絶望の除夕から大逆転へ!古平原(グー・ピンユエン)が仕掛ける新たな道
極寒の寧古塔を脱出し、山西省の平遥へとたどり着いた古平原(グー・ピンユエン)を新たな試練が襲います。
強欲な巨商である王天貴(ワン・ティエングイ)の執拗な取り立てに対し、古平原は持ち前の知略で真っ向から立ち向かいました。
家を追われる危機の常四(チャン・スー)一家を救うため、戦火の科爾沁草原へと向かう危険な商路を開拓する第4話です。
緊迫の金銭交渉と科爾沁草原への過酷な活路
知略で悪党を退散!除夕の期限を逆手に取った心理戦
王天貴(ワン・ティエングイ)の命令を受けた悪党の李頼子と執事一味は、常四(チャン・スー)の屋敷に容赦なく押し寄せます。
彼らは借金の形として、常四が命よりも大切にしている二畝の塩田を強奪しようと画策しました。
第3話で描かれたように、王天貴は地元の官員を買収して常四の塩田を閉鎖に追い込んだ因縁の男です。
窮地に陥る常四を救うため、背後に控えていた古平原が静かに前へと進み出ました。
古平原は不敵に笑い、李頼子に対して「朝廷への反逆罪」という重い罪名を突きつけます。
第2話で本物の革命党である蘇紫軒(スー・ズーシュエン)の軍馬密輸を手伝った経験を逆手に取り、凄まじい威圧感で悪党を脅しました。
生きた心地のしない李頼子は、自分が王天貴に騙されていたと思い込み、一目散に逃げ出します。
残された執事は常四の底性を探ろうとしますが、常四は古平原を遠方の甥だと偽って胡乱な目を誤魔化しました。
執事は未払いの借金七百十八両の返済を迫り、大晦日に屋敷を明け渡すよう理不尽な要求を突きつけます。
ここで古平原は執事の手から借用書を鮮やかに奪い取り、記載された期限の矛盾を鋭く指摘しました。
書面にある期限は「今年中」であり、本当の期限は明日迎える除夕の夜のはずです。
一日でこれほどの大金を用意できるはずがないと高を括る執事は、吐き捨てるようにしてその場を立ち去りました。
常玉児の涙と科爾沁草原への命がけの輸送契約
その夜、常四は自らの無力さを呪い、集まった仲間たちと浴びるように酒を飲んで泥酔します。
大晦日に住む場所を失う恐怖に怯える常玉児は、静かに涙を流していました。
古平原は彼女を優しく慰め、必ず屋敷を守り抜くと誓って賑やかな街へと連れ出します。
街は華やかな獅子舞で溢れ、新年を祝う民衆の歓声が響き渡っていました。
人混みの中で常玉児が帽子を落とすと、古平原は素早くそれを拾い上げて彼女の頭へと戻します。
二人の距離が急速に縮まる中、突如として朝廷の官兵たちの隊列が街へと乱入してきました。
官兵の目的は、馬の伝染病である馬瘟が蔓延する科爾沁草原へ緊急の薬を輸送する人員の確保でした。
戦火の絶えない危険地帯への輸送ゆえに、誰もが命を惜しんで名乗りを上げようとはしません。
この危機を好機と捉えた古平原は、すぐさま馬幫公所へと走り、常四の名で輸送の全権を引き受けました。
古平原は旅蒙商人の漢隆と交渉を重ね、極めて有利な条件の契約書を締結します。
当初提示された六十日の期限を七十日へと延ばさせ、さらに多額の安家費を前金として毟り取りました。
この莫大な前金こそが、王天貴への借金を一瞬で完済するための唯一の切り札となります。
王天貴への痛快な反撃と平遥に忍び寄る指名手配の影
翌朝、常四が目を覚ますと、机の上には見たこともないほどの銀票の山が積まれていました。
驚く常四に対し、常玉児は古平原が科爾沁草原への危険な送薬任務を引き受けたと報告します。
戦乱の地へ向かう無謀さを激怒する常四ですが、古平原の熱い言葉が彼の商人としての魂を揺さぶりました。
古平原は馬幫の仲間たちを集め、再び常四と共に北の大地へ命の旅に出ようと熱弁を振るいます。
住処を失うわけにはいかない仲間たちは、給与二割増しの条件を提示した常四の男気に歓声を上げました。
団結した馬幫を率い、古平原と常四は堂々と王天貴の屋敷へと乗り込みます。
屋敷を奪えると思い込んでいた王天貴は、目の前に差し出された本物の銀票の山に言葉を失いました。
常四は借用書と房契を力ずくで奪い返し、冷酷な巨商の鼻を明かしてその場を立ち去ります。
激怒した王天貴はすぐさま古平原の身辺調査を命じ、謎の文人の正体を暴こうと動き出しました。
常四が旅の無事を祈って香堂を設ける裏で、王天貴の執事は確実に古平原の過去へと近づいていました。
執事は外国の伝教士に命じ、古平原の正確な画像を極秘裏に作成させます。
その手配書から、古平原が寧古塔の流刑囚であるという決定的な弱点を王天貴に握られてしまいました。
多折山の猛吹雪と京城で交錯する革命党の野望
王天貴の陰謀を背に受けながらも、常四の馬幫は激しい雪の降る多折山へと差し掛かります。
猛烈な突風と険しい山道により、薬を積んだ馬車が深い雪に嵌って動かなくなりました。
凍死の危険が迫る中、古平原と常四は全員で声を掛け合い、力を合わせて窮地を脱します。
同じ頃、季節は春へと移り変わり、南方の革命党である蘇紫軒(スー・ズーシュエン)が京城の李万堂(り・ばんどう)の元を訪れていました。
第2話で寧古塔から軍馬を密輸した彼女の目的は、山西平遥に新たな票号や当鋪を開設することです。
革命のための軍費を平遥の莫大な資本から吸い上げようという、国家を揺るがす壮大な計略でした。
この危険な計画の責任者として、若き少東家の李欽(リー・チン)が自ら平遥への赴任を志願します。
李万堂(り・ばんどう)は息子の実力を危ぶみますが、蘇紫軒は李欽(リー・チン)の熱意を信じて彼に全権を託しました。
さらに蘇紫軒は、自分が深く見込んだ天才である古平原を、自らの革命の旗の下へ誘おうと画策します。
李万堂は流刑囚を重用することの危険を説きますが、彼女は古平原の才覚を高く評価していました。
心理戦の極致!「反賊の濡れ衣」と「期限の盲点」を突く経済学
第4話における古平原の戦術は、清朝末期の法制度と人間の心理的な弱点を完璧に突いた見事なものです。
李頼子に対して放った「朝廷への反逆罪」という脅しは、単なる口八丁のハッタリではありません。
第2話において本物の反賊である蘇紫軒の軍馬密輸を目撃した彼だからこそ、その言葉に狂気的な現実味を持たせられたのです。
暴力でしか話の通じない悪党を退散させるための、極めて高度な心理的防衛戦術でした。
また、王天貴の執事から借用書を奪い取り、期限の盲点を突いた場面も秀逸です。
「今年中」という曖昧な文言を逆手に取り、除夕の夜まで時間を稼ぐことで、科挙の文人らしい論理的思考力を見せつけました。
このわずか一日の猶予の間に、馬瘟という国家規模の危機を利用して漢隆から前金を毟り取るスピード感。
これこそが、後に彼が江南の塩業や茶貿易で巨富を築く基礎となる、圧倒的な相場観の萌芽です。
宿命の地・平遥へ!動き出した天才たちのマネーゲーム
王天貴という平遥の巨商を一時的に退けたものの、古平原の前途にはさらなる暗雲が立ち込めています。
人相書きによって「寧古塔の脱走囚」という致命的な弱点を握られたことは、今後の大きな火種となるでしょう。
何より、科爾沁草原の過酷な環境と戦火という物理的な危険が、馬幫の命を激しく脅かします。
しかし、最も胸が熱くなるのは、京城から平遥へと向かう李欽と蘇紫軒の動きです。
第3話で古平原の侠気に惚れ込み、「友達になりたい」と願っていた李欽との平遥での再会。
この再会が、後に彼らが三大専営権を巡って骨肉の争いを繰り広げる悲劇の幕開けとなります。
命懸けの北国送薬ルートの行方と、平遥で幕を開ける巨大な票号戦争の第5話から目が離せません。
つづく
