奇妙な誘拐事件の裏に潜む真実と抑圧された愛憎の暴走

平康坊の元花魁・紅薬の失踪を巡る事件は、驚くべき偽装工作の露見によって急展開を迎えます。

刺客の襲撃から始まった捜査は、名探偵たちの鋭い観察眼により、嫉妬に狂った夫の裏の顔を炙り出しました。

さらに、事件の鍵を握る薬園では、大唐の権力を根底から揺るがしかねない主従逆転の恐るべき秘密が静かに脈打っています。

暴かれた二つの顔と公堂で激突する情念の嵐

刺客の襲撃と裴喜君(ペイ・シージュン)の筆が暴いた老猫の正体

絹織物店に大鎌を構えた刺客の虎神通(コシントウ)が乱入し、店主の銭正に襲いかかります。

間一髪のところで褚櫻桃(チュ・インタオ)(チュー・インタオ)が参戦して銭正を救い、二人を雍州府の公堂へと連行しました。

頑なに雇い主を明かさない虎神通に対し、蘇無名(スー・ウーミン)は鬼市から永久追放すると冷酷に脅しをかけます。

【雇い主老猫を巡る捜査の混乱】

虎神通の供述:殺人を依頼してきたのは老猫という男

銭正の供述:自分に偽装を頼んできたのも老猫

⚠️ 双方の語る老猫の人相特徴が全く一致しない

二人が語る雇い主の特徴があまりにも矛盾しているため、捜査は一時暗礁に乗り上げるかに見えました。

しかし、二人の人相書きを細かく観察していた裴喜君(ペイ・シージュン)(ペイ・シージュン)が、変装の癖を見抜いて新たな絵を完成させます。

その絵を見た薛環(シュエ・ホァン)がこれは孟不疑(モウ・フギ)だ!と叫び、彼が一人二役で事件を自作自演していた事実が浮き彫りになりました。

薬園の緊迫した逢瀬と費鶏師(フェイ・ジーシー)の圧倒的な酒戦

その頃、疑惑の夫である孟不疑は、紅薬の情郎である顏君羡(ガン・クンセン)の薬園へと単身で乗り込んでいました。

孟不疑はなぜ昔、彼女を平康坊から救い出さなかったのかと激しい嫉妬の言葉を顏君羡に突きつけます。

顏君羡が真実を語ろうとした瞬間、下男の明石(メイセク)が不気味な笑みを浮かべて茶を運んできたため、彼は出世のために紅薬を捨てたと嘘をつくしかありませんでした。

【戶部令使・孟不疑を巡るアリバイ崩し】

孟不疑の主張事件の夜は、户部の老書吏と一緒にいた

└── 蘇無名(スー・ウーミン)が老書吏を六合酥山店へ招待

└── 費鶏師(フェイ・ジーシー)が特製の酒で老書吏と酒量を競う

└── 老書吏が数壺で泥酔し、当夜の記憶が曖昧だったことが立証される

帰路についた孟不疑は薛環(シュエ・ホァン)によって拘束され、公堂で刺客たちと対面させられるものの、老書吏(ろうしょり)のアリバイを盾に拒否平戦を決め込みます。

蘇無名は彼の嘘を暴くため、第17話で大繁盛している六合酥山店へと老書吏を連れ出し、費鶏師と酒戦を繰り広げさせました。

老書吏がわずか数壺で泥酔して眠りこけたことで、孟不疑のアリバイは完全に崩壊し、彼の知怪小説家としての卓越した知略が裏目に出る結果となります。

主従逆転の薬園と公堂に響き渡る鳴冤鼓の音

盧凌風(ルー・リンフォン)が吏部で顏君羡の素性を調べる間、薬園ではおぞましい力関係が露わになっていました。

下男に変装していた明石こそが、官僚である顏君羡を影から操る真の主人だったのです。

明石は顏君羡に対し、天子に天麻を献上して取り入るよう命じ、従わなければ高官の地位など一瞬で剥奪すると冷酷に言い放ちました。

お前が丞相になれば、薬種商人の私が長安の権力を握ることになる

明石の傲慢な態度に怒った他の下男たちが明石を袋叩きにする中、顏君羡はあえて暴行が終わるのを待ってから制止の声をかけます。

顏君羡は忠実な下僕を演じながら故郷へ帰ろうと提案しますが、紅薬との平穏な未来を望む彼の願いは明石によって無残に打ち砕かれました。

直後、盧凌風(ルー・リンフォン)が薬園へ踏み込み、怯えを隠せない顏君羡の身柄を確保して雍州府へと連行します。

公堂に入った瞬間、外から激しい鳴冤鼓(めいえんこ)の音が響き渡り、なんと孟不疑が自ら原告として乱入してきました。

追い詰められた顏君羡がすべてを白状した瞬間、怒り狂った孟不疑が彼の首を絞め上げ、公堂は凄絶な修羅場へと化すのでした。

家奴水鶏の悲劇と大唐の医療利権を狙う薬種商人の計略

官僚を操る傀儡術と水鶏と呼ばれた過去の因縁

明石が顏君羡を脅迫する際に口にした水鶏(すいけい)という言葉は、二人の間に存在する絶対的な階級社会の闇を表しています。

顏君羡はかつて明石の家の卑しい家奴(奴婢)であり、何らかの不正、あるいは明石の財力によって現在の官職を買い与えられた可能性が極めて高いです。

大唐律法において、奴婢の身分を隠して官僚になることは死罪に値する重罪であり、顏君羡はその致命的な弱みを握られて操り人形と化していました。

天麻献上に隠された巨大な朝廷利権

明石が執着する天麻(てんま)とは、頭痛や眩暈に絶大な効果を持つ実在の貴重な漢方薬です。

第1話で天子が健康維持のために赤箭粉(天麻の別名)を愛用している描写があり、明石の計略はこの天子の嗜好に完璧に照準を合わせていました。

一介の薬種商人が朝廷の最高権力を掌握しようとするこの計画は、第5話の軍事クーデターとは異なる、医療と利権を用いた静かなる国家転覆の罠と言えます。

愛欲の暴走と地下に潜む真犯人の影

自らのプライドを守るために変装を繰り返し、刺客まで雇って妻の不貞を暴こうとした孟不疑の狂気には背筋が凍るような恐怖を覚えました。

公堂で顏君羡の首を猛烈に締め上げるシーンの泥臭い感情のぶつかり合いは、人間の持つ生々しい嫉妬心が実に見事に描写されています。

しかし、これほどの大騒動が起きているにもかかわらず、肝心のヒロイン・紅薬の行方は未だに分かっていません。

顏君羡が紅薬が消えたと明石に詰め寄っていたシーンから、彼女の失踪には明石が直接関与していることは間違いありません。

次回、盧凌風の圧倒的な審問と、蘇無名の鋭い洞察力が、薬園の地下に隠された明石の真の陰謀をどのようにして暴き出すのでしょうか。

権力を巡る男たちのエゴの犠牲となった紅薬を救い出せるのか、緊迫の次号から一瞬たりとも目が離せません。

つづく