あらすじ
慕容高鞏(ぼようこうきょう)は狂気を増し、芝居見物中に奇行に走る。肖鐸(しょうたく)は投獄され、歩音楼(ほいんろう)は歩音閣(ほいんかく)と対立。慕容高鞏は歩音閣を皇后にする茶番劇を演じた後、真の狙いであった歩音楼を皇后にすると宣言。歩音楼を昭獄へ連行し、傷ついた肖鐸を見せつけ、さらに拷問を加えようとする。婉婉(えんえん)は二人を助けようとするが、慕容高鞏に宇文良序(うぶん・りょうじょ)か歩音楼・肖鐸かの選択を迫られ、苦渋の決断をする。皇城脱出を図った婉婉と宇文良序だが、于尊(うそん)と慕容高鞏に阻まれ、婉婉は絶望する。
ネタバレ
舞台上の狂気、そして肖鐸(しょうたく)、囚われる
物語は、宮中で演じられる芝居の場面から始まります。皇帝が宦官と密通した妃を手討ちにしようとする、なんともショッキングな演目。これを見ていた慕容高鞏(ぼようこうきょう)が、突然「違う!」と叫び出し、様子がおかしくなるんです。まるで何かに取り憑かれたように、宦官役の役者を呼びつけ、歩音楼(ほいんろう)に「この芝居は面白いか?」なんて聞くんですよ。歩音楼(ほいんろう)が黙っていると、今度は杖で役者に殴りかかる始末!歩音楼が慌てて止めに入ると、慕容高鞏(ぼようこうきょう)は彼女の指輪を奪い取り、甲高い声で芝居を続けさせます。もう、この時点で彼の異常さが際立っていますよね…。
一方、我らが肖鐸(しょうたく)は昭定司に戻った途端、于尊(うそん)に行く手を阻まれ、なんと昭獄に投獄されてしまいます!この知らせを聞いた歩音楼は、いてもたってもいられず慕容高鞏のもとへ向かいますが、そこにいたのは歩音閣(ほいんかく)。
女たちの火花!歩音楼 vs 歩音閣
歩音閣は、歩音楼を見つけるなり、鬼の形相で罵倒の嵐!「あんたのせいで全てがめちゃくちゃよ!」と、全ての責任を歩音楼に押し付けようとします。でも、ここで引き下がる歩音楼じゃありません。「本当に悪いのは誰か分かっているくせに、その相手には何も言えないのね。私に八つ当たりするしかないなんて、哀れだわ」と、痛いところを突きます。さすが歩音楼、口では負けていません!
逆上した歩音閣は、「寵愛される妃の座を捨てて、卑しい宦官とよろしくやってるあんたの方がおかしいわよ!」と嘲笑。これに対し歩音楼は、「私は愛する人と添い遂げたいだけ。あなたは誰かに操られる人形のままでいたいのね」とピシャリ。怒り心頭の歩音閣は、ついには手を上げようとしますが、歩音楼は彼女の手の傷に気づき、「早く宮中から逃げなさい」と忠告します。しかし、歩音閣はまるで夢でも見ているかのように、「私はもうすぐ大鄴(たいぎょう)の皇后になるのよ」と恍惚の表情…。この人、本当に大丈夫なんでしょうか…。
慕容高鞏の策略、皇后選びの茶番劇
朝議の席で、慕容高鞏はなんと歩音閣を皇后に立てると宣言!これには大臣たちも猛反対です。しかし慕容高鞏は聞く耳を持たず、歩音閣を呼び寄せ、皆の前で舞を披露させ、「国母たる姿を見よ!」なんて言い出す始末。大臣たちは呆れてものが言えません。舞が終わると、孫公公(そんこうこう)が「さすがにこれは…」と進言しますが、慕容高鞏はさらにエスカレート!なんと大殿で歩音閣と抱き合い始めるんですよ!もうやりたい放題!
そこへ太后が登場し、この茶番劇に終止符を打ちます。「歩音閣を引きずり下ろせ!」と命じ、慕容高鞏に改めて皇后を選ぶよう迫ります。大臣たちも「歩音閣でなければ誰でも!」と口を揃えます。すると慕容高鞏は、待ってましたとばかりに新しい詔書を取り出し、なんと歩音楼を皇后にすると発表!そう、これまでの全ては、歩音楼を皇后にするための、彼の仕組んだ壮大な芝居だったのです!恐ろしい男…。
梨の木に誓う、歪んだ独占欲
歩音閣を追い払った後、慕容高鞏は満足げに歩音楼のもとへ。彼は庭に移された梨の木に向かって、まるで歩音楼に語りかけるように言います。「お前が皇后になれば、皇城中の目が、いや大鄴中の人間がお前を監視し、お前をこの宮中に縛り付けるだろう。皇后の座で、お前は一歩も動けず、骨の髄まで孤独を味わうことになるのだ」と…。愛というより、これはもう執着と支配欲ですよね。聞いているだけでゾッとします。
昭獄の再会、そして非情なる選択
そして慕容高鞏は、歩音楼を昭獄へと連れて行きます。そこで歩音楼が見たものは、血まみれで傷だらけの肖鐸の姿…!変わり果てた愛する人の姿に、歩音楼は言葉を失い、必死で彼を庇おうとします。そして慕容高鞏に跪き、肖鐸の助命を懇願しますが、これが逆に彼の怒りを買ってしまうのです。慕容高鞏は、真っ赤に焼けた火箸を手に、肖鐸に迫ります!歩音楼は絶叫し、身を挺して肖鐸を守ろうとしますが…。
そこへ婉婉(えんえん)が駆けつけ、慕容高鞏に二人を許してほしいと懇願します。しかし、慕容高鞏は冷たく「なぜ私を裏切った?」と問い詰めるだけ。この瞬間、婉婉は何かを悟ったようです。「あなたは歩音楼を好きだと言いながら、彼女の気持ちなんて一度も考えたことがない!彼女を人間として見ていない!」と、怒りをぶつけます。
すると慕容高鞏は冷笑し、婉婉を別の場所へ連れ出します。そこには、同じく傷だらけで倒れている宇文良序(うぶん・りょうじょ)の姿が!慕容高鞏は婉婉に、宇文良序を助けるか、それとも歩音楼と肖鐸を助けるか、非情な選択を迫ります。婉婉は苦悩の末、宇文良序を助けてほしいと懇願するしかありませんでした…。これを見た慕容高鞏は、「情愛とは、結局は身勝手なものよ」と嘲笑い、婉婉の頬を叩き、「これからは自分の立場をわきまえろ」と警告します。婉婉、あまりにも可哀想すぎます…。
逃亡、そして絶望の罠
思い悩んだ末、婉婉は宇文良序と共に皇城を脱出することを決意します。しかし、郊外まで来たところで、于尊に行く手を阻まれてしまいます。婉婉はとっさに宇文良序の馬を叩いて逃がし、自分は残って于尊と対峙します。しかし、そこにはなんと慕容高鞏の姿も!婉婉は、まるで鳥かごに閉じ込められたかのように、どれだけもがいても逃げ出すことができず、ただ傷ついていくしかないのだと、深い絶望を感じるのでした…。
『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第33話 感想
『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第33話は、登場人物たちの感情が激しくぶつかり合い、息をのむ場面の連続でした。特に慕容高鞏の歪んだ愛情と執着心は、見ていて恐ろしさを感じるほどです。彼の策略によって、歩音楼と肖鐸が追い詰められていく様子は非常に痛ましく、二人の絆の強さが試されているように感じました。
また、歩音閣の虚栄心と哀れさ、そして婉婉の苦渋の選択と絶望も心に残ります。彼女たちの行動や心情の変化が、物語に深みを与えていると感じました。それぞれのキャラクターが抱える想いや葛藤が巧みに描かれており、先の読めない展開に引き込まれました。
つづく