北苑王の遺詔と、愛する者の痛みを分かち合う究極の愛(第35話の概要)
北苑の玉座を巡る最終決戦が本格化!国師・千墨塵が姜桃花に仕掛けた究極の心理テストと、己の命を投げ打つ恩情。そして未完成の解毒薬を作るため、自ら猛毒・絳逃丹(こうとうたん)を飲み干す左相・沈在野の狂おしいほどの愛が描かれます。囚われた千墨塵を救うための頭脳戦と、弟・姜長玦の王位継承が交差する感涙必至のエピソードです。
千墨塵の試練と、冷宮へと繋がる密道
遺詔か命か!千墨塵が仕掛けた究極の二択
※第34話で遺詔の存在を明かした国師・千墨塵。
彼は姜長玦が都へ戻った直後、病床の北苑王を脅迫して遺詔を書かせ、二つ目の遺詔を作らせないよう玉璽(皇帝の印)の一角を意図的に破壊していました。
千墨塵は桃花を密室へ案内し、ある試練を与えます。火鉢の上に吊るされた遺詔。その糸の先は、捕らえられた老婦人の体に繋がれていました。
遺詔を取ればこの老婦人は死ぬ。老婦人を救えば遺詔は燃える
千墨塵は命の短い老婆など救う価値はないと唆しますが、桃花は迷わず老婦人を救い出しました。遺詔がなくとも、弟を必ず王座に就かせてみせる。その確固たる決意と失われていない善良さを見た千墨塵は、安堵の笑みを浮かべて本物の遺詔を彼女に手渡します。
しかし、玉璽の破損に気づいた郘元華の追手が屋敷を急襲。合流した沈在野と共に第一波を退けますが、家族を人質に取られている千墨塵は一人屋敷に残ることを決意し、桃花たちを密道から逃がしました。
密道の先の冷宮と、絳逃丹(こうとうたん)の製作者・梅翎(メイ・リン)
密道を抜けた先は、かつて桃花と長玦が幽閉され、数々の虐待を受けた『冷宮』でした。
※第21話などで語られた過酷な記憶が残る場所(コールバック)。
なぜこんな密道を作りながら自分たちを助けなかったのかと憤る桃花に対し、千墨塵の腹心・安楚(アン・チュー)が衝撃の真実を告げます。
かつて千墨塵が桃花に猛毒・絳逃丹を飲ませたのは、彼女を大祁への和親の道具として利用価値を持たせ、郘元華の殺意から生き延びさせるための苦肉の策でした。千墨塵自身も、この毒に解薬がないとは知らなかったのです。
そして、桃花が密室で命を救った老婦人。彼女こそが絳逃丹の製作者・梅翎(メイ・リン)でした。命を救われた恩義から解薬の精製を約束する梅翎ですが、代替不可能な熒惑(けいこく)という薬草が不足しており、危険な試薬が必要だと言い渡します。
私が試薬を引き受ける
沈在野は躊躇いなく自ら猛毒を飲み干しました。発作が起き、激痛に胸を掻き毟りながら吐血する沈在野。
彼はその壮絶な痛みの中で、桃花は毎回、これほどの地獄の苦しみに耐えながら自分に接していたのかと気づき、愛する妻への痛切な思いに涙を流しました。
偽物の千墨塵と、沈在野が仕掛ける救出作戦
岳中丞の護衛・胡雲(フー・ユン)の助けを得て、桃花はついに姜長玦と合流します。桃花は本物の遺詔を長玦に手渡し、彼を北苑の正統な王として跪き拝命しました。
一方、郘元華は千墨塵に過酷な拷問を加え、三日後に斬首すると布告して長玦をおびき出そうと企みます。安楚は千墨塵様自身も絳逃丹に冒されており命は長くない。絶対に助けに来るなと仰っていたと涙ながらに止めますが、桃花は恩人を救う決意を固めます。
沈在野はこれが罠だと見抜き、胡雲を牢番に変装させて潜入させました。報告を受けた桃花は、牢獄で食事をしていた囚人が右手を使っていたことに気づきます。千墨塵は左利き。牢獄にいるのは偽物だと断定した沈在野は、本物の隠し場所を炙り出すための巧妙な計略を立案します。
翌日。救出作戦を前に、沈在野は自らの体を張った試薬を続けていました。
護衛の湛盧は命の危険を訴えますが、沈在野は郘元華が熒惑の草を持っていない以上、私が試薬を繰り返すことでしか解薬は完成しないと己を痛めつけ続けます。窓越しにその血を吐く姿を見た桃花は、郘元華への尽きせぬ殺意と復讐を誓うのでした。
独自考察:千墨塵の罪悪感と、沈在野の痛みの共有
今回、物語の裏で暗躍していた国師・千墨塵の複雑な立ち位置が完全に解明されました。
彼が桃花に毒を飲ませたのは生かすための手段でしたが、結果的に彼女に消えない地獄の苦しみを与えてしまいました。密室で老婆の命を救うかどうかのテストは、過酷な運命を強いた自分が、彼女の心を悪鬼に変えてしまっていないかを確認するための、彼なりの贖罪の儀式だったのでしょう。彼自身も同じ毒に冒されているという事実が、その業の深さを物語っています。
そして、最も心を打つのが沈在野の試薬です。
解薬を作るためという名目ですが、彼の本当の動機は桃花が一人で耐えてきた絶望的な痛みを、自分の肉体で共有したいという強烈な愛情と悔恨です。権力闘争の鬼だった左相が、血を吐きながら愛する女の苦しみを噛み締める姿。自己犠牲を極めたこの行動こそが、彼が桃花に捧げる最大の懺悔と誓いなのです。
血を吐く献身!第35話の感想と次回の見どころ
第35話は、千墨塵の隠された真実と、沈在野の狂おしいほどの自己犠牲に涙腺が崩壊する神回でした!
特に沈在野が毒を飲み、そのあまりの痛みに驚きながら君はいつもこんな思いをしていたのかと涙するシーンは、中国ドラマ史に残る名場面と言っても過言ではありません。窓の外でそれを見つめる桃花の切ない表情にも胸が締め付けられます。
ついに姜長玦が遺詔を手にし、王としての反撃準備が整いました。しかし相手は狡猾な仮面の女帝・郘元華。牢獄の偽物を完全に見破った沈在野は、どのようにして本物の千墨塵を救い出すのでしょうか?毒に蝕まれる命のタイムリミットが迫る中、北苑の玉座を懸けた壮絶な知略戦が展開する第36話、絶対に目が離せません!
つづく


