あらすじ
朝廷で不穏な動きを見せる南苑王(なんえんおう)。一方、歩音閣(ほいんかく)は音楼の服を盗み、慕容高鞏(ぼようこうきょう)に接近する。慕容高鞏は音楼への嫉妬と肖鐸(しょうたく)への疑念を募らせる。狩り場で音楼は歩音閣と南苑王の密会を目撃。さらに歩音閣が謀反に必要な令牌を南苑王に渡すのを見て、謀反を確信する。慕容高鞏への報告は間に合わず、音楼は婉婉(えんえん)に事実を告げる。ついに南苑王の謀反軍が行宮を襲撃。婉婉は抵抗し、宇文良序(うぶん・りょうじょ)と悲しい別れをする。その頃、肖鐸も刺客に襲われるが、これを撃退する。
ネタバレ
まず朝廷では、南苑王(なんえんおう)が何やら怪しげなパフォーマンスを披露。砂盤に文字を刻むとか言って剣を持ち出したかと思えば、いきなり石つぶてが皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)めがけて飛んでくるわ、それを南苑王(なんえんおう)が剣で弾き飛ばすわ…って、これ絶対何か裏があるでしょ!案の定、慕容高鞏(ぼようこうきょう)に「褒美は何が欲しい?」と聞かれた南苑王は、「恐れながら…狩り場で馬を走らせたいのです」なんて殊勝なことを。慕容高鞏もノリノリで許可しちゃって、歩馭魯(ほ よくろ)に準備を任せるんだけど、これが後々大変なことになるなんて、この時は誰も思ってないんですよねぇ。
一方、あの食えない女、歩音閣(ほいんかく)が突然、歩音楼(ほいんろう)の住まい「鹿鳴蒹葭」にやってくるんです。やけに馴れ馴れしく歩音楼(ほいんろう)に近づいてくるなーと思ったら、なんとこっそり歩音楼の服を何枚か盗んでいくという大胆不敵さ!これ、絶対何か企んでますよね?
その夜、慕容高鞏が歩音楼の様子を見に鹿鳴蒹葭へ。病気で伏せっているはずの歩音楼が輪投げで遊んでいるのを見て、慕容高鞏はカッチーン!怒り心頭で部屋を出ようとしたところで、歩音楼の服を着た女とバッタリ。そう、それが歩音閣(ほいんかく)!もうイライラMAXの慕容高鞏は、ヤケになったのか歩音閣と酒盛りを始めちゃいます。
酔った勢いなのか、慕容高鞏は歩音閣に歩音楼のフリをさせるという、見てるこっちが赤面しちゃうようなプレイを要求!歩音楼はただただひざまずいて「何も言いません」と謝るしかないんだけど、その顔に嫉妬の色が全く見えないのが、慕容高鞏には余計に腹立たしかったみたい。結局、歩音閣を抱きかかえて部屋に入っていっちゃいました…。うーん、皇帝、ちょっと歪んでますね。
でも、やっぱり慕容高鞏の心は晴れない。歩音楼と親密な男といえば連城公子(れんじょうこうし)だけだと思っていたけど、もしかして…あの宦官の肖鐸(しょうたく)も怪しいんじゃないか?と疑心暗鬼に。これを聞いた孫公公(そんこうこう)はビックリして、「陛下、肖鐸(しょうたく)はただの宦官ですよ!天下に天子に逆らう者などおりませぬ!」と必死になだめるんだけど、慕容高鞏の疑念は深まるばかり…。
狩り場では、慕容高鞏がわざとらしく歩音閣とイチャつきながら弓を射ったりして、「この世に俺が手に入れられないものはないんだぞ!」と周囲にアピール。これには皇女の婉婉(えんえん)も「あの女、恥知らずね!」とご立腹。でも歩音楼は「私たち(歩音楼と肖鐸)も大概だけどね」なんて自虐ネタで返しちゃう。この二人、意外と気が合うのかも?
そんな中、婉婉(えんえん)が宇文良序(うぶん・りょうじょ)といい感じになっている隙に、歩音楼は森の奥で何か不穏な気配をキャッチ!そこで見たのは、なんと歩音閣と南苑王がこそこそと密会している姿!「一体何を話してるの!?」と歩音楼が思った瞬間、歩音閣に見つかっちゃった!
歩音楼はとっさに機転を利かせて、「慕容高鞏に近づくためにわざとやってるんでしょ!」と歩音閣を挑発。歩音閣も短剣を取り出して「そうよ、私が誘惑してるのよ!」と逆ギレ。二人が揉み合っているところに、またまたタイミングよく(悪く?)慕容高鞏が登場!歩音閣は一瞬にしてか弱いフリ。慕容高鞏はどちらを責めるでもなく、歩音楼に「今夜、私の寝殿に来なさい。そうすれば今までのことは水に流す」と、最後のチャンスを与えるんだけど…。歩音楼、どうする!?
その夜、歩音楼は歩音閣をこっそり尾行。そこで衝撃の光景を目撃します!歩音閣が御林軍を動かすための令牌を盗み出し、それを南苑王に渡しているではありませんか!これで南苑王の狙いが謀反だと確信した歩音楼。急いで慕容高鞏に知らせようとしますが、一足遅く、寝殿にはすでに歩音閣が…。万事休すかと思いきや、歩音楼は婉婉の元へ走り、「私の父と南苑王が謀反を企んでいるの!」と打ち明けます!
そしてついに、月明かりの下、謀反軍が行宮を夜襲!婉婉は兵を率いてこれを阻止しようと勇敢に戦います。宇文良序(うぶん・りょうじょ)は婉婉を連れて逃げようとしますが、帝姫としての使命を胸に、婉婉はこの夜、宇文良序に別れを告げるのです…切ない!
一方、我らが肖鐸は、どこからともなく現れた十数人の黒装束の刺客に囲まれて大ピンチ!しかし、さすがは肖鐸。短刀一本で冷静沈着に応戦し、あっという間に刺客たちをバッタバッタとなぎ倒していくのでした!いやー、カッコよすぎでしょ!
『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第30話 感想
第30話は、南苑王の謀反がいよいよ現実のものとなり、物語が大きく動いた回でした。序盤の朝廷での南苑王の不穏な振る舞いから、すでに不穏な空気が漂っていましたが、歩音閣の暗躍がそれを加速させましたね。彼女が歩音楼の服を盗み、慕容高鞏に取り入る様は見ていて歯がゆいものの、物語の緊張感を高める重要な役割を果たしています。
慕容高鞏の歪んだ愛情と、歩音楼への執着、そして肖鐸への疑念が深まっていく様子は、彼の孤独と危うさを感じさせました。歩音楼が歩音閣と南苑王の密談や令牌の受け渡しを目撃し、謀反を確信する場面は、彼女の聡明さと行動力が光っていました。
そして、ついに始まった謀反。婉婉が帝姫としての使命感から宇文良序との別れを選ぶシーンは胸が締め付けられる思いでしたし、一方で肖鐸が刺客を鮮やかに倒す場面は、彼の強さと頼もしさを改めて感じさせてくれました。それぞれのキャラクターが持つ背景や想いが複雑に絡み合い、非常に見応えのある展開でした。次々と起こる出来事に引き込まれ、物語の行く末を強く意識させられる内容でした。
つづく