愛する者を失う絶望と、明かされる過去の真実
第26話で愛する家族を守るために川へ身を投げた緑蕪。彼女の死を隠し通そうとする若曦の「作り話」が、歴史の残酷な真実と合致する衝撃の展開。
そして雍正帝と母・徳妃の埋まらない溝。
さらに、第20話の「雨中の直訴」の裏で第四皇子が取っていた驚くべき行動が皇后の口から語られ、若曦の心に静かな波紋を広げる第27話です!
永遠の別れと紫禁城の孤独
川底の亡骸と第十三皇子の底知れぬ喪失感
城外の川で身元不明の女性の遺体が発見されました。
報告に上がった容貌と身につけていた玉の腕輪の描写。
それは間違いなく、第26話で姿を消した雅妓・緑蕪のものでした。
冷酷な現実を前に、雍正帝(愛新覚羅・胤禛(アイシンギョロ・インシン))と若曦は一つの決断を下します。
精神的に追い詰められている第十三皇子(愛新覚羅・胤祥(アイシンギョロ・インシャン))には、この残酷な真実を一時的に伏せておくという苦渋の選択でした。
一方、何も知らない第十三皇子は城外を10日間も探し回り、朝議にも姿を見せません。
屋敷の部屋中を緑蕪の似顔絵で埋め尽くし、酒に溺れる毎日。
10年間の「養蜂夾道」での幽禁生活を共に耐え抜いた最愛の女性を失い、かつての豪放磊落な奇男子の面影は完全に消え失せていました。
嘘が真実へ!文字の獄と緑蕪の悲惨な身の上
廃人同様の第十三皇子を見かねた若曦は、彼と共に強い酒を煽ります。
そして、彼に緑蕪を諦めさせるため、一つの「物語」を語り始めました。
緑蕪は浙江烏程の出身。
かつて朝廷を揺るがした大思想弾圧「明史の案(明史の獄)」に連座し、一族が離散して妓女へと身を落とした重罪人の末裔である。
身分を偽っていた彼女は、愛する十三皇子に累が及ぶのを恐れて静かに去ったのだから、これ以上追ってはならないと。
それは第十三皇子を納得させるために若曦が捻り出した「優しい嘘」のはずでした。
しかし事実は小説より奇なり。
雍正帝が水面下で緑蕪の身元を徹底調査した結果、なんと若曦の作り話は寸分違わぬ「真実」だったのです。
彼女がひた隠しにしてきた凄絶な過去。第5話で知己の契りを結んだ彼女の高潔さは、絶望の底から這い上がった強さの裏返しでした。
拒絶する皇太后と、後宮の嫉妬
雍正帝の孤独は朝廷の外でも深まるばかりです。
彼は生母である徳妃を「皇太后」として正式に冊封しようとしますが、徳妃はこれを頑なに拒絶します。
第25話から続く、同母弟・第十四皇子(愛新覚羅・胤禵)の皇位を奪ったという疑念。
実の母から「聖旨の偽造」を責め立てられ、一切の面子を潰された雍正帝は深い鬱憤を抱え込みます。
行き場のない怒りと悲しみを抱えた彼は、若曦の元で酒を煽ります。
しかし、若曦の意図的な酒責めにあい、絶対権力者であるはずの雍正帝が酔い潰れてしまいました。
翌朝、目を覚ました彼が「年妃(年羹堯の妹)ら他の嬪妃の元へ行く」と告げると、若曦は途端に機嫌を損ねます。
皇帝の寵愛を独占できない後宮の現実。二人の間に微かな摩擦が生じた瞬間です。
皇后が語る真実!第20話の「雨の直訴」の裏側
不満を募らせる若曦の元へ、皇后(かつての四福晋)が静かに訪ねてきます。
賢良淑徳を体現する彼女は、若曦の嫉妬心を優しく包み込み、ある過去の真実を打ち明けました。
それは第20話での出来事。
若曦が第十三皇子と緑蕪のために、冷たい雨の降る紫禁城で三日三晩ひざまずき続けたあの凄絶な日々。
雍正帝(当時の第四皇子)は、密かに若曦をマントで庇っただけではありませんでした。
彼は自らの屋敷に戻った後も、若曦と同じように土砂降りの雨の中へ身をさらし、彼女の苦痛を共に耐え忍んでいたのです。
皇帝という絶対的な立場ゆえに妥協せざるを得ないこともあるが、彼の心の中には常に若曦がいる。
皇后の温かくも重い言葉に、若曦は己の狭量さを恥じ、彼の底知れぬ愛情の深さを思い知るのでした。
文字の獄の恐怖と皇后の完璧なる内助の功
今回、若曦の作り話から偶然にも真実と判明した「明史の案」。
これは清朝初期に実際に起きた大規模な「文字の獄(思想弾圧)」です。
満州族の支配に反抗するような内容の歴史書を書いたという理由で、著者だけでなく、印刷に関わった者、さらには本を買った者にまで処刑や流罪が及び、数千人が連座したとされる恐るべき事件。
緑蕪がこのような大罪人の末裔であったとすれば、親王に復権した第十三皇子の傍にいることは確かに致命的な政治的弱点となります。
彼女が川へ身を投げたのは、愛する男と娘・承歓(しょうかん)を守るための、究極の自己犠牲だったのです。
また、皇后(烏喇那拉氏)の立ち回りが見事の一言に尽きます。
夫が最も愛している女(若曦)の元へ自ら足を運び、夫の隠された美談を伝えて関係を修復させる。
これは並大抵の度量ではありません。
嫉妬に狂う後宮の女たちの中で、彼女だけが「一国の国母」としての圧倒的な品格を保っています。
雍正帝が彼女を深く信頼している理由がよく分かる、非常に重みのあるシーンです。
深まる雍正帝の孤独と若曦の覚悟
緑蕪の悲しすぎる真実と、それを酒の勢いで第十三皇子へ伝える若曦の辛さに胸が締め付けられる第27話でした。
10年もの間、冷たい養蜂夾道で光を与え続けてくれた人を失った第十三皇子。彼が再び立ち直る日が来るのでしょうか。
そして、第20話の雨のシーンの「裏側」が明かされた時のカタルシス!
冷面王と呼ばれ、感情を一切見せなかった彼が、自分の屋敷で雨に打たれて若曦と同じ苦しみを味わっていたとは。
この事実だけで、若曦が彼を選んだ価値があったと思わせてくれます。
次回、絶対君主としての道を突き進む雍正帝。
しかし朝廷には第八皇子や第九皇子ら「八爺党」の残党が未だに蠢いています。
若曦への愛が深まれば深まるほど、後宮と朝廷の火種は大きく燃え広がっていく。
紫禁城の血塗られた玉座の代償が、容赦なく彼らを追い詰めます!
つづく

