あらすじ
南苑王(なんえんおう)捜索の裏で、皇后は歩音楼(ほいんろう)を利用し福王(ふくおう)を陥れようと画策するが、肖鐸(しょうたく)の機転で失敗に終わる。肖鐸は皇后の企みを暴き、彼女を皇城から追放。一方、逃亡した南苑王への対処に追われる肖鐸だったが、歩音楼との間には予期せぬ出来事から心の距離が縮まる瞬間も。やがて福王は皇帝に即位するが、歩音楼への想いは募るばかりだった。
ネタバレ
前回、南苑王(なんえんおう)が鐘山(しょうざん)に入ったとの情報で、我らが肖鐸(しょうたく)様はすぐさま捜索に向かいました。でも、そんな時に限って悪い知らせって重なるんですよね…。なんと福王(ふくおう)が入宮し、時を同じくして歩音楼(ほいんろう)が姿を消したっていうじゃないですか!もう、どうなっちゃうの!?
でも、さすが肖鐸(しょうたく)様の手下、歩音楼(ほいんろう)が残した葉子牌(ようすはい)を発見!これぞ名推理、肖鐸(しょうたく)様は皇后(こうごう)が歩音楼(ほいんろう)を連れ去ったと見抜きます。皇后の狙いは歩音楼じゃなくて、もっと別のところにあるみたい…?腹心の曹春盎(そう しゅんおう)も、ここはまず南苑王を始末するのが先決だって肖鐸様に進言するんだけど、肖鐸様の心は穏やかじゃないですよね。
一方、部屋に横たわる歩音楼。もう、どうにでもなれ~って感じだったところに、いきなり肖鐸様が登場!びっくり仰天ですよね!実は、やっぱり歩音楼のことが心配でたまらなかった肖鐸様、福王が入宮する前に彼女を助け出して、福王の服に着替えて部屋に忍び込んでいたんです。歩音楼はとっくに催情香を消していたんだけど、肖鐸様、うっかりその香りを吸い込んじゃったみたいで…あらら、大丈夫かしら?
そこへ皇后が乗り込んできます!部屋の扉を開けて見た光景は…期待とは裏腹に、堂々と座っている肖鐸様!皇后、がっかりどころか怒り心頭よ。「長年目をかけてやったのに、なぜ裏切るの!」って問い詰めるけど、肖鐸様は冷たく笑って昔話を始めます。
皇后が可愛がっていた白い犬の話。おとなしくしていれば可愛がられるけど、少しでも野性を見せれば叩かれる。でも、「俺はその犬じゃない」ってキッパリ!かっこいい~!皇后は怒りに震えながらも、その場を去るしかありません。でも、肖鐸様は追い打ちをかけるように「ここはあなたがいるべき場所じゃない。皇城から出ていくのが身のためだ」と警告。いやはや、容赦ないですね!
その頃、南苑王はまんまと逃げおおせてしまいました。肖鐸様、怒りと焦りでいっぱいだけど、どうすることもできない…。そこへ福王がやってきたので、ここぞとばかりに「即位前は軽はずみな行動は慎んでくださいね」と釘を刺します。福王も馬鹿じゃない、肖鐸様の言外の意味をちゃんと理解して、慎重に行動すると約束。そして、皇后はついに失脚。皇城を去ることに。「皇城にいる者は皆、囚われた鳥よ」なんて言いながら、いつか肖鐸が全てを失う日を待つなんて…怖いですねぇ。
さて、彤雲(とううん)が今日の出来事を面白おかしく歩音楼に話しているんだけど、歩音楼は心ここにあらず。部屋での一件、特に肖鐸様を思わず叩いちゃったことを思い出して、背筋がゾーッ!慌ててお酒を二壺持って謝りに行きます。
ちょうど機嫌が悪かった肖鐸様だけど、歩音楼が持ってきたお酒をグイッと飲み干します。そして、彼女を梨の木の下へ。この梨の木、元々は二本あったけど、一本は凍え死んで、この一本だけが寂しそうに立っているんだとか…。なんだか切ない話。歩音楼はよく分からなかったみたいだけど、肖鐸様の悲しげな様子を感じ取って、自分の「魚大仙」のお守りで彼の願いを託します。それでも肖鐸様の顔が晴れないのを見て、歩音楼、なんと木に登って体当たり!ハラハラと舞い落ちる梨の花が、まるで雪みたいでロマンチック…!肖鐸様の顔にも、ようやく笑顔が戻りました。よかった~!
そして、ついに福王が即位!大鄴(たいぎょう)国の皇帝、慕容高鞏(ぼようこうきょう)の誕生です!でも、皇帝になっても歩音楼の気持ちが掴めなくて悩んでるみたい。孫公公(そんこうこう)のアドバイスで、亡き栄王(えいおう)のために斎戒を行うことに。孫公公、ちゃっかり歩音楼のところへ行って「陛下はそれはもうお嘆きで…」なんて吹き込むもんだから、心優しい歩音楼は慕容高鞏(ぼようこうきょう)に会いに行っちゃいます。
歩音楼の姿を見て、慕容高鞏(ぼようこうきょう)は堰を切ったように想いを語り始めます。栄王の死のこと、子供の頃の歩音楼との出会いのこと…。ちょっと気まずい雰囲気の中、歩音楼は「過去を懐かしむより、何か償いになるようなことをしては?」と諭すのでした。うーん、慕容高鞏の恋路も前途多難な予感ですね!
『浮図縁』第5話感想
『浮図縁』第5話、今回も濃密な展開でしたね。皇后の策略が肖鐸によって見事に打ち破られ、その失脚劇は権力闘争の厳しさを改めて感じさせました。肖鐸の冷静沈着な対応と、時折見せる人間的な一面のギャップが魅力的です。
特に印象的だったのは、肖鐸と歩音楼が梨の木の下で心を通わせる場面。催情香の一件から気まずい空気が流れる中、お互いの不器用な優しさが垣間見え、二人の関係が少しずつ変化していく様子に引き込まれました。舞い散る梨の花の美しさが、二人の繊細な感情と重なって見えました。
一方で、新皇帝となった慕容高鞏の歩音楼への一途な想いも切ないですね。彼の純粋さが、かえって歩音楼を困惑させているようで、今後の三角関係がどのように進展するのか気になるところです。
つづく