九尾狐(きゅうびこ)の罠にかかり、毒に侵された柳莺莺(りゅうえいえい)。師匠の姜長清(きょうちょうせい)は、彼女を救うため禁じられた方法をもいとわない。一命を取り留めた莺莺だが、意識が朦朧とする中で聞いた師匠の言葉を、甘い夢だと思い込んでしまう。互いを想いながらも、仙人と人間という身分の違いが二人を隔てる。そんな中、二人はそれぞれ別のある人物に恋の相談を持ちかけるが…。師弟の切ない恋が、もどかしくも新たな局面を迎える。

「雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~」あらすじネタバレ17話

いやあ、今回の『雪上恋歌』は、息をするのも忘れるくらい見入ってしまいましたね!ついに、あの堅物だった師匠・姜長清(きょうちょうせい)の心の扉が、柳莺莺(りゅうえいえい)への愛によってこじ開けられました。でも、そこからの展開がまた、もどかしくてたまらないんです!

毒に倒れた莺莺、師匠が決死の救出劇!

物語は、柳莺莺が九尾狐(きゅうびこ)の幻術を見破るところから始まります。しかし、逆上した九尾狐の毒牙にかかり、莺莺は絶体絶命のピンチに!そこに颯爽と現れたのが、師匠の姜長清です。

妖は撃退したものの、莺莺の体にはすでに毒が回り、みるみる顔色を失っていきます。万事休すかと思われたその時、姜長清が取った行動に度肝を抜かれました。なんと、師匠としての立場も、男女の礼法さえもかなぐり捨て、伤口から直接、毒血を吸い出したのです!女性に触れることすら禁忌だった彼が、愛する人を救うため、その禁を破った瞬間でした。

意識のない君へ…涙の告白

姜長清の必死の看病もむなしく、莺莺は昏睡状態に陥ります。徹夜で薬を煎じ、付きっきりで看病する姜長清。その姿は、もはやただの師匠ではありませんでした。

そして、夜が更け、静寂が二人を包む中、ついにその時が訪れます。姜長清は、意識のない莺莺の熱い手を握りしめ、長年胸の内に秘めてきた想いを、堰を切ったように語り始めるのです。「初めて会った時から心惹かれていた」「仙人と人間という身分の違いから、この想いを伝えられずにいた」と…。しかし、彼の悲痛な告白は、眠る莺莺に届くことはありません。

翌朝、目を覚ました莺莺は、姜長清の赤い目を見て、屈託なくこう言います。「素敵な夢を見ました。夢の中で、師匠が私のことを好きだって…」。真実を告げられず、ただ黙って薬湯を差し出す姜長清。二人の間には、気まずくも甘い空気が流れるのでした。

すれ違う恋の相談、板挟みの師兄!

この一件で、お互いを意識しまくる二人。しかし、どうしていいかわからず、それぞれが師兄に助けを求めるという、なんとも可愛らしい行動に出ます。

姜長清は「凡人に想いを伝えるにはどうすれば?」と真剣に相談。かと思えば、莺莺は「神仙に告白するにはどうしたらいい?」と師兄に泣きつきます。同じ相手(お互い)への恋の悩みを、別々に相談された師兄はもうパニック!「一体どっちなんだ!」と頭を抱える師兄の姿に、思わず笑ってしまいました。

『雪上恋歌 ~天に刻まれた悠久の愛~』第17話の感想

今回は、姜長清の深い愛情が浮き彫りになった、非常に見ごたえのある回でした。普段は厳格で感情を表に出さない彼が、莺莺の命の危機を前にして見せた必死の形相と、礼法を破ってまで救おうとする姿に胸を打たれました。特に、意識のない莺莺に長年の想いを吐露する場面は、彼の孤独と愛情の深さが伝わってきて、涙なしには見られません。しかし、その告白が「夢」として処理されてしまう展開は、あまりにも切なく、もどかしい気持ちでいっぱいになります。お互いの気持ちは通じ合っているはずなのに、仙人と人間という壁が、あと一歩を踏み出すことをためらわせる。このじれったさが、二人の恋の行方をさらに気になるものにしています。コミカルな師兄のエピソードも良い緩衝材になっており、物語の緩急の付け方が見事だと感じました。

つづく