消えた端午(たんご)!迫りくる魔の手と、燕子京(えん・しけい)の怒り
物語は、燕子京(えん・しけい)の部屋から端午(たんご)が忽然と姿を消すという衝撃的なシーンから幕を開けます。侍女たちも行方を知らず、ただならぬ気配に燕子京(えん・しけい)たちは血眼になって端午(たんご)を捜索!
その頃、端午はなんと柴房で縛られているじゃありませんか!犯人たちの会話を盗み聞きするうちに、彼らが血珠(けっしゅ)…そう、あの宝の地図が隠されているという血珠を狙っていることを知るんです。以前、燕子京に預けていたのが不幸中の幸いでしたね。ホッと一息…つく暇もなく、犯人たちは端午の腕輪を奪い、燕子京に挑戦状ともとれる手紙を送りつけます。
この腕輪がキーアイテム!燕子京は、それが端午からのメッセージで、彼女が紫荊湖(しけいこ)に囚われていることを瞬時に察知!さすが愛の力、いや、鋭い洞察力!すぐさま手下を引き連れて救出に向かいます。
一方の端午は、柱に縛られたまま飲まず食わずで2日間耐え抜くという過酷な状況…。まさに絶体絶命、殺されかける寸前で燕子京が駆けつけ、間一髪セーフ!愛する女性がここまでボロボロにされた姿を見て、燕子京の怒りは頂点に!「よくも俺の女を!」とばかりに、首謀者を一刀両断!いやー、スカッとしたけど、端午の衰弱ぶりが痛々しくて…。
束の間の安堵を打ち砕く、さらなる悲劇と裏切りの影
やっとの思いで端午を救出し、屋敷に戻った燕子京を待っていたのは、さらなる絶望でした。なんと、長年彼の体内の毒を抑える解毒薬を研究してくれていた医師が、何者かによって殺害されていたのです!しかも、現場には驪龍道(りりゅうどう)が使ったとされる矢が…。これは明らかに燕子京を狙った犯行。希望の光が見え始めた矢先のこの仕打ち、あまりにも残酷すぎます…。
そんな中、張晋然(ちょう・しんぜん)は燕子京と合流するため、自ら軍を率いることを決意。部下たちの制止も聞かず、固い決意を胸に出陣します。愛する岳云岫(がくうんしゅう)の同行も「男の戦いに女を巻き込むわけにはいかない」と諭すあたり、彼の覚悟のほどがうかがえますね。
悪夢の襲撃、そして次々と散る命…
そして、物語は最悪の展開へとなだれ込みます。驪龍道の連中が燕子京の商隊に紛れ込み、卑劣な奇襲を仕掛けてきたのです!商隊は瞬く間に大混乱。曹大(そうだい)と響生(きょうせい)が、小蝦米(しょうこうべい)や仲間を救うために命を落とすという悲劇が…。
悪夢から覚めた端午が目にしたのは、燃え盛る炎と、おびただしい数の死体…。前夜の燕子京のどこか意味深な言葉が脳裏をよぎります。そこに、息も絶え絶えの小蝦米が駆け寄り、「姉さん、早く逃げて!」と叫びますが、その瞬間、非情な矢が小蝦米の体を貫きます…。目の前で弟が血を流し、命を落としていく姿を目の当たりにした端午の悲痛な叫びは、聞いているこちらの胸も張り裂けそうでした…。
燕子京もまた、足に重傷を負いながら必死に応戦。しかし、さらなる悲劇が端午を襲います。遠くから端午を狙う弓矢に気づいた燕子京は、必死に声を張り上げ、自らも矢を放ちますが、わずかに及ばず…端午の胸にも矢が深々と突き刺さり、血を吐いて倒れてしまうのです!
愛する人が次々と目の前で…燕子京が傷ついた体を引きずりながら端午のもとへ這い寄ろうとしたその時、燃え盛る梁が崩れ落ち、万事休す…。燕子京の商隊は、ほぼ全滅という壊滅的な被害を受けてしまいました。
夜明けの砂漠、そして過去の絆
夜が明け、舞台は一転して広大な砂漠へ。そこには、意識不明の燕子京を簡素な担架に乗せ、必死に引きずる康琚(こうきょ)の姿が。「生きるんだ…生き延びるんだ…」と呟き続ける彼の姿に、涙腺崩壊です…。
そして、フラッシュバックされる康琚と燕子京の壮絶な過去。彼らはかつて驪龍道の捕虜となり、人間以下の扱いを受け、まさに死の淵をさまよっていました。馬に引きずられ、窒息死寸前だった燕子京を、康琚が命がけで救ったこと。その逃走劇の最中、康琚は足を射抜かれ、それが原因で足が不自由になってしまったこと…。二人の間にある、言葉では言い尽くせないほどの深い絆が、この絶望的な状況下で唯一の希望の光のように感じられました。
つづく