忌まわしき密室と化した秦府で幕を開ける第二の惨劇
第5話で宋柔の無頭事件を見事に解決し、燕遅(イェン・チー)と共に刑部へと進む道が開けた秦菀。しかし、次なる目的地へ発つ直前、彼女が身を寄せる秦府の内部でさらなる血の惨劇が幕を開けます。
立ち入り禁止の紫竹林に隠された不気味な一族の秘密と、深夜に発生した側室の惨殺事件。息を呑むサスペンスの魅力を、高い情報密度で余すところなくお届けします。
偽りの家風を暴くメスと紫竹林に沈む血塗られた足跡
義姉の胎内を救った針治療と長兄が隠す冷酷な本性
秦菀のもとに、実家に帰省中だった義理の姉が突然の不正出血で倒れたという凶報が届きます。彼女は大長公主への往診を後日に回し、特製の薬箱を抱えて秦府へと急行しました。
持ち前の卓越した鍼治療により、秦菀は義姉の胎内にある子供の命を危機一髪のところで繋ぎ止めます。しかし、看病よりも体裁を気にする長兄の姿に、彼女は強い嫌悪感を抱きました。
長兄は妻の体調よりも、燕遅(イェン・チー)の目を意識して秦菀に高価な首飾りを贈り、自らの点数を稼ごうとします。その醜悪な家風を目の当たりにした燕遅は、秦菀に京城への帰還を強く促しました。
秦菀は第1話で描かれたように、両親と秦二叔を亡くした雨夜から、孤独な復讐を誓って生きてきました。京城に残された古い実家へと戻り、自らの力で戦い抜く決意をここで改めて固めます。
深夜の豪雨に倒れた侍女と兄の顔に刻まれた奇病の痕跡
燕遅が近々荊州を発つため、秦菀は約束していた特製の金創薬の調製を急ピッチで進めていました。しかし、燕遅の裏の目的は、溺死を装って身を隠した沈菀の行方を徹底捜索することです。
ある激しい雨の夜、秦菀と茯苓(フーリン)が薬を求めて中庭を歩いていると、老夫人の侍女である蓮葉の冷たい遺体を発見します。その傍らには、黒衣を纏い狼狽する従兄の姿がありました。
劉管家が手際よく遺体を処理し、通報を揉み消そうとする中、秦菀は兄の顔に広がる梅毒(楊梅瘡)の傷痕を捉えます。兄は自らの恥ずべき奇病を治してもらうため、密かに秦菀を覗き見ていたのです。
燕遅は秦菀の周囲に漂う殺気を敏感に察知し、最強の暗殺部隊である影七を荊州へと極秘裏に呼び寄せます。秦府という密室の中で、秦菀を守るための見えない包囲網が静かに敷かれ始めました。
禁断の竹林に隠された不倫の連鎖と井戸の底の怪異
秦菀は、蓮葉の衣服に付着していた植物片から、一族が立ち入りを厳禁する謎めいた紫竹林へと単身潜入します。雪の上に残された必死の足跡から、蓮葉が何者かに追われて惨殺された事実を確信しました。
調査を続ける秦菀の前に、首元に同じ梅毒の傷を隠した八姨娘と、不気味な劉管家が相次いで姿を現します。危険を察知した晚杏の引き合わせにより、彼女はその場を辛くも脱出しました。
その直後、騒ぎを起こした秦霜が古い井戸へと転落し、泥の中から人間の白骨を発見したと狂乱します。劉管家はそれをただの枯れ枝だと偽り、秦府の深い闇を力ずくで覆い隠そうと躍起になりました。
老夫人は口封じのため、秦菀の部屋に二人の怪しげな侍女を送り込み、室内の遺品を徹底的に捜索させます。秦菀は部屋が荒らされているのを確認し、この女たちが蓮葉の死の共犯であると確信しました。
楊梅瘡が結ぶ秦府の邪悪な因果と紫竹林の真実
作中で登場した楊梅瘡(梅毒)は、当時の社会において最も忌み嫌われた、極めて凶険な感染症の一つです。この病が庶子である二哥だけでなく、老夫人の側近である八姨娘の身体にも発現していたという事実は見逃せません。
これは秦府の内部で、身分を超えた不適切な男女の情交関係が密かに網の目のように張り巡らされていたことを示しています。口封じのために蓮葉が殺され、秘密を共有する八姨娘までもが標的となったのは必然の流れです。
また、劉管家が必死に隠匿しようとした井戸の白骨の存在は、この屋敷が長年にわたり幾つもの命を葬ってきた証拠。紫竹林は単なる禁足地ではなく、一族の凄惨な罪業を隠し通すための巨大な墓標なのです。
冷酷な刃が切り裂く平穏と刑部へのカウントダウン
第5話で宋柔の尊厳を取り戻したばかりの秦菀を、今度は自身の足元にある秦府の地獄が容赦なく襲いかかります。八姨娘の衝撃的な惨殺によって、犯人の凶刃はすでに秦菀のすぐ目の前まで迫っている状況です。
父親との間に朔西軍を巡る激しい確執を抱えながらも、燕遅が送り込んだ影七の存在が、孤独な彼女の唯一の希望となります。送り込まれた二人のスパイ侍女と、暗闇の井戸に沈む失われた死者の声が、次回の捜査でついに覚醒します。
つづく


