駱城に仕掛けられた死の罠と、桃花の孤独な愛(第28話の概要)

大祁の次期皇帝候補として四殿下・穆無瑕(ムー・ウーシア)が頭角を現す中、北苑の黒幕・郘元華(りょげんか)が三人を一網打尽にする最凶の罠を発動させます。人質である弟・姜長玦(ジャン・チャンジュエ)の「切断された指」を受け取った姜桃花(ジャン・タオホア)は、最愛の左相・沈在野(シェン・ザイイエ)を巻き込まないため、ついに記憶回復の真実を告白。愛する者を突き放し、単身で死地・駱城へと向かう桃花の悲壮な決意が胸を打つエピソードです。

北苑・郘元華の殺意と、交差する駱城への道(詳細あらすじ)

祁王の帝王学と、穆無垠(ムー・ウーイン)が操る流寇の罠

朝堂では、穆無瑕が寒門の学子・李典(リー・ディエン)を科挙の状元に選出したことが高く評価されていました。 ※第24話で沈在野が仕掛けた「天下の学子を甲冑とする」計略が見事に実を結び、世襲制に風穴を開けた瞬間です。 祁王は穆無瑕の才を認めつつも、君主としての「殺伐果断(決断力と冷酷さ)」が不足していると懸念。蘭王妃の助言もあり、彼にさらなる試練を与えることを決意します。

一方、科挙から退いた三殿下・穆無垠は、北苑の黒幕・郘元華へ密書を送り続けていました。沈在野が「宮女・阿華(あか)」の過去を徹底的に探っているという報告は、郘元華の逆鱗に触れます。 ※第27話で沈在野が掴んだ「阿華」の正体こそが、郘元華の最大の急所(エンティティ)なのです。 激怒した郘元華は、沈在野、穆無瑕、そして姜桃花の三人を北苑国境の「駱城」へ誘い出し、一網打尽にする殲滅計画を立案。配下の細作を大祁の流寇(盗賊)に偽装させ、わざと辺境を荒らして穆無瑕の軍を誘い出します。さらに、北苑の軍営に囚われている桃花の弟・姜長玦を最悪の餌として利用するよう命じました。

切断された弟の指!記憶回復の告白と沈在野の愛

北苑の軍営を突き止めた侍女・青苔(チンタイ)でしたが、厳重な監視により姜長玦へ接触できずにいました。長玦は過酷な労働を強いられる労工たちを庇ったことで統領・鄧嘯(ドン・シャオ)の怒りを買い、郘元華の冷酷な命令により、生きたまま指を一本切り落とされてしまいます。

その切断された血まみれの指は、穆無垠の手から桃花へ渡されました。桃花は指に残された古い火傷の痕を見て、それが間違いなく弟のものだと確信し絶望します。 ※第21話で語られた、冷宮時代に熱湯を浴びせられるなどの凄惨な虐待を受けていた際、幼い弟が負った火傷の痕(伏線)がここで残酷に回収されます。 穆無垠は「軍規違反で処刑される。お前一人では無力だから沈在野を連れて行け」と冷笑しました。桃花は瞬時に、敵の真の標的が沈在野の命であると看破。彼を死地に巻き込まないため、屋敷を飛び出して単騎で北苑へ向かいます。

しかし、沈在野は異変を察知し、凄まじい執念で桃花に追いつきました。同行を拒む桃花は、彼を遠ざけるため最後の手段に出ます。 「私は大祁での記憶をすべて取り戻しているわ。でもあなたといると苦痛しか感じないの!」 偽りの記憶喪失を自ら暴露し、冷たい言葉で心を抉ろうとする桃花。しかし沈在野は微塵も揺るぎません。「君の弟は、私にとっても兄弟だ。どんな荊棘の道でも私が切り開く。どうか私を信じてくれ」。絶対に手を離そうとしない沈在野の強靭な愛の前に、桃花は同行を拒む言葉を失いました。

駱城への決死行!向清影(シャン・チンイン)の同行と桃花の置き去り

大祁の都では、穆無垠が祁王へ怪しげな丹薬を献上しつつ、「四殿下は文才に長けるが武力に劣る」と巧妙に吹き込んでいました。祁王は穆無瑕に流寇平定の命を下します。妹の向清影は反対を押し切り、一般兵士の甲冑に男装して穆無瑕の軍へ潜り込みました。 流寇が北苑方向へ逃走したとの知らせを受け、穆無瑕の軍は死の罠が待ち受ける「駱城」へと進軍を開始。穆無垠はその様子を冷酷に見送り、伝書鳩を夜空へ放ちました。

駱城へ近づく道中、沈在野と桃花は野営の休息を取ります。沈在野は「長玦は必ず無事に救い出す」と桃花の凍える手を握り慰めました。しかし、桃花の決意は変わりません。沈在野が薪を拾いに森へ入った一瞬の隙を突き、桃花は彼をその場に残し、二頭の馬を奪って単身で駱城へ突入します。 駱城の城門をくぐった桃花の背後には、すでに郘元華の刺客たちの冷たい視線が張り付いていました。時を同じくして、軍営から姜長玦が忽然と姿を消し、青苔と湛盧(タンロ)が血眼で行方を追う事態へと発展します。

独自考察:祁王が穆無瑕を戦場へ送った真意と「帝王の誤算」

今回、祁王が穆無垠の丹薬によって判断力を奪われているように見えますが、穆無瑕を流寇平定へ送った采配には、君主としての高度な政治的思惑が隠されています。

祁王は表面上は穆無瑕を危険な前線へ送ったように装いながら、裏では歴戦の将軍・董朗(ドン・ラン)へ密書を渡し、実質的な軍の指揮と穆無瑕の護衛を命じていました。祁王の真の狙いは、穆無瑕に安全な状態で「軍功」を積ませ、文武両道の完璧な次期皇帝として朝堂の世家(貴族)に認めさせることだったのです。 しかし、この帝王の親心こそが、郘元華と穆無垠が仕掛けた「駱城の罠」に大祁の未来を自ら送り込むという致命的な誤算を引き起こしました。権力を操り切っていると過信した祁王の盲点を突く、北苑の恐るべき策謀が際立つ展開です。

愛する者を守るための嘘!第28話の感想と次回の見どころ

第28話は、姜桃花と沈在野の不器用で狂おしいほどの愛の形に涙が止まりません!弟の指を切り落とされるという極限のショックを受けながらも、瞬時に「沈在野が狙われている」と看破する桃花の頭の回転の速さ。そして、記憶が戻っていることを告白してまで彼を遠ざけようとする自己犠牲の精神。薪拾いの隙に馬を二頭とも奪って逃げる容赦のなさは、沈在野を絶対に死地に送らないという彼女の強烈な愛の証明です。

一方の沈在野も、「君の弟は私の兄弟だ」と何の迷いもなく断言する男らしさが最高です。置いてけぼりを食らった左相が、ここからどうやって駱城へ巻き返すのかが見ものです。 四殿下・穆無瑕の軍、男装した向清影、そして行方不明となった姜長玦。すべての人物が北苑の罠が張られた駱城へと集結していきます。死地へ足を踏み入れた桃花を待つ過酷な運命とは。怒涛の展開が押し寄せる第29話、絶対に目が離せません!

つづく