あらすじ
意識不明から目覚めた皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)は、自身が子種を失ったことを知り絶望する。肖鐸(しょうたく)は逃亡計画を進めるが、歩音楼(ほいんろう)は父・歩馭魯(ほ よくろ)との悲しい再会を果たす。一方、慕容高鞏は歩音楼への執着を強める。そんな中、歩音楼と肖鐸の密会が慕容高鞏に目撃されてしまい、彼の怒りは頂点に。復讐を決意した慕容高鞏は、歩音楼に二人の悲劇的な末路を暗示する芝居を見せつけるのだった。
ネタバレ
まず冒頭、慕容高鞏(ぼようこうきょう)が坂から転げ落ちて意識不明の重体に! これを好機と見た我らが肖鐸(しょうたく)、彼を鹿鳴蒹葭(ろくめいけんか)で療養させると提案しつつ、裏では歩音楼(ほいんろう)との逃亡計画を急ピッチで進めるんです。歩音楼(ほいんろう)と一緒に私邸へ荷物をまとめに戻ると、そこには金銀財宝の山が! でも、歩音楼の表情は喜びだけじゃなく、どこか寂しげ…。そんな彼女の気持ちを察した肖鐸(しょうたく)は、歩音楼に父親である歩馭魯(ほ よくろ)との最後の面会を許すんですね。この男、本当にデキる!✨
歩音楼は手作りの膝当てと食べ物を持って牢獄の父のもとへ。でも、歩馭魯は恩知らずだと歩音楼を罵倒するばかり…。歩音楼は、自分も歩音閣(ほいんかく)も父にとっては駒でしかなかったと悟りつつも、心の奥底では父の愛を求めていたんですよね。切ない…。歩馭魯も娘の言葉に心を動かされますが、時すでに遅し。ただ遠ざかる娘の背を見送り、皇城から無事に逃れてほしいと願うばかりでした。?
一方、目を覚ました慕容高鞏(ぼようこうきょう)に衝撃の事実が! なんと、今後子供を作ることができない体に…。打ちひしがれる彼に、肖鐸は「この件は自分が隠し通す」と約束。すると慕容高鞏は途端に強気になり、宇文(うぶん)一族の誅殺を命じます。皇后・婉婉(えんえん)が止めようとしますが、肖鐸がそれを制止。そして、「宇文一族を滅ぼせば西蜀(せいしょく)が乱れる」と進言し、慕容高鞏も渋々これを受け入れます。肖鐸の冷静な判断力、さすがです!
その頃、宇文良序(うぶん・りょうじょ)は、南苑王(なんえんおう)の死に関わってしまったことから自暴自棄になり、酒浸りの日々を送っていました。彼は婉婉を深く愛しているけれど、今の自分では彼女を不幸にしてしまうと、あえて冷たく突き放すんです。婉婉もその想いを察し、悲しみを胸に秘めて彼のもとを去るのでした。この二人の恋も、本当に切なくて見ていられない…?
歩音楼は、婉婉と宇文良序のことを見て、自分と肖鐸は本当にこの皇城から逃げ出せるのだろうかと不安に。そんな時、孫公公(そんこうこう)がやってきて、二人の女官が慕容高鞏の怒りを買い、目をえぐられそうになっていると告げます。歩音楼は急いで駆けつけ、慕容高鞏を優しくなだめ、自ら薬を飲ませようとします。そこへ現れたのが肖鐸!嫉妬の炎メラメラですよ!? 肖鐸は「薬は歩音楼が自ら煎じるべきだ」と提案し、慕容高鞏もご満悦で同意。
歩音楼が一生懸命薬を煎じ、慕容高鞏に届けようとすると、またしても肖鐸がストップ!薬を一瞥しただけで「これではダメだ、やり直し!」と。歩音楼は肖鐸がヤキモチを焼いていることに気づき、慌てて事情を説明。肖鐸も少し落ち着きを取り戻し、「今の慕容高鞏は情緒不安定だから、あまり近づきすぎるな」と釘を刺します。いや~、肖鐸のヤキモチ、可愛すぎませんか??
歩音楼が薬を届けに慕容高鞏の部屋へ行くと、扉の前で彼と孫公公の会話を耳にしてしまいます。孫公公は「歩音楼さえいれば、陛下はきっと良くなられます」と慰め、慕容高鞏は「もう歩音楼を無理強いはしない。何があっても、彼女がそばにいてくれればそれでいい」とため息交じりに語るのでした。これを聞いた歩音楼、内心パニックですよね…。そっとその場を離れます。
夜、どうしても気持ちの整理がつかない歩音楼は、秘密の通路を通って肖鐸の部屋へ。「私を連れて逃げて。そして、堂々と一緒にいたい」と肖鐸に抱きつきます。肖鐸は歩音楼を抱き上げ、寝台へ…。?
しかし、その頃、目覚めた慕容高鞏は歩音楼が部屋にいないことに気づき、開いていた棚の扉から秘密の通路を発見!そして、私邸で歩音楼と肖鐸が抱き合っている衝撃的な場面を目撃してしまうのです!!? 肖鐸が偽の宦官で、歩音楼と密通していた相手が彼だったとは…。自分が最初から最後まで道化だったと悟った慕容高鞏。涙をこらえきれません。そして、自分を弄んだ二人に対し、「生き地獄を味あわせてやる」と恐ろしい復讐心を燃やすのでした…。
そしてラスト、慕容高鞏は歩音楼を後花園に呼び出し、芝居を見せます。しかし、その舞台で演じられていたのは、なんと歩音楼と肖鐸の物語!そして、芝居の中の二人は次々と命を落としていくのです…。これを見た歩音楼は、恐怖で体をこわばらせるのでした。ひぃぃ、これはもう、とんでもないことになりそう…!
『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第32話 感想
いやはや、第32話は息をのむ展開の連続でしたね。特に皇帝・慕容高鞏の変貌ぶりには、画面の前で固まってしまいました。子を成せぬと知った時の絶望、そして歩音楼への執着が一層強まり、ついには肖鐸と歩音楼の秘密を知ってしまった時のあの怒りと復讐心…。彼の内面の揺れ動きが手に取るように伝わってきて、ある意味、目が離せない存在感を放っていました。
一方で、ついに慕容高鞏に知られてしまった肖鐸と歩音楼の関係。あの密会の場面は、美しくも切なく、そして何よりも危険な香りが漂っていましたね。二人の逃亡計画はどうなってしまうのか、固唾を飲んで見守るしかありません。
また、宇文良序と婉婉の悲恋も胸に迫るものがありました。それぞれの立場と想いが複雑に絡み合い、見ているこちらも苦しくなるほどです。
つづく