霧深き終南山の密室殺人と、不気味なシンクロニシティの幕開け
終南山の山頂に佇む白澤廟へと逃げ込んだ盧凌風(ルー・リンフォン)一行。
そこで語られる奇妙な怪談は、あたかも現実の惨劇を予言しているかのように、滞在者たちを次々と死の深淵へと引きずり込みます。
長公主の放った刺客と金吾衛の暗闘、そして妖艶な宿泊客の登場により、古廟は血塗られた密室の罠へと変貌を遂げていくのです。
降魔の怪談が現実となる夜!色欲と裏切りが招いた古廟の惨劇
白澤山人が語る書生と女妖の怪異と、予言された来訪者
白澤山人が語り始めたのは、女妖に化けた化け物と、それに騙されるふりをした書生の精怪が騙し合い、最後は降魔師に調伏されるという狐鬼の異聞でした。
この物語に、金吾衛の陳和(チン・ホー)は小娘の容貌に邪悪な遐想を巡らせ、衛奇は首をすくめて怯えるなど、男たちはそれぞれ異なる反応を示します。
山人の妻・阿梓(アズ)が、西周の珍本だと主張する『白澤図』を売り出すと、蘇無名(スー・ウーミン)はその古書に強い興味を示しました。
本当に物語の書生と女がここに現れたら、それこそ異事だな
山人がそう笑った直後、廟の扉が開き、雨に濡れた石書生と妻の小嬌(ショウキョウ)が本当に宿を求めて現れたのです。
あまりの不気味な一致に一同は息を呑みますが、二人が生身の人間だと分かり安堵します。
しかし、小嬌の艶やかな容姿を目にした瞬間、好色な陳和の目にはねっとりとした色欲の炎が灯っていました。
【白澤山人の怪談と現実のシンクロ】
白澤山人の語る怪談:書生(精怪) & 美女(女妖) ── 降魔師に調伏される
▼(直後に現実として来訪)
実際の宿泊客:石書生 & 妻の小嬌 ── 陳和が色目を使い、密室の悲劇へ
蘇無名(スー・ウーミン)が喝破した耐重鬼の正体と、神獣白澤の歴史的因縁
宴の席で、蘇無名は物語に登場する二つの化け物の正体を、現世に戻るために身代わりを求める耐重鬼(たいじゅうき)であると断言します。
白澤の存在を未だ疑う蘇無名に対し、山人はかつて周の穆王が4頭の白澤に車を引かせて終南山を巡行し、邪祟を鎮めた伝説を語りました。
山人は白澤とて遠古の野獣に過ぎず、見られなければ廟を叩き壊していいと豪語し、蘇無名は『白澤図』を90文で買い取ります。
一方、別室では李奈児(リ・ナイジ)が、崖下へ転落した火晶の復讐を果たせない苛立ちから、盧凌風(ルー・リンフォン)に詰め寄っていました。
盧凌風は聖旨を奉じた任務中であるとして彼を宥めますが、西廂房へ戻る途中の丁恒と霍優を、李奈児が怒りに任せて急襲します。
激しい白兵戦の中、右金吾衛将軍の丁恒(テイ・コウ)が李奈児へ容赦ない殺意を向けた瞬間、盧凌風の剣がそれを遮りました。
丁恒は、裏で楊勖から蘇無名を暗殺せよとの密令を帯びており、この入山自体が二人を抹殺するための罠だったのです。
同じ頃、兵曹参軍の衛奇は白澤発見の功を焦り、一人で大雨の密林へと消え、そのまま非業の死を遂げてしまいました。
美人計の罠と陳和の謎の失踪、そして朝に届いた新たな死の報せ
夜更け、好色な陳和は酒壺を手に小嬌へ近づき、石書生が酔い潰れた隙に、彼女を抱きかかえて寝室へと連れ込みます。
深夜、静まり返った廟から密かに抜け出そうとする石書生と小嬌の前に、鋭い眼光を放つ盧凌風が立ちはだかりました。
盧凌風は二人が夫婦ではなく、旅人を色香で惑わして財物を盗む賊侶(ぞくじょ)であることを見抜いていたのです。
【美人計の罠と陳和の寝室】
石書生 & 小嬌(本性は泥棒コンビ) ── 陳和に薬を盛り、財宝を盗んで逃亡
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盧凌風が退路を断つ
奪われた金目のものは回収されましたが、薬を盛られたはずの陳和の寝室はもぬけの殻であり、彼は奇妙な失踪を遂げていました。
翌朝、さらなる激震が一行を襲い、部屋の中で案内人の霊吉(レイ・ジツ)が首を吊って死んでいるのが発見されます。
蘇無名による入念な検視の結果、外傷はなく自縊(首吊り自殺)と断定され、悲しむ李奈児のために一同は霊吉の墓標を立てました。
しかし、その静寂を切り裂いたのは、林の奥から聞こえた丁恒の凄絶な悲鳴でした。
盧凌風たちが声のした方へ駆けつけると、そこには首を無残に切断された陳和の凄惨な遺体が転がっていたのです。
密使・丁恒の暗殺作戦と『白澤図』が秘める図像学の罠(独自考察)
楊勖の陰謀と金吾衛四将の本当の任務
第5話で太上皇のクーデターを鎮圧し、天子の絶対的信任を得たはずの楊勖ですが、その腹の底は未だ見えません。
丁恒が盧凌風の制止に対して見せた冷酷な表情は、彼らが白澤の捜索ではなく、蘇無名と盧凌風の暗殺を目的に動いている証拠です。
第13話で、陸仝が喜君や櫻桃を引き離し、この怪しげな四将を無理やり同行させた人事の裏には、朝廷内の深刻な権力闘争が影を落としています。
霊吉の自殺と陳和の首なし死体の謎
一晩の間に起きた、案内人・霊吉の首吊り自殺と、金吾衛・陳和の斬首。
一見、賊侶の仕業に見えますが、ただのコソ泥である石書生たちに、金吾衛の将校を首なし死体にするほどの武芸があるとは到底思えません。
霊吉が死に際に残した木牌の謎、そして陳和が寝室から消えて林の中で発見された移動のプロセス。
これは、白澤山人を名乗る老夫婦、あるいは密林に潜む第3の勢力が、怪談の耐重鬼になぞらえて実行した、見立て殺人の可能性が極めて高いです。
息詰まる密室サスペンスと、次なる怪異への強烈な引き(感想)
前回の絶壁アクションから一転し、今回は古廟という閉ざされた空間での極上の一幕物サスペンスを堪能しました。
白澤山人が語る怪談の内容が、そのまま現実の登場人物(石書生たち)とリンクしていく演出は、背筋が凍るほどの恐怖感があります。
蘇無名がわずか90文で手に入れた『白澤図』の古書の中に、この連続殺人を解き明かす致命的な手がかりが隠されているのは間違いありません。
しかし、衛奇に続き陳和までが命を落とし、金吾衛四将のパワーバランスは完全に崩壊しました。
次回、激怒した丁恒たちが李奈児や蘇無名に刃を向けるのか、それとも霧の奥から本物の神獣白澤が姿を現すのでしょうか。
誰が味方で誰が敵か分からない終南山の極限状態の中で、二人の名探偵が挑む命懸けの謎解きから、一瞬たりとも目が離せません。
つづく

