絶体絶命の万茶大会で起きた奇跡と宮廷の陰謀
京師で開催された万茶大会は、特権商人の思惑を超えた大乱へと発展します。
入場に必要な腰牌のない古平原(グー・ピンユエン)が、偶然にも最高権力者である慈禧太后へ新茶を献上する名誉を獲得。
しかしその裏では、南方の革命党・蘇紫軒(スー・ズーシュエン)による冷酷な暗殺計画が静かに進行していました。
欲望と血煙が渦巻く王府の茶会
偏門での運命的な邂逅と慈禧太后へ捧げた無礼な至高の茶
京師へとたどり着いた古平原(グー・ピンユエン)と弟の古平文は、万茶大会の正面門で立ち往生していました。
第18話で約束した李欽(リー・チン)の腰牌が届かず、彼らは王爺府の偏門へと回り込む決断を下します。
そこで遭遇した高貴な婦人こそ、身分を隠して王府へ赴いた最高権力者の慈禧太后(西太后)でした。
偏門の侍衛からさらに五千両の法外な参加費を要求された平原は、無駄な大金を払うことを拒否し、王府の庭園を彷徨います。
涼亭で休息をとっていた慈禧太后は彼らを見つけ、太監の小安(ショウアン)を使い、平原を近くへ呼び出しました。
平原は眼前の婦人の正体を知らぬまま、独自の銘茶である蘭雪茶(ランセツ茶)を堂々と烹茶し始めます。
婦人のまとう化粧の脂粉が茶の香りを損なうと直言する平原の姿に、周囲の太監たちは肝を冷やしました。
平原は、第12話や第13話の戦火で一度は灰燼に帰した山澗村の茶園を、涙ながらに再建した歴史を詳しく語ります。
さらに第17話で借金から救い出した炒茶の名匠・廖先生が、百年の鉄鍋で炒りあげた極上の技法を明かしました。
大会の門前で横行する数千両の賄賂徴収の不正を直訴された慈禧太后は、主催者である六王爺への内情調査を命じます。
平原の裏表のない誠実さと蘭雪茶の圧倒的な品質は、最高権力者の頑なな心を完全に魅了しました。
【万茶大会の潜入ルートと関門】
正面門(腰牌が必要・李欽(リー・チン)の拘束により不発)
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偏門(裏門・慈禧太后の行列に紛れて突破)
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王府庭園(侍衛の恐喝を回避し、慈禧太后の涼亭へ)
偽りの福晋が仕掛けた毒茶と蘇紫軒(スー・ズーシュエン)の怨念の正体
会場の前庁では胡老太爺が屯渓銀毫の実演を行い、李万堂(り・ばんどう)が秘蔵の金絲龍茶を誇示して王爺たちを喜ばせていました。
しかし、後庭では六王爺の福晋(プリンセス)に化けた蘇紫軒(ソ・シケン)が、慈禧太后への接近を果たします。
彼女が献上した茶の香りが、自らの蘭雪茶に酷似している異変を平原は瞬時に察知しました。
平原は大声で叫び、慈禧太后が毒入りの茶碗を口に運ぶのを間一髪で制止することに成功します。
驚異的な機転により暗殺計画を阻止された蘇紫軒は、激しい怒りを燃やしながら現場から逃亡しました。
平原兄弟もまた王府の混乱に乗じて、命からがら滞在先の客戦へと退避します。
事態を知った六王爺は平伏して慈禧太后に謝罪し、謎の烹茶の若者を即座に捜索するよう厳命を下しました。
一方、京城の巨商である李万堂(り・ばんどう)は、事前にこの暗殺劇を予見して息子の李欽を自宅へ監禁。
第2話の軍馬密輸や第9話の山荘の粛清で暗躍した蘇紫軒の正体が、元軍機大臣の遺児であった事実を語ります。
一族を慈禧太后に処刑された蘇紫軒は、その血仇を晴らすために革命軍を装い、数年間にわたり牙を研いでいたのです。
天下第一茶の栄誉と安徽茶商会が仕掛けた昏睡の罠
深夜、客戦の平原の元へ、安徽の父母官(地方長官)である喬松(キョウ・ショウ)から極秘の招待が届きました。
慈禧太后に茶を献上した平原の威光を恐れた官僚は、盛大な宴を設けて彼を熱烈に歓迎します。
喬松は西北の叛乱軍が洋人の洋槍洋炮を使用している苦境を訴え、最新式武器の調達を平原に懇願しました。
翌朝、平原の元へ宮廷から天下第一茶の巨大な牌匾(看板)が正式に下賜されます。
平遥の金融戦を生き抜いた彼の名声は、一瞬にして中原の茶貿易市場の頂点へと轟きました。
利権の逆転を悟った胡老太爺(コウろうたいや)は、平原を安徽茶商会の新しい会首(会頭)へと迎える決定を下します。
かつて第17話で平原を激しく侮辱した悪徳商人の侯二が、涙を流して平原の前に平伏しました。
平原は警戒しつつも彼の連れ出した胡老太爺の元へ向かい、差し出された和解の茶をその場で一飲みにします。
しかしそれは、利権を奪われた特権商人たちが仕掛けた冷酷な睡眠薬の罠であり、平原はその場で昏睡し連れ去られました。
宮廷の特権構造を打破する天下第一の称号と軍事ビジネスの布石
古平原が獲得した慈禧太后の封賞は、単なる名誉ではなく最大の独占的商業特許を意味します。
清朝末期の商業において、最高権力者からの信頼は、既存のあらゆるギルドの規則を無効化する絶対的な武力です。
第17話で胡老太爺や侯二が敷いた流通封鎖の壁は、この看板一枚によって完全に崩壊しました。
しかし、蘇紫軒が抱える軍機大臣の遺児という過去は、物語の戦場が国家転覆の政治闘争へ拡大したことを示しています。
彼女が使った蘭雪茶に似た毒茶の製法は、平原の相場観をも脅かす危険な暗殺兵器。
特権なき商人が生き残るには、喬松から依頼された洋槍の調達という、官商一体の軍事ビジネスへの参入が不可欠です。
頂点からの急転直下と闇に消えた大商人の行方
慈禧太后を満足させた直後に、悪徳商人・侯二の卑劣な罠によって誘拐される展開の落差に見入ってしまいます。
第12話から紡がれてきた山澗村の復興が、宮廷の利権闘争と見事に合流した脚本の密度の高さ。
白依梅(バイ・イーメイ)への未練を断ち切った平原が、今度は国家規模の巨大な闇へと引きずり込まれていく姿が痛切。
翌朝、平原の生存を求めて安徽茶商会へ乗り込んできた恭親王(きょうしんおう)。
兄の失踪を知った古平文が、平遥の仲間たちを動かしてどのような大捜索を展開するのでしょうか。
洋槍の買い付けという新たな密輸ルートの行方と、囚われた平原の生死が描かれる第20話の展開が待ちきれません。
つづく


