安郡王の不器用な恋心と長安で渦巻く死罪の包囲網

黔州で急接近する安郡王と楚楚(ソ・ソ)の絆。しかし彼女の出自が「逆党の遺児」であるという残酷な真実が、周囲の人間を巻き込み容赦なく牙を剥きます。恩人である景家の密偵が楚楚(ソ・ソ)に刃を向け、長安では大太監が死罪の包囲網を敷く緊迫の第19話です。

逆党遺児の宿命と暴かれた夜の暗殺未遂

譚管家の死の真相と西平公主が放つ百合金簪の牽制

第18話のラストで、楚楚を守るあまり感情的になり怒鳴りつけてしまった安郡王の蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)。

その不器用な態度の裏にある恋心を、大理寺少卿の景翊(ケイ・ヨク)が意味深にからかいます。

帰り道、蕭瑾璃(しょう・きんり)が弟の本心を楚楚に伝えようとした矢先、県丞の譚貴が二人の前に立ち塞がりました。

譚貴は亡き父である譚管家が殺害された詳細を知りたがっていました。

第16話の許家の古い屋敷で、許如帰が口封じのために譚管家を殺害した凄惨な事件です。

楚楚は痛ましい事実を打ち明け、譚貴はこの件を蕭瑾瑜(しょう・きんゆ)には伏せてほしいと懇願しました。

時を同じくして、長安では水面下の激しい腹の探り合いが展開されていました。

景閣老が西平公主の府邸を訪れ、冷月(レイ・ゲツ)と蕭瑾璃(しょう・きんり)の政略結婚を再び促します。

しかし西平公主は彼の意図を完全に読み切っていました。

牽制として、かつて母妃が景夫人に贈った「百合金簪」の話題を突然持ち出します。

第17話で景閣老が贈答記録を調べ直すきっかけとなったあの簪の件です。

想定外の追及を受けた景閣老は、夫人の装飾品は多くて覚えていないと焦って誤魔化しました。

鳳凰山への逃走経路と巫医失踪の矛盾を突く安郡王

県衙で目を覚ました楚河。

彼は楚楚が許如帰に殺されたと勘違いし、蕭瑾瑜に掴みかかろうと激昂します。

蕭瑾瑜は冷徹に、彼が許如帰を逃がしたことでどれほど重大な事態を引き起こしたかを突きつけました。

自身の愚かな行動を悟った楚河は、家族を救うためすべての罪を被ると申し出ます。

蕭瑾瑜は冷静に許如帰の逃走ルートを分析。

楚河の証言により、許如帰が北東の鳳凰山方面へ向かった事実を掴みます。

第17話で巫医の旧邸に大量の鳳凰山の山水画が飾られていた伏線が、ここで再び繋がりました。

さらに蕭瑾瑜は、関嶺県と外部を繋ぐ橋が完成したのは5年前であるという重要な証言を引き出します。

巫医である蕭恒が村から姿を消した時期、その橋はまだ未完成でした。

足の不自由な巫医が、橋もない険しい地形をどうやって越えたのか。

蕭瑾瑜の頭脳に、新たな推理のピースが組み込まれていきます。

身代わりの罠と景家が配置した暗哨の正体

冷月(レイ・ゲツ)はついに、第14話の石洞で目撃した景翊(ケイ・ヨク)と譚貴の密会の事実を蕭瑾瑜に打ち明けます。

景翊が親友に何かを隠していると判断した蕭瑾瑜は、冷月を楚楚に変装させ、闇に潜む敵を誘き出す作戦を決行しました。

一方の景翊も譚貴の不穏な動きを察知し、極秘に尾行を開始します。

夜の暗がりの中、楚楚に変装した冷月の背後から鋭い刃を突き立てようとする譚貴。

その瞬間、頭上から蕭瑾璃が舞い降り、一撃で譚貴を制圧しました。

物陰から蕭瑾瑜が現れ、すべてを悟った景翊も姿を現します。

ついに、譚貴が景閣老によって黔州へ配置された暗哨(密偵)であることが白日の下に晒されました。

譚貴の目的は景翊を守ること。

楚楚の正体が、かつて大唐に反逆した剣南節度使・陳瓔の部下の娘であると知った譚貴。

蕭家の親の仇であり、大唐の律令で死罪となる逆党の遺児。

彼女を生かしておけば安郡王の命と地位が危うくなると判断し、独断で暗殺を企てたのです。

しかし蕭瑾瑜は、楚楚は父・蕭恒が守るよう命じた大切な人物だと宣言。

蕭恒が生きているという事実に譚貴は驚愕します。

景家の暗哨・譚貴の忠義と長安の流言

譚貴の暗殺未遂は、安郡王を権力闘争の弱みから守るための歪んだ忠誠心から起きた事件でした。

景閣老が長安から放った密偵のネットワークが、いかに深く地方に根を張っているかが分かります。

そして長安では、楚楚が逆党の遺児であるという致命的な機密情報がすでに蔓延していました。

刑部尚書の韓績は、大太監の秦欒の巧みな誘導に乗せられ、唐宣宗に楚楚の正体を暴露します。

秦欒は自分の手を汚さず、朝廷の官僚たちを使って蕭瑾瑜を窮地に追い込む見事な策略を展開。

楚楚が長安へ護送されてくれば、法を盾にして合法的に彼女を処刑できるという大太監の狡猾な思惑が透けて見えます。

感想と次回の見どころ

冷月が楚楚に変装して暗殺者を捕らえるアクションシーンの連携が見事でした。

親友である景翊の怪しい行動を疑いながらも、最後まで彼自身の口から真実を引き出そうとした蕭瑾瑜の友情の深さに胸を打たれます。

しかし長安では、秦欒の死の包囲網が楚楚を待ち受けていました。

次回、鳳凰山へ逃げた許如帰の行方と、暗号が示す秘密の場所の探索。

迫り来る死罪の宿命から、蕭瑾瑜は愛する仵作をどう守り抜くのか。息詰まる心理戦とサスペンスに期待が高まります。

つづく