柳莺莺(りゅうえいえい)と師匠は、朴訥な山狼(さんろう)と彼に想いを寄せるお嬢様の恋を成就させるため、恋のキューピッド役を買って出ます。月夜の晩、二人の仲を取り持とうと微笑ましい作戦を立てる莺莺たち。しかし、山狼のあまりの鈍感さに計画は空回り気味。そこで二人は、森の中に特別な仕掛けを用意して、強引に距離を縮めさせようと画策します。ところが、いざ実行という段になって予期せぬ邪魔が入り、計画は思わぬ方向へと転がっていくのでした。

「雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~」あらすじネタバレ10話

今回は『雪上恋歌』第10話について、熱く語っていきたいと思います。恋の橋渡しをしようとした二人が、まさかの展開を迎える、おかしくもキュンとする神回でしたよ!

恋の応援のはずが…朴訥な山狼(さんろう)と積極的なお嬢様

月が綺麗な夜、我らが柳莺莺(りゅうえいえい)と師匠は、あるカップルの恋を成就させようと森の中をこっそり散策中。そのお相手は、朴訥な山狼(さんろう)と、彼に想いを寄せるお嬢様です。

お嬢様は隣で楽しそうにおしゃべりしているのに、山狼はなんだか上の空。そんな二人を物陰から見守る莺莺がふと師匠に目をやると、師匠は莺莺のことをじっと見つめているじゃありませんか! その眼差しが、なんとも優しくて…。

一方、お嬢様はめげずに山狼に猛アピール!

「なんだか寂しいわ…」と寂しさを訴えれば、山狼は「よし来た!」とばかりに部下を呼び寄せ、二人の周りをぎっしり囲ませる始末。

さらに「少し肌寒いわね」と寄り添うチャンスを演出すると、今度は部下たちに「もっとくっつけ! 暖かくしてやれ!」と号令をかける始末…。

このトンチンカンなやりとりに、遠くで見ていた莺莺と師匠は思わず吹き出してしまいます。顔を見合わせて笑い合う二人、なんだかいい雰囲気ですよね。

仕掛けた罠と予期せぬ邪魔者

「天の采配を待つだけじゃダメだ!」と、二人の恋を後押しすることに決めた莺莺と師匠。夜の森にこっそりと網の罠を仕掛け、山狼とお嬢様が二人きりになったところを狙って、吊り上げてしまおうという作戦です。

ところが、いざ決行というその時、どこからともなく九尾狐(きゅうびこ)が出現! 驚いた山狼は、すぐさま矢を放ち九尾狐(きゅうびこ)を負傷させます。すっかり夜も更けてしまい、山狼はお嬢様に早く帰るよう促し、二人でさっさと立ち去ってしまいました。

計画が水の泡となり、その場に残された莺莺と師匠。あまりの間の悪さに、がっくりと肩を落とすしかありませんでした。

自ら仕掛けた罠にハマる二人

計画が失敗した原因を突き止めるため、自分たちが仕掛けた網の場所へ戻ってきた莺莺と師匠。しかし、いくら調べても仕掛けに問題は見つかりません。

「おかしいわね…」と莺莺が身を乗り出したその瞬間、なんと足を滑らせてしまいます! バランスを崩した莺莺を助けようとした師匠もろとも、二人は自分たちが作った網の中へ真っ逆さま!

頑丈に作りすぎた網にがんじがらめにされ、身動きが取れなくなってしまった二人。「なぜこんなにきつく結んだんだ!」と師匠は思わず莺莺を責めますが、後の祭り。月明かりが差し込む中、狭い網の中で見つめ合う二人…。気まずい空気が、次第に温かいものへと変わっていくのでした。他人の恋を応援するはずが、自分たちの恋が思わぬ形で進展するなんて、運命のいたずらは本当に面白いですね!

『雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~』第10話の感想

今回は、他人の恋路を応援しようとした主人公たちが、逆に自分たちの関係を深めてしまうという、皮肉が効いた面白い構成でした。朴訥でどこかズレている山狼の人の良さと、それに振り回されるお嬢様のやり取りには、思わず笑みがこぼれます。一方で、そんな二人を微笑ましく見守る柳莺莺(りゅうえいえい)と師匠の間に流れる、穏やかで信頼に満ちた空気がとても心地よかったです。物語の主軸である二人の恋が、誰かのための行動をきっかけに、意図せず進展していく様子は見ていて飽きません。特に最後の網のシーンは、物理的な距離の近さが心の距離をも縮めるという、王道ながらも美しい演出でした。二人の間に芽生え始めた特別な感情が、今後どのように育っていくのか、静かに見守りたくなります。

つづく