宿敵の手に落ちる形見と義妹の恐るべき裏切り
馬匪の砦に囚われた沈驪歌(しんりか)と彭城王は、息の合った連携で脱出を図ります。
しかし朝廷の裏では、陸遠(りくえん)が国家を揺るがす禁断の兵器玄鉄の密造を進めていました。
さらに、沈家への復讐に燃える沈楽清が陸遠(りくえん)と手を結び、劇毒の罠が沈驪歌(しんりか)に迫る衝撃の第8話です。
危機を切り抜える二人の絆と王府の激しい嵐
薪小屋からの決死の脱出と深まる二人の心理戦
馬匪の頭領である霍雲は、かつて高祖皇帝直属の精鋭黒甲軍に所属していた忠義の士でした。
しかし、現在の朝廷で陸遠(りくえん)が権勢を振るう歪んだ現実に絶望し、軍を離れて義賊となっていたのです。
正体不明のまま囚われた劉義康(りゅうぎこう)は、霍雲の腕にある黒甲軍の刺青に気づくものの、弁明の機会を与えられず薪小屋に監禁されます。
窮地を救ったのは、第7話で描かれたように劉義康(りゅうぎこう)に髪簪を奪われていた沈驪歌の機転でした。
沈驪歌は密かに隠し持っていた別の針金を用いて、手際よく薪小屋の錠前を解錠します。
自由の身となった彼女は、以前に奪われた大切な髪簪を劉義康の懐から容赦なく奪い返しました。
沈驪歌が撤退の目印を残す中、追っ手の気配を察知した劉義康は彼女の手を引いて疾走します。
合流した護衛の許詹たちの助けを借りて、二人は無事に馬匪の包囲網を脱出しました。
安全な場所へ着くと、劉義康は再び手を握ろうとしますが、沈驪歌はその視線を冷たく遮って手を引きます。
王府を襲う太妃の叱責と明かされる天石の秘密
王府では、月に一度の王妃との合寝の夜を偽装するため、曹参軍が身代わりとして寝所に隠れていました。
王妃の謝韞之は夫の不在を静かに隠蔽しますが、そこへ高圧的な孫太妃が突然乗り込んできます。
孫太妃は子供が産めない王妃を厳しく非難し、侍女の玉煙ともども罰しようと鞭を構えさせました。
絶体絶命の瞬間、変装を解いた劉義康が平然と姿を現し、理路整然とした口調で王妃の窮地を救います。
その後、劉義康は三宝を伴って書庫の蔵善閣へ向かい、武庫の古い奏疏を精査し始めました。
そこには、高祖皇帝が黔州で発見した神秘の天石を精錬して作る、無敵の兵器玄鉄の存在が記されていたのです。
しかし、その硬度を誇る鋼鉄の鍛造に関わった職人たちは、全員が謎の急死を遂げていました。
同じ頃、陸遠(りくえん)は鍛造所の工匠たちに十日以内の玄鉄完成を命じ、密道の封鎖を配下の薛逑に指示します。
用済みとなった職人たちを全員皆殺しにして、秘密を闇に葬ろうとする陸遠の冷酷な計画が動き出していました。
沈楽清の完全なる闇堕ちと手首に嵌められた劇毒の罠
安北将軍府の柴房に幽閉されていた沈楽清は、第6話での悪行を反省するふりをして沈夫人を欺きます。
沈夫人は監視を解いて実の娘のように諭しますが、沈楽清は自分が地方の商人の家へ嫁がされると知り激変しました。
沈家への感謝は激しい憎悪へと変わり、彼女は自ら陸遠の陣営へ投降することを決意します。
一方、沈驪歌が道中で紛失した大切な木蘭の玉釧は、馬匪を急襲した薛逑の手に渡っていました。
陸遠は沈家を滅ぼすため、その玉釧に触れた者を確実に死に至らしめる強力な劇毒を浸透させます。
沈楽清はこの毒の腕輪を沈驪歌へ戻す陰謀に加担し、かつての家族を破滅させる手先となりました。
同じ頃、王公の娘である王子衿(おうしきん)は、孫太妃が主催する宴の席で激しく泥酔した演技を披露します。
第7話で沈植への不変の愛を誓っていた彼女は、自らを夫を呪い殺す悪女と称して縁談を完全にぶち壊しました。
その夜、何も知らない沈夫人は、手元に戻ってきた木蘭の玉釧を嬉しそうに沈驪歌の手首へと嵌めてしまいます。
黒甲軍の誇りと禁断の魔剣魚尺剣が象徴する動乱の兆し
今回登場した黒甲軍は、かつて高祖皇帝と共に国を創り上げた伝説的な精鋭部隊です。
その誇り高き兵士たちが、現代では陸遠の私利私欲を満たすための非情な猟犬に成り下がっていました。
霍雲が軍を離脱して匪賊となった背景には、腐敗した朝廷への強い失望と、民を守るという本来の信念があります。
また、陸遠が血眼になって捜索している魚尺剣は、江東王との密約を証明する最重要のエンティティ。
この名剣の紛失は陸一族にとって致命的な失態であり、それゆえに陸遠は焦りを隠せません。
国家の禁忌である天石を用いた玄鉄の鍛造と合わせ、陸遠が大規模な軍事クーデターを企てているのは明白です。
迫り来る毒の脅威と裏切り者の狂気が導く破滅への序曲
沈驪歌と劉義康の薪小屋での軽妙な掛け合いから、一転して後半の毒殺プロットへの落差に息を呑みました。
王子衿(おうしきん)が機知に富んだ泥酔の演技で縁談を回避する爽快な場面の裏で、沈楽清の怨念が最悪の形で結実します。
阿奴の形見であるはずの玉釧が、陸遠の手によって恐ろしい暗殺兵器に変貌してしまった展開が非常に辛いです。
次回の第9話では、手首に劇毒の腕輪を嵌められた沈驪歌の身体に、絶望的な異変が起こることが予想されます。
陸遠の計画通りに沈家が欺君の罪と毒殺の汚名を着せられ、一挙に崩壊の危機を迎えてしまうのか。
命の危機に瀕した彼女を救うため、劉義康や陳少巽がどのように動き出すのか、緊迫の展開から目が離せません。
つづく

