恋のすれ違いと、ついに判明した父の隠れ家
楚楚(ソ・ソ)の身分を巡る危機が一時的に去る中、安郡王・蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)の不器用な嫉妬とツンデレが炸裂します。
長安では大太監の秦欒による残忍な口封じが実行されるも、侍衛長の呉江が見事な手腕で被害者を救出。
そして、第18話で発見された光の暗号が示す先には、生存が絶望視される死の沼地が広がっていました。
キャラクターたちの感情が交差する、切なくも緊迫感に満ちた第20話です。
蕭家兄弟の深まる絆と長安での水面下の攻防
譚貴の決断と、幼き日の水没事件を乗り越えた兄弟愛
逆党の遺児という楚楚(ソ・ソ)の複雑な出自を知った県丞の譚貴。
蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)は、彼に楚楚の暗殺を一旦思い止まらせ、事の次第を長安の景閣老に報告するよう説得します。
譚貴はかつて駙馬である蕭恒に多大な恩を受けており、彼を捜索する条件付きで暗殺の延期を快諾しました。
一方、緊張の糸が切れた冷月(レイ・ゲツ)と景翊(ケイ・ヨク)の間に、これまでになかった甘い雰囲気が漂い始めます。
楚楚の義兄・楚河は罰として板打ちを受け、部屋で療養していました。
楚楚が傷の具合を見舞い、兄妹としての親愛から彼に抱きついた瞬間、傷薬を持ってきた蕭瑾瑜がその光景を目撃。
蕭瑾瑜は楚楚が楚河を想っていると激しく誤解し、ひどく落ち込んでしまいます。
心労と嫉妬が重なり、蕭瑾瑜は持病の胃痛を発作。
兄の蕭瑾璃(しょう・きんり)が彼を抱き抱えて部屋へ運び、これを機に兄弟は腹を割って語り合いました。
第10話で描かれた、幼少期に蕭瑾璃(しょう・きんり)を助けようとして蕭瑾瑜が川に落ちた水没事件。
蕭瑾瑜は、兄が未だにそのトラウマに縛られ、安郡王の爵位さえも自分に譲って償おうとしていることを窘めます。
しかし蕭瑾璃は、武術に長けた自分が爵位を継げば軍に参入できなくなるため、三法司を司る弟が安郡王の身分を持つことこそが、双方にとって最大の防御になると本心を明かしました。
この対話により長年のわだかまりが完全に解け、蕭家兄弟の絆はより一層強固なものになります。
呉江の鮮やかな毒のすり替えと、秦欒の疑念
長安では、老獪な大太監・秦欒が西南の情勢から「大志を抱く始作俑者」の存在を嗅ぎ取り、骨董店の博古齋に監視の目を光らせていました。
神策軍の周翰は、青楼に監禁していた許如帰の家族(妻、妾、娘、二人の息子)を完全に消し去るため、老鴇に劇薬を渡して食事に混ぜるよう命じます。
しかし、都に留まっていた蕭瑾瑜の腹心、侍衛長の呉江がすでに青楼に潜伏していました。
呉江は老鴇の隙を突いて素早く毒薬をすり替え、死体を装って城外へ廃棄された許家の人々を無事に救出、厳重な保護下に置きます。
蕭瑾瑜の長安での目である呉江の見事な暗躍により、秦欒の非道な口封じは完全に阻止されました。
銅勺が招いた冷戦と、ツンデレ王爺の木彫り
蕭瑾瑜は、長安を出発する際に母の西平公主から受けた「宦官に気をつけよ」という忠告を思い返し、父・蕭恒が西南で遭遇した事件には、記録に残されていない宦官絡みの裏の事情があると確信します。
一方、自分の出自が蕭瑾瑜の重荷になることを恐れた楚楚は、彼にわざとよそよそしい態度をとっていました。
共に巫医のおじさん(蕭恒)を探そうと提案する楚楚に対し、距離を置こうとする彼女の態度に蕭瑾瑜は苛立ちを隠せません。
楚楚は第18話で濁流に飛び込んで拾い上げた銅勺をプレゼントしますが、蕭瑾瑜は一切の感謝を示さず冷たく突き放しました。
命の危険を冒して川に入った楚楚を心配するがゆえの、彼なりの不器用な愛情表現でしたが、楚楚は深く傷つきます。
この二人の意地っ張りな関係を見かねた冷月(レイ・ゲツ)が、薬を届けに蕭瑾瑜の部屋を訪れます。
冷月は、蕭瑾瑜が楚楚を避けながらも、手元では熱心に彼女の姿を木彫りにしている矛盾を容赦なく指摘し、早く本心を伝えるよう促しました。
痛いところを突かれた蕭瑾瑜は、景翊(ケイ・ヨク)が良縁を断り続けているのは冷月への想いがあるからだと反撃し、彼女を激しく動揺させます。
光の暗号が示す座標と、絶望の毒沼
数日後、蕭瑾瑜は本格的に蕭恒の捜索を開始。
5年前、巫医が姿を消した当時、関嶺県から外界へ通じる橋はまだ未完成でした。
両足が不自由な父が険しい地形を越えられたはずはなく、必ずこの近辺に身を潜めていると蕭瑾瑜は断言します。
巫医の旧邸の壁画から差し込む光の斑点、すなわち「鑿壁偸光」の暗号が示す座標を割り出した一行。
しかし、その光が指し示した場所は、毒蛇やサソリがうごめく危険な沼地(沼沢)でした。
清潔な水も食料もない過酷な環境。
行動の不自由な蕭恒がここに隠れたとすれば、生存の可能性は限りなく低い絶望的な状況です。
独自考察・用語解説:呉江の機転と蕭瑾瑜の深い思慮
今回、長安での呉江の活躍が非常に重要な意味を持ちます。
許如帰の家族を救出し保護したことは、単なる人命救助にとどまりません。
逃亡中の許如帰を捕らえた際、家族の安全をカードとして交渉を有利に進めるための最強の切り札を蕭瑾瑜が手に入れたことを意味します。
長安に腹心を残してきた蕭瑾瑜の先見の明が、秦欒の残虐な手段を完全に封じ込めました。
また、西平公主の「宦官への警戒」という言葉を反芻する蕭瑾瑜。
彼はすでに、西南での偽金事件や逆党の濡れ衣の背後に、長安の北司(宦官勢力)が深く関与している構造を正確に見抜いています。
暗号が示す先が過酷な毒沼であったことは、蕭恒が追手から完全に姿を消すため、あえて人が踏み入れない死地を「墓標」あるいは「証拠の隠し場所」として選んだ可能性を強く浮き彫りにします。
感想と次回の見どころ
楚楚への想いを募らせるあまり、子供のように嫉妬し、不器用な態度をとってしまう蕭瑾瑜の姿が非常に人間らしくて魅力的です。
こっそり楚楚の木彫りを作っているところを冷月に暴露されるシーンは、微笑ましさと同時に彼の深い愛情を感じさせます。
しかし、物語の核心は重い事実へと突き進みます。
光の暗号が導き出した場所は、生存不可能な毒沼。
次回、その沼地で三法司の一行が目にするものとは。
長年にわたり隠蔽されてきた蕭恒の真実が、ついに泥沼の中から引きずり出される決定的瞬間を絶対にお見逃しなく。
つづく


