役人が謎の死を遂げた事件を追う林清秋(りんせいしゅう)と鹿南一(ろくなんいつ)。お札が貼られた不気味な部屋と一枚の美人画が事件の鍵を握る中、捜査方針を巡って林清秋(りんせいしゅう)と陸白(りくはく) は官職を賭けた対決をすることに。一方、検視官の宮北音(きゅうほくおん)は、被害者の不自然な服装と遺体から見つかった謎の青い粉末から、事件の真相に迫ろうとしていた。そんな中、林清秋と鹿南一(ろくなんいつ)は怪我の手当てをきっかけに急接近し、キス寸前の雰囲気となるが、部下に邪魔をされてしまう。さらに、林清秋の傲慢な許嫁・聞雲汐(ぶんうんせき)が現れ、鹿南一に屈辱的な要求を突きつけ、二人の間には激しい火花が散る。

「鹿苑記~僕の生意気な彼女~」あらすじネタバレ10話

怪しい部屋と美人画の謎

物語は、鹿南一(ろくなんいつ)が林清秋(りんせいしゅう)と一緒に、事件のあった部屋を調査するところからスタート。部屋に入るなり、壁という壁にびっしりと貼られた黄色いお札が不気味な雰囲気を醸し出しています。

鹿南一(ろくなんいつ)が壁に掛かった美人画に手を伸ばそうとした瞬間、亡くなった主人の側室が「触らないで!」と絶叫! なんでも、主人が亡くなる3日前に高名な道士を呼んでお祓いをしてからというもの、夜な夜な主人が夢遊病のようにさまよったり、怪奇現象が頻発していたんだとか…。うーん、ミステリーの匂いがプンプンしますね!

林清秋(りんせいしゅう)がその美人画を預かって調べますが、見たところはただの絵。そこへ、捜査に首を突っ込みたい陸白(りくはく) が登場しますが、彼の推理は林清秋(りんせいしゅう)にあっさり一蹴されちゃいます。プライドを傷つけられた陸白(りくはく) 、悔しそうでしたね(笑)。

負けられない戦い!官職を賭けた男のプライド

役所に戻る道中、林清秋の単独捜査を止めたい陸白(りくはく) は「まずは検視官の報告を待つべきだ」と主張。しかし、林清秋は「犯人はまだ屋敷の中にいる」と譲りません。

ここで林清秋が、なんとも大胆な提案をします。「じゃあ賭けをしよう。お前が先に事件を解決したら、俺は官職を辞す。俺が勝ったら、お前が持っている極秘の事件調書を渡せ」と。

カチンときた陸白は、隣でニヤニヤしながら煽ってくる鹿南一(ろくなんいつ)の後押しもあって、自信満々にこの賭けに乗ってしまいます。男のプライドを賭けた捜査対決、一体どうなるんでしょうか!?

検視で判明した衝撃の事実

一方、検視室では宮北音(きゅうほくおん)が冷静に仕事を進めていました。彼女は、被害者が季節にそぐわないほど厚着をしていたことに気づきます。さらに、遺体から見つかった灰には、大量の衣類が燃えた粉末が含まれており、これを吸い込むと死に至る可能性があることが判明。

そして、その灰の中から、燃え残った「青い謎の物質」を発見! しかし、ひどく損傷しているため、それが何なのか特定は困難…。事件解決の重要なカギになりそうですが、謎は深まるばかりです。

キス寸前!?急接近する二人の距離

さて、事件の捜査から一時的に離れ、怪我の療養をしている我らがヒロイン鹿南一。彼女は、都で自分の書店を再開する計画を立てていました。そんな彼女の元を訪れた林清秋が、怪我の手当てのために彼女の肩をマッサージし始めます。

すると、二人の顔がぐっと近づいて…思わずドキッ! まさにキス寸前の甘い雰囲気になったその時! なんと部下が物資を届けに部屋に入ってくるという、お約束の展開(笑)。

ハッと我に返った鹿南一は、恥ずかしさのあまり林清秋を突き飛ばし、「このスケベ!」と一喝! 林清秋はバツが悪そうに部屋を去っていくのでした。あー、もう!いいところだったのに!

最強の恋敵、現る!

甘い雰囲気も束の間、とんでもない人物が鹿南一の前に現れます。林清秋の許嫁である、聞雲汐(ぶんうんせき)です!

彼女は見るからに高慢ちきで、登場するなり「あなたを品定めしに来た」と言い放ち、鹿南一に自分の身の回りの世話をする侍女になるよう一方的に命令! さらには「うまくいけば、いずれは林様の“夜伽”も許される侍女にしてあげるわ」なんて、とんでもないことを言い出す始末。

これには鹿南一もブチ切れ、「なんて厚かましい女!」と反撃しますが、聞雲汐は涼しい顔。「妻になる私に口答えするなんて」と、正妻の座を盾にマウントを取ってきます。

鹿南一が「あなたと林清秋の間には愛がないじゃない!」と叫ぶと、聞雲汐は「結婚に愛など不要。親の命令と家の格さえあれば十分ですわ」とバッサリ。そして、「いずれ私が王妃になるのだから、あなたも身の程をわきまえなさい」と勝ち誇ります。

しかし、ここで黙っていないのが鹿南一! 彼女は堂々とこう言い返しました。

「結構よ。私が林清秋と結婚式を挙げる時、あなたが悔しさのあまり気を失わないことを祈ってるわ!」

いやー、スカッとしましたね! 聞雲汐の登場で、二人の恋路は前途多難。事件の行方とともに、この三角関係からも目が離せません!

『鹿苑記~僕の生意気な彼女~』第10話の感想

第10話は、ミステリーとロマンス、そして新たな対立が絶妙に絡み合い、非常に見応えのある回でした。事件の捜査では、林清秋と陸白が官職を賭けて対立するという、男のプライドをかけた展開が物語に緊張感を与えています。一方で、宮北音(きゅうほくおん)の冷静な検視によって、被害者の服装の謎や未知の青い粉末といった新たな物証が浮かび上がり、今後の謎解きへの期待が高まりました。

恋愛模様においては、林清秋と鹿南一の距離が縮まる甘いシーンに心を掴まれました。キス寸前で邪魔が入るという王道ながらも、二人のもどかしい関係性をうまく表現していたと思います。しかし、その直後に現れた許嫁・聞雲汐の存在が、物語に新たな波乱を呼び込みます。彼女の登場により、単なる恋のライバルというだけでなく、当時の結婚観や身分制度といった社会的なテーマも浮き彫りになり、物語に深みを与えています。鹿南一が彼女に啖呵を切る場面は、見ていて非常に痛快でした。事件の謎と複雑な人間関係がどう進展していくのか、続きが気になります。

つづく