あらすじ

皇帝・宇文贇(うぶんいん)の奇行と暴政はエスカレートし、楊堅(ようけん)は裏で糸を引くのが曼陀(ばんた)だと突き止め、彼女を寺に幽閉する。宇文贇(うぶんいん)は麗華(れいか)への当てつけに皇后を5人立てるが、麗華は動じない。宇文贇(うぶんいん)が麗華に暴力を振るったことに激怒した伽羅(から)は、匕首で宇文贇(うぶんいん)を脅して反省させ、兵権の割符を奪う。恐怖を感じた宇文贇(うぶんいん)は早々に息子・宇文闡(うぶんせん)に譲位し、楊堅を丞相に任命して引退。しかし、その後宇文贇(うぶんいん)は急死し、楊堅暗殺説が流れて麗華との間に溝ができる。幼帝・宇文闡から禅譲を持ちかけられた楊堅は迷うが、最終的に伽羅が楊堅を皇帝として認め、新たな時代への扉が開かれる。

ネタバレ

前回、皇帝・宇文赟(宇文贇(うぶんいん))の奇行が目立ってきましたが、53話ではその狂気がさらに加速!

宮殿を出た楊堅(ようけん)を、妻の伽羅(から)が心配そうに待っています。楊堅(ようけん)から、どうやら尉遅迥(うっちけい)が宇文赟側についたらしいと聞かされ、伽羅は娘の麗華(れいか)の身を案じます。「何があっても冷静に」と、急いで伝書鳩を飛ばすあたり、さすが母ですね。

楊堅(ようけん)は、宇文赟が急にあんな風になったのは、裏で誰かが糸を引いているに違いないと睨みます。部下の鄭栄(てい えい)に調査を命じるんだけど、その黒幕がまさか…!

一方、宇文赟ときたら、新しいお気に入りの尉遅熾繁(うっちしはん)や朱満月(しゅまんげつ)を連れて、麗華のいる鳳宜殿(ほうぎでん)へ。わざと見せつけて、麗華が嫉妬するのを期待してるんだけど、麗華は超クール! 全く動じないその態度に、宇文赟はイライラを募らせます。この麗華の強さ、カッコいいけど、見てるこっちはハラハラしちゃう!

ここから宇文赟の暴走はノンストップ! 民間の娘を無理やり後宮に入れたり、自分に逆らう者を次々と排除したり。もうやりたい放題! 尉遅迥がバックにいるからって、完全にタガが外れちゃってます。朝廷の臣下たちも不満タラタラだけど、怖くて何も言えない状況。

伽羅は、夫・楊堅の中に渦巻く怒りと野心を感じ取っています。でも、亡き先帝・宇文邕(うぶんよう)の遺言を思うと、「帝位簒奪だけはダメ!」と釘を刺すんですね。この夫婦の間の緊張感も、見どころの一つ。

そんな中、楊堅はついに黒幕を突き止めます。なんと、宇文赟を焚きつけていたのは、あの曼陀(ばんた)だった! 楊堅、この事実は伽羅には隠して、単身、曼陀の元へ乗り込みます。そこで、曼陀の侍女・秋詞(しゅうし)が、ついに曼陀の悪行の数々を楊堅に暴露! これには温厚(?)な楊堅もブチ切れ! 息子の李淵(りえん)を無理やり引き取り、曼陀を龍興寺(りゅうこうじ)に閉じ込めちゃいます。「二度と出てきて悪さするな!」ってことですね。曼陀、自業自得とはいえ、哀れ…。

楊堅が李淵を連れて帰ってきたのを見て、伽羅は「?」となります。楊堅は「曼陀が自ら出家したいって言うから、子供を預かってきた」なんて嘘をつくけど、聡明な伽羅が気づかないわけない! 真相を察しつつも、姉の悪行三昧には、さすがの伽羅も我慢の限界だったみたい。

さらに楊堅、とんでもないことまで告白! 宇文赟を操るために、わざと美女を後宮に送り込んで尉遅熾繁と競わせたり、突厥(とっけつ)に国境を侵犯させたり…。「楊堅がいなければ、この国は回らない」と宇文赟に思い知らせるための策略だったんですね。夫の変化に戸惑いつつも、「夫婦で力を合わせれば大丈夫」と覚悟を決める伽羅。うーん、この夫婦、どこまで行くんだろう…。

宮殿では、宇文赟が相変わらず妃たちと酒盛り。麗華にも来るよう命じるけど、麗華は仮病でパス。怒った宇文赟が鳳宜殿に乗り込むと、麗華は優雅に琴を弾いてる! 自分を無視する態度にキレた宇文赟は、なんと麗華に無理やり…! 事の後、「ずっとこうして仲良くできればいいのに」なんて言うけど、麗華は氷のように冷たく彼を追い返します。「二度と来ないで!」って。この毅然とした態度、天晴れ! でも、宇文赟の歪んだ愛情が怖い…。

そして、宇文赟の狂気は頂点へ! なんと、朱満月を天皇后、元楽尚(げんらくしょう)を天右皇后、陳月儀(ちんげつぎ)を天左皇后、尉遅熾繁を天中皇后に、そして麗華を天元皇后にすると言い出した! 要するに、皇后が5人!! 父(先帝)が麗華の廃后を許さなかったから、こんな嫌がらせで麗華を屈服させようとしたんですね。でも、麗華はこの知らせを聞いても、「おめでとうございます」と冷静に対応。宇文赟、完全に逆効果で、怒り狂ってます(笑)

朝臣たちは「前代未聞だ!」「皇帝は狂った!」と大騒ぎ。でも、誰も逆らえません。さらに宇文赟は、長男の宇文闡(うぶんせん)を皇太子にすると発表。楊堅は不満ながらも詔(みことのり)に従います。宇文赟は、楊堅がひざまずく姿をわざわざ麗華に見せつけ、「楊家を皆殺しにしてやる!」とまで脅す始末。さすがに麗華もキレて宇文赟を平手打ち! しかし、宇文赟もやり返し、麗華は額を打って気絶…! さすがの宇文赟も慌てて医者を呼びます。

娘が傷つけられたと知った楊堅、今度こそ宮殿に乗り込もうとしますが、伽羅が止めます。「ここは私が行く」と。伽羅は宮殿の外でひざまずき、「娘のしつけがなっておらず申し訳ありません。どうかお許しを」と懇願。その姿に、周りの人々も同情します。

宇文赟に呼び出された伽羅。傷ついた娘の姿を見て、ついに堪忍袋の緒が切れた! 宇文赟の頬を渾身の力でパーン!! さらに、懐からサッと匕首(あいくち)を取り出し、宇文赟の喉元に突きつける! これには宇文赟も完全にビビりまくり。「ごめんなさい!もうしません!」と必死で謝罪。伽羅は、このダメ皇帝に二度と愚かな真似をしないと約束させ、さらに兵を動かすための割符(勘合)まで奪い取ります。強い! 伽羅、最強!

ところが、麗華は「宮殿に残る」と言い張ります。母の説得にも応じません。うーん、麗華にも何か考えがあるのかな?

この一件で、宇文赟の本性を完全に見限った伽羅。割符を楊堅に渡し、「先帝への恩義もあるから、あと一年だけ様子を見る。それでも改心しないなら、あなたが帝位に就くのをもう止めない」と宣言!

一方、伽羅に脅されてすっかり怯えた宇文赟、なんと早々に皇太子に譲位し、自分は太上皇(引退した皇帝)になると言い出します! 楊堅を丞相に任命して。楊堅は戸惑いますが、伽羅からの「計略に乗れ」という伝言を受け、これを受け入れます。こうして、若き太上皇・宇文赟は政治から退き、実権は完全に楊堅の手に!

…と思ったら、まさかの展開! 譲位後まもなく、宇文赟が急死! ええっ!? 早すぎる死に、「楊堅が殺したのでは?」という噂が広まり、麗華と楊堅の間に深い溝が…。伽羅も、この親子関係を修復するのは難しいと感じます。

さらに、幼い新皇帝・宇文闡が、なんと楊堅に帝位を譲ると言い出します! 楊堅は、これを受け入れたら麗華との関係が完全に終わってしまうと悩み、辞退。しかし、心の底では帝位への野心も捨てきれない…。迷う楊堅は、伽羅に決断を委ねます。

そして、伽羅は…静かに楊堅の前にひざまずき、高らかに宣言します。

「聖上、万歳! 万々歳!」

つづく