸を引く北岐暗探の沈佑に唆された許令璋は、衛韞と顧楚生をこの地で抹殺する最悪の監禁暗殺計画を始動させます。
深夜、許令璋は顧楚生を激しい酒宴で酩酊させ、護衛の張灯に支えられた彼を衛韞の前に鉢合わせさせました。
酒気を帯びた顧楚生は、楚瑜への執着を剥き出しにして衛韞の若き逆鱗を激しく挑発。
限界を迎えた衛韞はその胸ぐらを掴み、文弱な書生である顧楚生を冷酷に地面へと叩きつけ、激しい拳を振り下ろします。
暗闇の陰からこの激しい仲間割れを見つめる許令璋の双眸には、完全な暗殺の好機としての冷酷な笑みが浮かんでいました。
独自考察:青州賦税隠匿の裏に潜む趙玥の軍事的資金源
許令璋が長年にわたり青州の賦税を国庫から隠匿していた事実は、単なる地方官僚の汚職ではありません。
第23話で薛寒梅(せつかんばい)の正体が北岐の皇子・趙玥であると暴かれた通り、この不正資金はすべて梅花の組織の間諜網へ流れていました。
姚勇亡き後、趙玥は大遂の経済の要所である青州を完全に掌握し、大遂を内部から崩壊させるための軍事的資金源として利用していたのです。
衛韞が提案した防衛陣形の差し替えを許令璋が頑なに拒んだのは、城内に北岐の私兵が大量に潜伏している事実を隠蔽するため。
顧楚生と衛韞の不仲を逆手に取り、二人を同時に処刑しようとする計略の罠が、青州の夜を血で染めようとしています。
宿命の対峙の終わりと鳳陵城へ集う逆襲の包囲網
前半の宋文昌が見せた美しい雪の演出から一転し、後半の青州での凄惨な内紛劇へと繋がる、一瞬の隙も許さない素晴らしい構成の回でした。
お互いの正義を信じながらも、楚瑜という一人の女子を巡って拳を交わす衛韞と顧楚生の姿には、人間らしい激しい感情のが宿っています。
次回第27話では、仲間割れを確信した許令璋が、軍を動かして衛韞らの暗殺を仕掛ける青州大暴動が勃発。
危機を察知した楚瑜は、鳳陵城の楚臨陽とともに、この巨大な罠を打ち破ることができるのか。
大遂の命運を分ける国境の大決戦から、一瞬たりとも目が離せません。
つづく

