死の街に仕掛けられた硝石と、天灯の合図!(第29話の概要)
北苑の黒幕・郘元華が仕掛けた死の罠が待ち受ける辺境の街駱城(らくじょう)。姜桃花は前朝の御史の助けを借り、ついに最愛の弟・姜長玦との涙の再会を果たします。しかし、街全体を吹き飛ばす大量の爆薬(硝石)が運び込まれていることが発覚。命懸けで駆けつけた沈在野と共に、駱城の民を救うための死闘が始まります。夜空に浮かぶ無数の天灯(ランタン)が、破滅の合図となる緊迫のエピソードです。
再会と爆破のカウントダウン!すれ違う愛憎の果てに
四殿下・穆無瑕の葛藤と、沈在野の執念
駱城へ到着した四殿下・穆無瑕の軍は、守将・董朗と激しく対立していました。
董朗は祁王からの密命(※第28話で明かされた、無瑕に安全な軍功を積ませるという帝王の思惑)に従い、民の犠牲を無視して流寇を撃退することだけを優先します。しかし、法治と民の安寧を重んじる穆無瑕は、己の出世よりも民の命が重いと激怒し、自ら兵を率いて流寇討伐と民の救出へ向かいました。
一方、二頭の馬を奪われて置き去りにされたはずの沈在野は、脅威の執念で駱城へ到達。護衛の湛盧が残した暗号を頼りに、彼らと合流を果たします。
沈在野は姜長玦を囮にして桃花を誘い出し、自分を暗殺するという郘元華の真の狙いを完全に読み切っていましたが、刺客が一向に姿を現さない事態に不気味な違和感を覚えていました。
姜長玦との再会と、夜香(屎尿)に隠された硝石
桃花と侍女・青苔は、前朝の御史・劉倹安(リウ・ジエンアン)の屋敷を訪ねます。
劉倹安の匿いにより、ついに姿を現した姜長玦。成長した弟の姿を見た桃花は言葉を失い、二人は抱き合って慟哭します。冷宮で震えていた幼い日の記憶が蘇る、奇跡の再会でした。
しかし感動の瞬間、窓の外から暗殺者の凶矢が長玦を狙います。間一髪で駆けつけた沈在野と湛盧が矢を叩き落とし、桃花が投げ渡した弓を受け取った沈在野が反撃の矢を放って刺客を撃退しました。
これがあなたの命を狙う郘后の罠だと分かっているのになぜ来たの!と責める桃花。沈在野はすべて承知の上だと静かに微笑み返します。
街へ出た一行は、不自然な動きをする夜香(屎尿)を運ぶ人足に遭遇。彼らを捕らえて樽の中を確認すると、中には大量の硝石(爆薬)が隠されていました。郘元華の真の狙いは、沈在野や桃花だけでなく、穆無瑕の軍と駱城の民を丸ごと爆破して灰にするという、悪魔のような大量虐杀計画だったのです。
桃花は沈在野に大祁へ逃げるよう懇願しますが、彼は罪なき民を見捨てることはできないと残留を決意。長玦は統領の鄧嘯に街の避難を直訴しますが、鄧嘯は彼の言葉を信じず拒絶しました。
穆無垠の来訪と、夜空の天灯が示す死の合図
駱城の暗がりに潜み、爆破の指揮を執る郘元華。そこへ突然、大祁にいるはずの三殿下・穆無垠が姿を現しました。
共に天灯節(ランタン祭り)を過ごしたいとすがる穆無垠に対し、郘元華は余計なことをして計画を邪魔するなと冷たく突き放します。
祁王を丹薬で支配していると豪語し、爆破の合図を見せようと手を伸ばす穆無垠でしたが、郘元華はその手を無情にも振り払いました。二人の間に横たわる、狂信的な愛と冷酷な利用価値の歪な関係が浮き彫りになります。
同じ夜空の下、穆無瑕へ想いを寄せる向清影が一生の歓びを願い、孔明灯(天灯)を空へ放ちました。
一方、硝石の設置場所を次々と潰していく沈在野と桃花。彼らが斬り捨てた暗殺者が、死の直前まで夜空を凝視していたことに桃花が気づきます。
空を……合図を待っているのよ!
桃花の叫びを聞いた瞬間、沈在野の脳裏に、夜空を埋め尽くす天灯の光景が閃きました。
独自考察:夜香(屎尿)に爆薬を隠す巧妙さと、郘元華の冷血さ
今回、郘元華が硝石を夜香(屎尿)の樽に隠して搬入した手口は、非常に現実的かつ巧妙な軍略です。
屎尿を運ぶ人足は日常的に街を出入りしており、誰もその異臭のする樽の中身を改めようとはしません。さらに屎尿からは硝石の原料(硝酸アンモニウム)が抽出できるため、言い訳にも使いやすいという利点があります。
この作戦の恐ろしい点は、敵対する大祁の軍(穆無瑕)や沈在野だけでなく、自国(北苑)の領土である駱城の民草ごと吹き飛ばそうとしている点です。権力のためなら自国民の大量虐杀すら辞さない郘元華の異常な冷血さは、民を救おうと奮闘する四殿下や沈在野の姿と強烈な対比を描いています。穆無垠が彼女に惹かれるのも、この底知れぬ残虐な絶対的権力への憧憬があるからなのかもしれません。
涙の再会から極限のサバイバルへ!第29話の感想と次回の見どころ
第29話は、前半の姜長玦との涙の再会でハンカチを濡らし、後半の爆弾テロ阻止で手に汗握る、感情の起伏が激しすぎるエピソードでした!
成長した弟を前に泣き崩れる桃花の姿。そして、絶体絶命の危機に颯爽と現れる沈在野の格好良さ!桃花が投げた弓を空中で受け取って射ち返す夫婦のコンビネーション技には痺れました。
しかし、事態は最悪の方向へ。何千もの民を巻き込む爆破計画のスイッチが、ロマンチックなはずの天灯の炎に託されていました。
向清影が恋心から放った天灯が、皮肉にも大虐杀の引き金となってしまうのか。街中に仕掛けられた導火線を、沈在野と桃花は時間内に断ち切ることができるのか?極限の頭脳戦とサバイバルアクションが展開する第30話から、一瞬たりとも目が離せません!
つづく


