いとこお嬢様の縁談を成就させるため、策士の柳莺莺(りゅうえいえい)が新たな計画を立てる。それは、山賊の頭・山狼(さんろう)へ恋文を送ること。しかし、山賊たちが誰も文字を読めないという思わぬ壁にぶつかる。そこで莺莺は、師匠の姜長清(きょうちょうせい)を巻き込み、恋文の内容を即興劇で伝えるという奇策に打って出る。この芝居が、二組の男女の恋模様を大きく動かすことになるとは、まだ誰も知らなかった。
「雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~」あらすじネタバレ11話
いや~、今回もやってくれましたね!『雪上恋歌』第11話、いじらしい恋模様に、思わず頬が緩みっぱなしでした。
さて、前回から気になっていた、いとこのお嬢様の恋の行方。今回、我らが柳莺莺(りゅうえいえい)がまたまた一肌脱ぎます!
自分の縁談がなぜこうも上手くいかないのかと、しょんぼりするお嬢様。そんな彼女を慰める姜長清(きょうちょうせい)ですが、「好事魔多し」なんて言うもんだから、かえってお嬢様の機嫌を損ねてしまう始末。男って、時々そういうとこありますよね(笑)。
見かねた莺莺が、山賊の頭・山狼(さんろう)宛てに熱烈な恋文を代筆!これで一件落着かと思いきや、まさかの問題が発生します。なんと、山狼の砦の者たちは誰も字が読めなかったのです!これには莺莺たちも唖然。計画失敗か…と誰もが思ったその時、莺莺がとんでもないことを思いつきます。
「こうなったら、私たちが演じて見せるわ!」
そう言って莺莺が引っ張り出したのは、師匠である姜長清(きょうちょうせい)!莺莺がお嬢様役、そして姜長清(きょうちょうせい)が山狼役となって、即興劇で恋文の内容を伝えることになったのです。
最初は戸惑いながらもセリフを読んでいた姜長清。しかし、目の前で健気に恋する乙女を演じる莺莺を見ているうちに、いつしか彼女と過ごした日々の思い出が頭をよぎります。つま先立ちで赤い縄を結ぶ横顔、お茶で指を火傷したおっちょこちょいな姿、夜中につまみ食いが見つかった時のいたずらっぽい笑顔…。
気づけば、彼はセリフを忘れ、ただじっと莺莺を見つめていました。そして、次の瞬間、何を思ったか、たまらず莺莺をその熱い胸に抱きしめてしまったのです!
この突然のハプニングに、一番興奮したのは客席(?)の山狼。「わかったぞ!あの嬢ちゃんは俺様に惚れてるんだな!」と大きな勘違い…いや、真理に到達!
このおかげで、お嬢様と山狼の恋は一気に進展。山道で健気に待ち続けるお嬢様のもとに、風のように現れた山狼が「俺様と一緒に砦に帰って、子作りするぞ!」と、なんとも豪快なプロポーズ!ぶっきらぼうだけど、これ以上ない愛の言葉に、お嬢様の頬は真っ赤に染まるのでした。
めでたしめでたし…で終わらないのが、このドラマの面白いところ。
お嬢様カップルの甘い様子を眺めていた莺莺。そんな彼女の目を、後ろから姜長清がそっと覆います。「見るもんじゃない」なんて言いながら、彼の手には一本の白玉のかんざしが。
いよいよ師匠も自分の気持ちを…!と、見ているこっちがドキドキしたその瞬間、勢いよく門が開き、村人たちが「姜半仙、助けてくれ!裏山に妖怪が!」と駆け込んできます。
床に落ちるかんざしの乾いた音。村人たちに囲まれ、壁際に追いやられた莺莺を見つめる姜長清の瞳は、まるで凍てついた湖のように深く、冷たく沈んでいました。やっと動き出した二人の時間が、またしても止められてしまいましたね。
『雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~』第11話の感想
今回は、二組の恋模様が対照的に描かれた見事な回でした。山狼とお嬢様の、言葉は無骨でも行動はストレートな恋が成就する様子は、見ていて非常に微笑ましかったです。一方で、莺莺と姜長清の関係は、じっくりと、そして丁寧に心の機微が描かれていました。特に、即興劇の最中に姜長清が自身の想いを自覚するシーンは、彼の普段の冷静さとのギャップが際立ち、物語に深みを与えています。想いが通じ合う直前で邪魔が入るという結末は、二人の関係が単純なものではないことを示唆しており、今後の展開から目が離せません。甘さと切なさが絶妙なバランスで配合された、味わい深いエピソードでした。
つづく