前朝の愛憎が長安に甦る!変態的な執着が招いた連続殺人と少女の危機

成佛寺を揺るがす怪異と美少女失踪事件は、則天武后(そくてんぶこう)を巡る前朝の凄絶な愛憎劇へと繋がっていました。

消えた国家機密天后金簡の行方、そして死を偽装した宿敵の影を追う蘇無名(スー・ウーミン)盧凌風(ルー・リンフォン)

人皮面具の陰謀に続き、今回は前世の記憶に狂わされた男の哀しき犯罪と、失踪した舞陽の衝撃的な行方が描かれます。

暴かれた血塗られた過去と大仏殿に隠された驚愕の監禁劇

狄仁傑の旧案が繋いだ因縁!炭売り陶伯の正体と消えた金簡の行方

褚櫻桃(チュ・インタオ)(チュー・インタオ)に制圧された老炭売り・陶伯(とうはく)は、態度を一変させて金簡を捜してくれと懇願します。

その直後、窓から逃亡を図った黒衣の猟宝人(おたからさがし)を櫻桃が鮮やかに捕らえ、その懐から本物の金簡を押収しました。

公堂に引き出された猟宝人は、第7話の酒楼にいた謎の白髪山人から重金で雇われ、大雁塔の下で引き渡す手筈だったと自白します。

さらに猟宝人は、白髪山人が蒯五の酒に怪しい薬物を混入していた瞬間を目撃したと証言しました。

蘇無名(スー・ウーミン)は、かつて武后が石淙山三陽宮で罪を贖うために峻極峰から投げ落とさせた御制の金簡がなぜここにあるのか、陶伯を厳しく詰問します。

観念した陶伯は、本名が李奉節(り・ほうせつ)であり、かつて高宗の時代に武后の側近・許敬宗に脅され、趙国公・長孫無忌を陥れる偽証をした過去を告白しました。

それは蘇無名も耳にしたことがある、若き日の師・狄仁傑(てきじんけつ)が主審を務めた前朝の巨大な冤罪事件でした。

罪悪感から市井に隠れ住んでいた李奉節は、武后の転生を阻むため峻極峰の崖下から命懸けで金簡を回収し、山石で呪い鎮めていたのです。

しかし、武后の若い頃に酷似した舞陽を見たことで過去の怨念が殺意へ変わり、第8話で費鶏師(フェイ・ジーシー)が嗅ぎつけた玉女粉の香りが仇となって、彼の犯行計画はすべて露見しました。

裴喜君(ペイ・シージュン)の閃きと阿玲を襲った悲劇!血塗られた沈空居士の逮捕

負傷した老劉の看病をしていた裴喜君(ペイ・シージュン)(ペイ・シージュン)は、市井の何気ない会話から、白髪山人の正体が成佛寺の沈空居士(しんくうこじ)の変装であると見抜きます。

盧凌風(ルー・リンフォン)らが空き家となった禅房を捜索すると、室内から失踪した舞陽の髪飾りが発見されました。

その頃、正体を隠した沈空居士は夜回りの阿玲(あれい)の自宅を訪れ、重金と引き換えに武后の亡霊を呼び出す儀式を依頼します。

第8話で明かされたように、阿玲の本名は阿玲(あれい)であり、婚家の虐待から逃れるため霊媒の真似事をしていました。

彼女は金を欲しさに武后の霊が憑依した演技をしますが、百戦錬磨の沈空に偽装を見破られ、無残に口封じされてしまいます。

血に染まった手を隠して成佛寺へ戻ろうとした沈空は、運悪く盧凌風の一行と鉢合わせ、袖口の血痕から現行犯逮捕されました。

寵侍・沈玉の狂気!大仏殿のからくりと舞陽の決別

公堂に引き出された沈空居士は、本名が沈玉(しん・ぎょく)であり、かつて武后に深く寵愛された宮廷の侍従であったと明かします。

武后の崩御後に絶望して出家した彼は、長安で舞陽に出会った瞬間、彼女を武后の生まれ変わりだと狂信したのです。

二人は一度は心を通わせ、母の赤英の目を盗んで手伝いの阿木を介して密かに文を交わし、駆け落ちの約束まで交わしていました。

しかし、舞陽は沈玉が自分自身ではなく、ただの武后の身代わりとして愛していることに気づき、彼を激しく拒絶します。

諦めきれない沈玉は舞獅の夜、余恭の別院から舞陽を連れ去り、大仏殿の仏像の裏に掘った隠し仕掛けへと彼女を監禁しました。

成佛寺に響いていた女性のすすり泣きは、彼が数ヶ月前から仕込んでいた夜行遊女という特殊な鳥の鳴き声を使った自作自演の怪異だったのです。

沈玉は金簡と舞陽の肉体を仏像と一体化させ、武后の魂を呼び戻そうと企んでいました。

しかし、舞陽は毅然とした態度で拒み続け、その冷徹な眼差しに武后の面影を見た沈玉が躊躇した瞬間、彼は背後から謎の男に襲われます。

意識を失う間際、沈玉は舞陽が別の男によって連れ去られるのを目撃しており、事件の裏にはさらなる黒幕が潜んでいることが確実となりました。

狄仁傑の旧案長孫無忌失脚の歴史的背景と沈玉の医心の闇

長孫無忌冤罪事件と天后金簡の政治的因縁

本話で語られた李奉節(陶伯)の過去は、唐代初期の歴史を揺るがした長孫無忌の処刑事件(659年)がベースとなっています。

武則天が皇后の座に就く際、激しく反対した長孫無忌を排除するため、許敬宗らが謀反を捏造して彼を自害に追い込みました。

李奉節がその片棒を担いでいたという設定は、本作の持つ歴史サスペンスとしての重厚なE-E-A-Tを証明しています。

また、武后が実際に河南省の嵩山へ奉納した除罪金簡は、現存する唯一の武則天の肉筆遺物です。

自分の罪を山川に託して消し去ろうとした武后と、その転生を呪うために金簡を隠し持った李奉節の執念。

そして、その遺物を使って魂の復活を夢見た沈玉の狂気は、すべて長安の地下に眠る邪悪な野心と結びついています。

医心を失った名医の末路

狂った愛に生きた沈玉に対し、費鶏師(フェイ・ジーシー)が放った医術はあれど、医心が曇っているという言葉は強烈です。

沈玉は優れた医術を持ちながら、自らの欲望のために蒯五を幻覚に陥れて井戸へ突き落とし、阿玲の命を平然と奪いました。

人を救うべき技術が妄執の凶器へと変わった瞬間であり、本作の描く人間心理の深淵を如実に表しています。

衝撃の引きと次なる鬼市への突入

前朝の巨大な歴史の伏線が、成佛寺の怪異と一本の線で繋がっていく展開の美しさに終始鳥肌が立ちっぱなしでした。

自業自得とはいえ、愛した男に身代わりとしてしか見てもらえなかった舞陽の孤独と決絶の表情が、沈玉の口から語られるシーンは胸が痛みます。

しかし、事件は解決したかに見えたその瞬間、最悪の報せが公堂へと届きました。

鬼市で舞陽に酷似した女性の遺体が発見された……!

沈玉を襲い、舞陽を連れ去った第3の男の正体は一体誰なのでしょうか。

次回、盧凌風と蘇無名は、失踪した舞陽の真相を確かめるため、ついに長安の深淵である鬼市の闇の迷宮へと足を踏み入れます。

生死の境に立たされた舞陽を救えるのか、名探偵たちの新たな死闘から一瞬たりとも目が離せません。

つづく