梅四(ばいし)が手に入れた不思議な墨。彼がその墨で妖怪の絵を描くと、なんと絵から妖怪が抜け出し、実体化してしまいます。長安の街に墨の妖怪が出没し、人々を襲い始める異常事態に。武禎(ぶ・てい)はそれぞれの方法で事態の収拾に動きますが、その背後には悲しい犠牲と、さらなる陰謀の影が潜んでいました。
「子夜帰」あらすじネタバレ17話
呪われた墨と梅四(ばいし)の執着
梅四(ばいし)は手に入れたばかりの新しい墨にすっかり夢中です。彼は柳太真(りゅう・たいしん)への贈り物として、妖怪図鑑を描こうと張り切っていました。
その様子を見ていた玄虺(げんき)は、本には載っていない珍しい妖怪の話を始めます。特に千年修行したという凶暴な虎の妖怪について語り聞かせました。
梅四(ばいし)は話を聞きながら筆を走らせますが、玄虺からは絵が下手だ形が醜いと散々な言われようです。しかし、その夜、不思議なことが起こりました。なんと、梅四が描いた虎が絵から抜け出し、実体化したのです。
玄虺はこの墨に邪悪な術がかけられていることに気づきます。ですが、彼はあえて止めようとはせず、妖市(あやかしのまち)に混乱が起きるのを面白がって静観することにしました。
武禎(ぶ・てい)と墨の虎
一方、街の異変をいち早く察知したのは武禎(ぶ・てい)でした。不穏な陰気を感じて路地へ向かうと、そこには黒い紋様のある白虎が待ち構えていたのです。
虎は全身から黒い気を放ち、鋭い爪で襲いかかってきました。武禎(ぶ・てい)は身をひるがえして攻撃をかわします。激しい攻防の末、武禎は見事にこの墨の虎を制圧しました。
広まる噂と梅逐雨(ばい・ちくう)の推理
闘香会の後、武禎の私生活はまたもや噂の的になっていました。梅逐雨(ばい・ちくう)との関係が取り沙汰される中、梅逐雨(ばい・ちくう)のもとに昨夜、妖怪が出たとの情報が入ります。
現場を確認すると、巨大な虎の爪痕が残っていました。同じ頃、梅四が目を覚ますと、絵の中の虎が薄くなっており、床には血のついた足跡が。しかし、その血痕はすぐさま墨の跡へと変わってしまいます。玄虺は見間違いだと誤魔化し、さらに妖怪の話を続けさせ、梅四を絵に没頭させていきました。
墨屋への捜査
街では妖怪が暴れているという噂が広まり、人々は不安に怯えています。たった一日でこれほど噂が広まるのはおかしい。誰かが意図的に煽っているのではないか。そう考えた梅逐雨は、呪術の可能性を疑い、墨を売っている店を調べることにしました。
店主は梅逐雨の姿を見て怯えながらも、顧客名簿を差し出します。そこには、従兄弟である梅四の名前がありました。梅逐雨が去った後、斛珠(こく・じゅ)もまた店を訪れ、帳簿を厳しくチェックしていました。
梅四の救出と長安の混乱
梅逐雨が急いで梅府へ駆けつけると、部屋中が妖怪の絵で埋め尽くされていました。梅四の顔色は土気色で、目はうつろ。明らかに何かに取り憑かれている様子ですが、それでも筆を止めようとしません。
事態を重く見た梅逐雨は、梅四を無理やり庭へ連れ出しました。そして、ためらうことなく彼を水瓶の中へと押し込んだのです。周囲が止めようとするのも聞かず、梅逐雨は厳しい表情を崩しません。
水中で激しく暴れる梅四。やがて彼の口や鼻から、濃いオレンジ色の霧のようなものが吐き出されました。それが生き物のようにうごめきながら消え去ると、ようやく梅四は正気を取り戻します。
悲しい別れ
その頃、宮中では武皇后が武禎の結婚相手について頭を悩ませていました。しかし武禎は心を通わせた相手でなければ嫁がないと頑なです。
そんな中、長安のあちこちで墨の妖怪たちが一斉に暴れ始めました。武禎や梅四だけでなく、一般市民までもが襲われます。玄虺は力が戻っておらず、梅四を守りきれません。
一方、沅真(げんしん)公主も危機に瀕していました。墨の鹿の妖怪が襲いかかります。人間の姿である武禎では太刀打ちできません。
絶体絶命の瞬間、白茶(はくちゃ)の精霊が最後の力を振り絞りました。彼女は自らの命と引き換えに墨の鹿と相打ちになり、沅真公主の腕の中で儚く散っていったのです。
騒動の終息
長安は大混乱に陥りましたが、梅逐雨が天師の剣を抜き、単身で墨の妖怪たちを斬り伏せました。街に静けさが戻ると、武禎は斛珠(こく・じゅ)から墨の出処を聞き出し、梅府へ向かいます。
そこで梅逐雨と鉢合わせしました。梅四が使っていた問題の墨はすでに使い切られていました。武禎は去り際、梅四の手首に奇妙な兆候があるのを目にしましたが、気づかないふりをしてその場を後にしました。
第17話の感想
梅四が水瓶に沈められるシーン、梅逐雨の容赦ない除霊方法には少し笑ってしまいましたが、それ以上に白茶の最期が切なすぎました。ずっと公主を見守ってきた彼女が、命を懸けて守り抜く姿には涙が止まりません。それにしても、あの墨の妖怪たち、ただの絵だと思っていたら物理攻撃も効くしかなり厄介ですね。ラストで武禎が梅四の手首に見たもの、あれが今後の不穏な展開の伏線になりそうで怖いです。
つづく

