あらすじ

肖鐸(しょうたく)は歩音楼(ほいんろう)への想いを断ち切れず、彼女の身を案じる。一方、歩音楼は栄安(えいあん)の陰謀を逆手に取り、過去の秘密を探るため大胆な計画を実行する。その過程で九郎(くろう)の助けを借り、栄安を捕らえて重要な情報を引き出すことに成功する。時を同じくして、歩音楼の失踪を知った皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)は、肖鐸の仕業と疑い、二人はついに直接対決する。

ネタバレ

前回、歩音楼(ほいんろう)の言葉に打ちのめされた肖鐸(しょうたく)様。口では「あいつの名前なんか聞きたくもない!」なんて強がっちゃって、曹春盎(そう しゅんおう)にも「二度と歩音楼(ほいんろう)の名を出すな!」なんて命令しちゃったりして。でもね、やっぱり心の中は歩音楼(ほいんろう)のことでいっぱいなんですよ、このツンデレさんったら!

こっそり九郎(くろう)を鹿鳴蒹葭(ろくめいけんか)の外に配置して、歩音楼の様子を監視させちゃうあたり、もう愛情だだ洩れですよね(笑)。その九郎からの報告によると、なんとあの栄安(えいあん)が、例の掌事姑姑を買収して、歩音楼を陥れようと画策してるっていうじゃないですか!これは一大事!…と思いきや、当の歩音楼は、そんなことどこ吹く風。美味しいものを食べて、飲んで、暇なときには宮女たちとカードゲームに興じているっていうんだから、さすが我らが歩音楼、肝が据わってます!

肖鐸(しょうたく)様、歩音楼が昨夜のことで落ち込んでいるどころか、むしろ毎日元気に宮門を眺めていると聞いて、心中はもうグッチャグチャ。部屋に戻って、歩音楼の思い出の品々を全部戸棚に投げ込んじゃうんです。あの可愛いオウムの巴公公(ぱこうこう)まで!でもね、そんな怒りも一瞬で消えちゃって、結局は愛しさが勝っちゃう。そそくさと戻ってきて、靴を履かせ、葉子牌(カード)を袖にしまい、巴公公も出して遊ばせる始末。もう、可愛すぎか!

お庭を眺めれば、そこかしこに歩音楼の面影が。まるで彼女が一度も去っていないかのように。肖鐸(しょうたく)様は思うわけです。「水が過ぎても痕跡は残るのに、歩音楼は本当に自由を諦めて、この深宮に閉じ込められることを甘んじて受け入れたのだろうか?」って。でも、たとえそうだとしても、彼自身は諦めきれないんですよね。そして、彼と同じように諦めきれない男がもう一人…そう、我らが曹春盎(そう しゅんおう)です!

曹春盎(そう しゅんおう)は、一本のかんざしを手に、寂しそうな目で空を見つめていました。ついに耐えきれず、九郎に彤雲(とううん)の状況を尋ねると、なんと彤雲(とううん)が慕容高鞏(ぼようこうきょう)に逆らってしまい、今は染織局で罰を受けているという衝撃の事実が!心配でたまらない曹春盎は、急いで染織局へ。そこで見たのは、今にも風で吹き飛ばされそうなほど弱々しく仕事をする彤雲(とううん)の姿…。手のマメや水ぶくれを見て、曹春盎の心はもう張り裂けんばかり。そっとその手を取り、息を吹きかける彼に、彤雲はついにこらえきれず、えんえん泣き出しちゃうんです。涙で何かが吹っ切れたのか、危うく歩音楼の秘密を口にしそうになる場面もあって、ハラハラしましたね!

さて、場面は変わって歩音楼。ついにチャンスを掴んで、こっそり壁際まで行き、壁を乗り越えて脱出しようとします。ところが、そこでバッタリ会ったのは、なんと壁を乗り越えて入ってこようとしていた婉婉(えんえん)と宇文良序(うぶん・りょうじょ)!どうやら婉婉は、侍女の素槐(そかい)が栄安に買収されたと聞いて、歩音楼の身を案じて危険を冒してやって来たみたい。でも、歩音楼はとっくにそんな情報掴んでました。それどころか、「栄安を怒らせて、ある情報を聞き出すためなの」と大胆不敵な計画を打ち明けるんですから、もうカッコよすぎ!

そして計画実行!歩音楼は鹿鳴蒹葭を抜け出し、案の定、栄安が差し向けた誘拐犯たちに遭遇。歩音楼は「待ってました!」とばかりに大喜びで輿に乗り込みます。誘拐犯が後悔して逃げやしないかと心配するくらい(笑)。婉婉と宇文良序も準備万端で、「さあ、一網打尽よ!」と意気込んでいたんですが…ここでまさかの九郎が登場!「えええええ!なんでここに!?」と歩音楼もパニック。でも、そこは機転の利く彼女。すぐに九郎に「お願い!栄安の誘拐、手伝って!」と頼むんですから、もう展開が読めません!

栄安が目を覚ますと、手足を縛られ、隣にはニッコリ(?)微笑む歩音楼が。歩音楼は一瓶の薬の粉をチラつかせます。怒り心頭の栄安は「無茶はやめなさい!」と警告しますが、歩音楼は全く動じず、薬を無理やり飲ませようとするフリ。これには栄安もパニック!ついに、かつての出来事を洗いざらい白状するんです。なんと、栄安は南苑王(なんえんおう)と如意巷(にょいこう)の茶屋で密会していたというのです!そして、奇しくも肖鐸様も同じ情報を掴んでいました。さすが、できる男は違いますね!

一方その頃、慕容高鞏(ぼようこうきょう)は歩音楼を驚かせようと、こっそり鹿鳴蒹葭へ。しかし、部屋には歩音楼の姿がない!鹿鳴蒹葭の厳重な警備を考えると、ここから人を連れ出せるのは肖鐸しかいない…そう考えた慕容高鞏(ぼようこうきょう)は、怒り狂って昭定司(しょうていし)へ乗り込み、肖鐸様に「朕がそなたを斬れないとでも思っているのか!」と詰め寄り、剣を首筋に突きつけるんです!ひえええ、緊迫のシーン!でも、我らが肖鐸様は全く怯まず、真っ直ぐ慕容高鞏を見据え、一歩も引かないのでした。いやー、痺れますね!

『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第24話 感想

いやはや、今回も濃密な一話でしたね。肖鐸様の歩音楼への想いの深さが、強がりとは裏腹にひしひしと伝わってきて、胸が熱くなりました。一方の歩音楼は、相変わらずの聡明さと大胆さで、栄安の企みを逆手に取る鮮やかな手腕を見せてくれました。彼女の機転と行動力には、いつもながら感服させられます。

脇を固めるキャラクターたちも魅力的で、特に曹春盎と彤雲の切ない恋模様には心が締め付けられました。二人の幸せを願わずにはいられません。そして、ついに栄安が過去の悪事を自白する展開となり、物語の核心に一歩近づいた印象です。

ラストの肖鐸と皇帝・慕容高鞏が一触即発となる場面は、息をのむほどの緊迫感でした。二人の対立が今後どのように物語を動かしていくのか、目が離せません。

つづく