あらすじ
第31話は、反乱軍に包囲された皇宮で、皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)が絶体絶命の危機に陥る中、歩音楼(ほいんろう)が機転を利かせて一時的に場を収めるも、脱出計画は難航。一方、歩音楼を救うべく皇陵を飛び出した肖鐸(しょうたく)も罠にはまるが、これを切り抜け、歩音楼と合流。二人は天下泰平のため、再び手を取り合い反乱鎮圧に乗り出す。南苑王(なんえんおう)は追い詰められて自害し、歩音楼の父である歩馭魯(ほ よくろ)の非情な裏切りが明らかになり、最後は肖鐸によって断罪されるという、衝撃的な展開が描かれました。愛する者を守るための苦渋の決断と、裏切りが生んだ悲劇が交錯する、見応えのあるエピソードでした。
ネタバレ
肖鐸(しょうたく)、刺客の襲撃!そして歩音楼(ほいんろう)の元へ…!
物語は、月明かりの下、肖鐸(しょうたく)が一人、東屋で酒を呷っているシーンから始まります。彼の前には、亡き弟・阿鐸(あたく)の霊位が…。権力のために死んだ弟を想い、自らも権力を求めて皇宮の闇に足を踏み入れた日々。多くの犠牲の上に成り立つ権力、そして皇帝からの見えざる圧力。「俺が求めていた“公道”とは、一体何だったんだ…?」そんな苦悩に沈む肖鐸(しょうたく)。
そこへ、曹春盎(そう しゅんおう)が心配して声をかけようとしますが、肖鐸は何かを察したように彼を下がらせます。そして阿鐸の霊位を丁寧にしまうと、まるで待ち構えていたかのように言い放ちます。「来るなら来い!」と。その瞬間、十数人の黒装束の刺客が四方から襲いかかってきました!しかし、我らが肖鐸、短刀一つで冷静沈着に応戦し、あっという間に刺客たちを返り討ちにしちゃいます。さすがです!
この刺客たち、実はあの歩馭魯(ほ よくろ)が差し向けた手下だったことが判明。そして、なんと歩音楼(ほいんろう)も行宮に向かったという情報を掴んだ肖鐸。皇帝の命令に背くことになろうとも、愛する歩音楼(ほいんろう)のため、行宮へ駆けつけることを決意するのでした!この決断が、後にとんでもない事態を引き起こすとも知らずに…。
皇宮大パニック!歩音楼、機転で皇帝を救う!?
その頃、皇宮では南苑王(なんえんおう)と歩馭魯率いる反乱軍が皇城を包囲!「慕容高鞏(ぼようこうきょう)!さっさと退位して降伏しろー!」なんて叫んじゃって、もう大混乱!皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)はオロオロするばかりで、頼りの大臣たちはというと…「陛下、南苑王に譲位なされては…」とか言い出す始末!しまいには「慕容高鞏(ぼようこうきょう)を殺せー!」なんて声も上がり、婉婉(えんえん)が剣を抜いて必死に皇帝を守ろうとしますが、多勢に無勢!
まさに絶体絶命!…と思われたその時、我らがヒロイン・歩音楼が動きます!スッと自分の髪からかんざしを抜き取ると、なんと慕容高鞏の首筋に突きつけ、「今ここで陛下を殺せば、南苑王は正義の味方となり、私たちは逆賊の汚名を着ることになりますよ!」と一喝!この歩音楼の機転と迫力に、騒いでいた大臣たちも一瞬で静まり返るのでした。いや~、歩音楼ちゃん、肝が据わってる!
脱出作戦と、父の衝撃的な裏切り…
なんとかその場は収まりましたが、一刻も早くこの危機的状況から脱出しなければなりません。婉婉が密かに探ったところ、行宮から脱出できる秘密の通路を発見!しかし、その通路の先は南苑王の軍勢がうじゃうじゃ…。無事に脱出するには、外からの援護が不可欠です。
歩音楼は「肖鐸に助けを求めましょう!」と提案しますが、慕容高鞏は「ならん!」と断固拒否!それどころか、「肖鐸が皇陵を離れたら、于尊(うそん)に処刑させるよう命じてある!」なんて言い出すもんだから、さあ大変!歩音楼は怒りと絶望で慕容高鞏を激しく罵倒!もう我慢の限界!
歩音楼は婉婉と協力し、反乱軍の兵士の服に着替えて、自ら援軍を求めに宮殿を抜け出すことを決意します。しかし…そこで歩音楼は、信じられない言葉を耳にしてしまうのです。なんと、実の父親である歩馭魯が、兵士たちに「娘の歩音楼も、慕容高鞏も、どっちも生かしておくわけにはいかん!」と話しているではありませんか…!愛する娘まで手にかけるとは…!この非情な裏切りに、歩音楼の心は凍りつき、怒りに燃えるのでした…。
肖鐸、罠にはまるも…歩音楼との再会、そして共闘へ!
一方、歩音楼を救うため皇陵を飛び出した肖鐸ですが、そう簡単にはいきません。皇陵の外で、于尊が仕掛けた伏兵の罠にかかり、矢を受けて倒れてしまいます!「肖鐸、ここまでか…!」と于尊が油断して近づいたその瞬間!肖鐸は目にもとまらぬ速さで躍り起き、形勢を大逆転!さすがの強さ!
行宮が大変なことになっていると于尊に説明し、共に救援に向かおうとしたその時…なんと、歩音楼が聖旨を手に現れたのです!「御林軍は直ちに陛下をお救いせよ!」と凛々しく号令する歩音楼。肖鐸と歩音楼にとって、誰が皇帝の座につこうが関係ありません。しかし、朝廷が乱れれば天下も乱れ、苦しむのは民。二人は、しばし遠くへ逃げるという夢を封印し、再び手を取り合って反乱軍鎮圧のため、行宮へと向かうのでした!
南苑王の最期と、宇文良序の愛
行宮では、ついに南苑王が慕容高鞏の寝室にまで迫っていました。「もはやこれまで!」と勝利を確信した南苑王。しかし、そこにいたのは慕容高鞏ではなく、婉婉でした!逆上した南苑王は婉婉に斬りかかりますが、そこへ宇文良序(うぶん・りょうじょ)が飛び出し、身を挺して婉婉を庇い、深手を負ってしまいます…!婉婉、絶体絶命!
その時、颯爽と現れたのが肖鐸!あっという間に南苑王を制圧します。万策尽きた南苑王は、宇文良序の命だけは見逃してほしいと肖鐸に懇願し、自ら命を絶つのでした…。南苑王にも、守りたいものがあったのですね…。
父の断罪…そして歩音楼の涙
その頃、慕容高鞏は反乱軍に追われ、寂しい林の中へと追い詰められていました。そこへ現れた歩馭魯は、かつての皇帝を足元に見下ろし、「お前は所詮、臆病な小人に過ぎん!」と嘲笑します。慕容高鞏が崖から転落したまさにその時、于尊率いる援軍が到着し、歩馭魯は捕らえられました!
肖鐸は、冷ややかに短刀を拭うと、その目に鋭い殺気を宿し、歩馭魯に向かって言い放ちます。「お前のような男が歩音楼の父親とはな…虫唾が走る」。歩馭魯は命乞いをしますが、肖鐸は聞く耳を持ちません。手にした短刀を投げつけ、歩馭魯の命を絶ったのです…。
外でその一部始終を感じ取っていた歩音楼は、声もなく佇んでいました。父の非道な行いは許されるものではありません。しかし、肖鐸がこれほどまでに冷酷な決断を下すとは…。どうしようもない悲しみと、肖鐸への複雑な思いが、彼女の胸を締め付けるのでした…。
『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第31話 感想
第31話は、息つく暇もないほど多くの出来事が凝縮されていましたね。特に印象的だったのは、歩音楼の強さと、彼女を取り巻く過酷な運命です。父である歩馭魯の非情な言葉を耳にしてしまう場面は、本当に胸が痛みました。あれほどの裏切りを経験しながらも、気丈に振る舞い、国を思う姿には心を打たれます。
肖鐸もまた、愛する人を守るために、そして大義のために、手を汚す覚悟を決めるなど、彼の内面の葛藤がひしひしと伝わってきました。慕容高鞏の頼りなさや、南苑王のあっけない最期など、それぞれのキャラクターの立場や思惑が複雑に絡み合い、物語に深みを与えています。
婉婉と宇文良序の愛の行方も気になりますし、何よりも、父の罪を目の当たりにした歩音楼と、その父を断罪した肖鐸の関係が今後どう変化していくのか、目が離せません。多くの犠牲と悲劇を乗り越えた先に、彼らにはどのような未来が待っているのでしょうか。
つづく