ついに明かされる武禎(ぶ・てい)の身体の秘密と、彼女を救うための禁断の選択。妖市での混乱を経て、二人の関係性は劇的に変化します。シリアスな展開から一転、記憶を失った武禎が見せる愛らしい姿と、梅逐雨(ばい・ちくう)の献身的な愛に胸が温まるエピソードです。
「子夜帰」あらすじネタバレ32話
隠された真実と百年の孤独
梅逐雨(ばい・ちくう)が何か重大な秘密を抱えていると確信していました。何度尋ねてもはぐらかされるため、彼は心を鬼にして凌霄(りょう・しょう)の命を盾に取り、真実を迫ります。
観念した武禎(ぶ・てい)は、ついに重い口を開きました。自分は半人半妖であり、完全な妖(あやかし)になるためには百年の閉関が必要だと告げたのです。
この言葉に梅逐雨(ばい・ちくう)は愕然とします。人間にとって百年という歳月は、今生の別れを意味するからです。彼は、自分のこれまでの言動が武禎(ぶ・てい)を追い詰め、人であることを捨てさせるほど傷つけてしまったのだと悟り、激しい後悔に襲われました。
妖市での異変と猫への変身
武禎はその場を去りますが、急激に体調が悪化します。柳太真(りゅう・たいしん)に頼んで妖市へと向かいますが、彼女の体にはすでに妖毒が広がっていました。
そこへ無字書(むじしょ)が現れ、秘術を施します。彼は、かつて武禎が受けた術の傷により肉体は限界を迎えており、完全に妖化するしか生きる道はないと説きます。たとえ世界がどうなろうと、永遠に彼女のそばにいると誓いながら。
一方、梅逐雨(ばい・ちくう)は無理な妖化が彼女を危険に晒すことに気づき、妖市へ急行しました。柳太真(りゅう・たいしん)とともに無字書(むじしょ)の儀式を阻止しようとしますが、その混乱の中で武禎の体内の気が暴走してしまいます。しかし、強引な妖力の注入が逆に作用し、彼女はなんと一匹の狸花猫(トラ猫)の姿になって人間界へ逃げ出してしまいました。
記憶喪失と梅家の妻
梅逐雨は必死に猫を探し回ります。柳太真(りゅう・たいしん)は制御できなければ殺すしかないと警告しますが、梅逐雨は聞く耳を持ちません。夜の街を彷徨った末、自宅の軒下で震える猫を見つけます。彼はこれまでの偶然の出会いがすべて彼女だったと気づき、深く詫びながら特製の霊茶を飲ませました。
翌朝、人の姿に戻った武禎が目を覚まします。しかし、彼女の記憶は失われていました。昨夜、梅逐雨が自分を夫人と呼んだことだけを頼りに、自分たちは夫婦なのだと思い込んでしまいます。
梅逐雨は驚きますが、無邪気に隣家の桃を盗んで振る舞う彼女の姿を見て、複雑な思いを抱きます。彼女は県主としての威厳も忘れ、ただ幸せそうに梅家の妻として振る舞うのでした。
無字書(むじしょ)の絶望と新たな旅路
深夜、梅逐雨が武禎の髪を梳いていると、無字書が彼女を連れ去ろうと忍び込んできます。無字書は18年の絆があると主張しますが、梅逐雨は彼女はお前を選ばないと立ちはだかりました。
騒ぎを聞きつけた武禎がやってきますが、彼女は無字書のことを全く覚えていませんでした。主従の絆さえ忘れ去られたことに絶望し、無字書は傷心のまま去っていきます。
梅逐雨は武禎の病を根本から治すため、伝説の祝馀仙草(しゅくよせんそう)を探す旅に出ることを決意しました。二人は都を離れ、荒れた屋敷で休息をとりますが、そこでは勝手に箒が動くなど、奇妙な現象が起きていました。
第32話の感想
記憶を失った武禎がとにかく可愛かったです! これまで背負っていた重圧から解放され、無邪気に桃を頬張る姿には癒やされましたね。一方で、無字書の報われなさが切ない回でもありました。18年も尽くしてきたのに忘れられてしまうなんて、敵ながら同情してしまいます。ラストの不気味な屋敷、新しい冒険の始まりにワクワクが止まりません。
つづく

