闇に葬られた黄金の記憶と劇場を揺るがした連続殺人の終焉
大富豪の龐府を舞台に巻き起こった、劇団双清班を巡る連続怪死事件がついに衝撃の解決を迎えます。
数々の謎が1つの線で繋がり、過去の国家規模の強奪事件の全貌が白日の下に晒されました。
命の危機に瀕した秦菀を救うため、戦神の燕遅(イェン・チー)が炎の中に身を投じる極上の緊迫エピソードです。
凄惨な復讐劇の全貌と命懸けの火事場救出
龐夫人の体に刻まれた虐待の痕跡と定州の不穏な過去
秦菀は体調を崩した龐夫人の診察を行うため、彼女の居室を訪れました。
そこで夫人の衣服の隙間から、夫の龐輔良による悍ましい虐待の傷痕を発見します。
怯える子供たちは、これらがすべて父親の凄惨な暴力によるものだと証言しました。
かつて実家が龐輔良に商売を潰され、無理やり嫁がされた過去が明かされます。
夫人は理不尽な暴行に耐えながら、息子の言児が成人することだけを唯一の希望にしていました。
秦菀は、涙を流して耐えるだけの夫人に、子供たちの未来のために立ち上がるよう優しく諭します。
一方、燕離(イェン・リー)の推測により、殺された覃夫人、龐輔良、劉仁励の歪んだ関係性が浮き彫りとなりました。
劉仁励は生涯にわたり覃夫人を熱愛していましたが、彼女の心は常に龐輔良のものだったのです。
白楓(バイ・フォン)の調査で、この3人がいずれも定州の同郷であることが判明しました。
彼らが定州を離れた年は、朝廷の軍資金が消えた黄金大劫案の発生時期と完全に一致します。
燕遅(イェン・チー)は大理寺の繋がりを活かして楊英を再審問し、当時の極秘の捜査巻宗を回収しました。
第18話で描かれたように、劉仁励の遺体から銃傷が見つかり、十万両の銀票が浮いていた謎の背景です。
庭園に響き渡る恐怖の唱劇と書斎を包む暗殺の火海
その夜、龐府の暗がりに再び不気味な唱劇の歌声が響き渡りました。
この怪しい旋律が聞こえるたびに誰かが死ぬという、これが4回目の凶兆です。
不穏な気配を察知した秦菀と岳凝(ユエ・ニン)は、即座に音の発生源である中庭へと駆けつけました。
そこで二人が目撃したのは、怯えながら歌を口ずさむ龐夫人の幼い娘、韻児の姿でした。
韻児は激しい驚風(引きつけ)を起こしますが、兄の言児が人形を渡すとピタリと泣き止みます。
これまで全員を震撼させていた亡霊の歌声は、実はこの幼い少女の悲鳴だったのです。
秦菀は部屋を出る際、庭の片隅に怪しく咲き誇るマン陀羅の花を発見して息を呑みました。
第18話で描かれたように、覃夫人の胃から検出された毒物の正体がここに繋がります。
危険を察知した秦菀は、岳凝(ユエ・ニン)に燕遅を呼ぶよう命じ、自身は単身で龐輔良の書斎へと踏み込みました。
書斎の奥では、龐輔良が体中に釘を打ち込まれ、身動きが取れない状態で血を流していました。
彼の上には大量の桐油が注がれており、何者かによる残虐な処刑が今まさに始まろうとしています。
秦菀が救出しようとした瞬間、窓外から冷酷な火箭が放たれ、部屋は一瞬で激しい火の海と化しました。
激しい炎に巻かれ、脱出経路を完全に断たれた秦菀は、煙の中に倒れ込み意識を失いかけます。
その時、屋根の瓦を豪快に叩き割り、黒煙の中に猛然と飛び込んできたのは戦神の燕遅でした。
燕遅は燃え盛る梁を素手ではねのけ、愛する彼女をその逞しい腕で抱き締め、決死の脱出を果たします。
公堂での冷徹なる告発と晴娘が明かした復讐の自白
地獄の火災から一夜明け、秦江や秦琰が見守る中、汪知州の主導で臨時の公堂が開かれました。
秦菀は4体の遺体の検視結果を提示し、犯人が劇団の晴娘(清嬛)であると厳かに告発します。
汪知州が晴娘に激しい膝突きの刑を科そうとすると、秦菀は機転を利かせてその罰を免除させました。
秦菀は、晴娘が殺害に使用した奇術のトリックや、現場に残された繊維の矛盾を淡々と証明していきます。
逃れられぬ証拠を前に、晴娘は自身の本名が清嬛であることを認め、すべての殺人を自白しました。
彼女は清璃、覃夫人、劉仁励、そして龐輔良を自らの手で葬り去ったと高らかに宣言します。
晴娘が龐輔良を即死させず、生きたまま火あぶりにしたのには、血を吐くような理由がありました。
4人の死者こそが、かつて定州で起きた黄金大劫案の主犯であり、彼女のすべてを奪った悪魔だったのです。
彼らは晴娘の師匠である清曦と、国を守る張将軍を暗殺し、その莫大な富を我が物にしていました。
幼い子供たちを冷酷に井戸へ突き落とす光景を、当時幼少だった韻児は目撃していたのです。
韻児が精神を病んで狂ってしまったのは、この一族の残虐な犯行を目の当たりにした恐怖が原因でした。
晴娘はその地獄の中から辛うじて韻児だけを救い出し、7年間の沈黙を経て復讐の刃を研ぎ澄ませてきたのです。
黄金大劫案の闇とマン陀羅の花が結んだ因果関係
今回の事件の核心は、十数年前に定州で発生した朝廷の軍資金強奪事件、すなわち黄金大劫案にあります。
地方のしがない劇団員や小官に過ぎなかった4人が、なぜ急激に莫大な財を築けたのか、その疑問が見事に氷解しました。
彼らは張将軍を暗殺して軍餉を盗み、その黒金を元手に龐家の私塩ルート(第16話)を開拓していたのです。
第16話において劉仁励が清璃という禍根を生かしておけないと語っていた理由も、完全に回収されました。
清璃たちが過去の張将軍暗殺の秘密や、軍資金の行方を握る唯一の生き残りだったからに他なりません。
また、秦菀が発見したマン陀羅の花という植物のエンティティは、犯人が龐府の内部に深く潜伏していた動かぬ証拠。
精神を病んだ韻児の歌声を利用し、一族に心理的な恐怖を植え付けるという晴娘の高度な心理戦の計略でした。
京城の嵐へ飛び込む二人の新たな決意
晴娘が連行される間際、秦菀に対して恨むことなく静かに感謝を述べたシーンは、胸が締め付けられるほど切ないものでした。
国家の軍資金が絡む大罪ゆえに、官府を信じられず自らの手で血の裁きを下さねばならなかった彼女の業の深さが涙を誘います。
しかし、この凄惨な解決劇を見届けた強欲な秦琰は、秦菀の卓越した仵作としての能力を確信しました。
宮廷で苦境に立たされている皇太子のために、彼女の頭脳を政治の道具として利用しようと京城への出立を急ぎます。
次回、二人の舞台はついに大周の最高権力が渦巻く帝都・京城の刑部へと進出し、本当の決戦が幕を開けます。
つづく


