あらすじ

肖鐸(しょうたく)が投獄され、皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)は昭定司の処刑を命じるなど暴走を始める。一方、歩音楼(ほいんろう)は慕容高鞏の歪んだ愛に屈せず、狂気を装って抵抗を試みる。そんな中、肖鐸が脱獄。慕容高鞏は歩音楼との立后大典を利用して肖鐸をおびき出そうと画策する。大典当日、それぞれの思惑が交錯し、緊迫した空気が流れる。

ネタバレ

肖鐸(しょうたく)不在で暴走する皇帝!昭定司、絶体絶命!?

肖鐸(しょうたく)様が昭獄(しょうごく)に投獄されてから数日。あの頼れる昭定司(しょうていし)も、さすがに今回は静まり返っています。それもそのはず、なんと皇帝・慕容高鞏(ぼようこうきょう)が、完全にタガが外れちゃったみたいで…!「昭定司が謀反を企てた!」なんて無茶苦茶な罪を着せて、于尊(うそん)に昭定衛(しょうていえい)全員の処刑を命じるなんて、正気とは思えません!

一方、我らが曹春盎(そう しゅんおう)と彤雲(とううん)は、巴公公(ぱこうこう)を連れて都を脱出しようと必死の逃避行!でも、途中で御林軍(ぎょりんぐん)に見つかっちゃうんです!あわや…!と思ったその時、昭定衛の仲間たちが颯爽と登場!間一髪で助け出されるシーンは、思わず「よくやった!」と声を上げちゃいました。

実はこれ、肖鐸様の深謀遠慮だったんですね。入宮する日に不穏な空気を感じ取っていた肖鐸様は、事前に昭定衛を都の外へ移動させ、曹春盎(そう しゅんおう)と彤雲(とううん)には九郎(くろう)と合流するよう指示していたんです。さすが肖鐸様、抜かりない!

歩音楼(ほいんろう)、魂の叫び!「あなたを愛したことなんてない!」

その頃、宮中の歩音楼(ほいんろう)は、まるで魂の抜け殻のよう。毎日ぼんやりと眠り続ける日々を送っていました。でも、慕容高鞏(ぼようこうきょう)が部屋に入ってくると、パッと目を覚ましてご飯を食べ始めるんです。まるで「私は元気にやってますよ」とでも言うように。

そんな歩音楼(ほいんろう)の態度が、慕容高鞏(ぼようこうきょう)の逆鱗に触れた!「なぜ私を裏切った!」と激高し、お茶碗を叩き割る始末。いやいや、そもそも愛し合ってもいないし、借りもないでしょうよ!歩音楼の「裏切りって何のこと?」という冷めた視線、たまりませんでしたね。

慕容高鞏はそれでも「お前をこんなに愛しているのに!」と喚き散らしますが、歩音楼はピシャリ。「あなたは本当の私なんて見ていない。ただ年少の頃に見た幻影を追いかけているだけ」と、彼の虚像を鋭く指摘します。そして、「あなたは自分が何をしたいのかも分からず、虚無の中で生きるしかない可哀想な人」とまで言い放つんです。

追い詰められた慕容高鞏は、全ての罪を歩音楼になすりつけようとしますが、歩音楼は怯まない!「権力が欲しいなら、私を利用するな!」とばかりに、彼の仮面を剥ぎ取っていきます。そして、ついにあの言葉が…!慕容高鞏の目を真っ直ぐ見て、「去你的(くたばれ)!」。

これには慕容高鞏もブチ切れ!歩音楼に平手打ちを食らわせますが、歩音楼も負けじと平手打ちで応戦!うわー、女の意地、ここにあり!慕容高鞏は狂ったように歩音楼の首を絞め、「俺の皇后として俺を愛し、傅き、唯一の主と崇めろ!」と命令しますが、歩音楼は「誰が天を覆せるか、見てなさいよ!」と一歩も引かない。この気迫、さすがです!

狂気の演技?歩音楼の奇行と、大臣の謎の死

ここからがまた凄いんです。歩音楼はまるで人が変わったように、おかしな言動を始めます。邵貴妃(しょうきひ)の真似をして庭園で舞い踊ったり…。宮中はあっという間に噂で持ちきり。「歩音楼様はご乱心されたのでは…」と。

さすがの慕容高鞏も心配になったのか、歩音楼の様子を見に行くんですが、そこにいたのは虚ろな目で鳳冠の真珠をいじりながら、訳の分からないことを呟く歩音楼の姿…。この噂は皇城の外にも広まり、大臣たちは「こんな状態では皇后は務まらない!」と、慕容高鞏に皇后位の取り消しを進言しようとします。

ところが!その進言をしようとした大臣が、前日の夜に突然自ら命を絶ってしまうんです…。え、これって偶然?それとも…?不穏な空気が漂います。

肖鐸、脱獄!立后大典に嵐の予感…!

そんな中、衝撃のニュースが飛び込んできます!なんと、昭獄から肖鐸様が密かに逃げ出したというのです!これには慕容高鞏も大激怒!すぐに都を封鎖させますが、于尊がいくら探しても肖鐸様の影も形も見つからない。

追い詰められた慕容高鞏は、とんでもない作戦を思いつきます。それは、「立后大典で市中を行進させ、肖鐸をおびき出す」というもの。ええーっ!?歩音楼を危険に晒してまで!?

そして、運命の立后大典当日。歩音楼は美しい婚礼衣装に身を包んでいますが、その表情に喜びの色は一切ありません。一方、肖鐸様は短刀を丁寧に手入れし、何かを決意した様子。扉を開けると、そこには昭定司の仲間たちが!「どこへ行くにもお供します!」と、熱い絆を見せてくれます。出発前には、夢解語(むかいご)が餞別としてお酒を届けてくれるシーンも。いよいよ、何かが起ころうとしています…!

『浮図縁~乱世に咲く真実の愛~』第34話 感想

第34話は、息をのむような緊張感が続く回でした。肖鐸不在の中、慕容高鞏の狂気が加速していく様子は恐ろしく、昭定司の仲間たちの危機には胸が痛みました。しかし、そんな絶望的な状況でも、歩音楼が気丈に振る舞い、偽りの狂気を演じてまで抵抗しようとする姿には心を打たれました。彼女の強さと、慕容高鞏の歪んだ執着心との対比が鮮明で、物語に一層深みを与えています。

特に、歩音楼が慕容高鞏に対して放った痛烈な言葉の数々は、彼女の覚悟と誇りを感じさせ、見ていて胸がすく思いでした。そして、ついに肖鐸が脱獄し、立后大典という舞台でどのような反撃を見せるのか、固唾を飲んで見守りたいと思います。

つづく