人工呼吸で蘇る記憶と、天才学子の悲劇(第23話の概要)
絶体絶命の乱葬崗(らんそうこう)から救出された姜桃花が、ついにすべての記憶を取り戻します!しかし、北苑の黒幕・郘元華(りょげんか)の陰謀を暴くため、最愛の左相・沈在野にすら記憶回復を隠し通す切ない選択を下しました。一方、朝廷では寒門の天才・李郊寒が孟家の毒牙に掛かり非業の死を遂げます。亡き父の悲願である科挙復活のため、沈在野が血塗られた策を弄する激動のエピソードです。
すれ違う愛情と、亡き父・謝冠玉(シエ・グアンユー)の遺志
乱葬崗の救出劇と、穆無垠への帰還
※第22話のラストで乱葬崗の遺体に手を掛けた沈在野。その遺体が姜桃花ではないと確認した瞬間、彼は安堵の息を漏らしました。同時刻、意識を取り戻した桃花は、元正室・孟蓁蓁が放った黒衣の死士に命を狙われていました。首を刎ねられそうになったその刹那、沈在野が放った飛剣が死士を退けます。堪えきれず桃花を強く抱きしめる沈在野。手を離せば消えてしまうと怯える彼に対し、桃花の脳裏には※第18話で描かれた、離縁状(和離書)と共に交わした麻酔薬の口移しの記憶が断片的にフラッシュバックしました。混乱した桃花は彼を突き飛ばします。
毒の発作が限界に達した桃花は、穆無垠の屋敷へ帰還しました。弟・姜長玦(ジャン・チャンジュエ)のためなら何でもすると涙ながらに服従を誓う桃花の芝居を信じ込み、穆無垠は解毒薬を投与。さらに自身が北苑の細作網『灡衣閣』の真の主人であることを得意げに明かしました。
炎の別院と水中の度気(人工呼吸)!ついに蘇る完全な記憶
侍女・青苔の行方を追う桃花は、祈祷と衣服の仕立てを理由に屋敷を抜け出し、尾行者を撒いて穆無垠の隠し別院へ辿り着きます。そこで目撃したのは、北苑の黒幕・郘元華と穆無垠が青苔を激しく責め立てる光景でした。桃花は咄嗟に柴小屋へ火を放ち、混乱に乗じて青苔を救おうとします。しかし郘元華の非情な命令により、青苔は腹を刺されて深い蓮池へ投げ込まれてしまいました。
青苔を救おうと自らも池へ飛び込んだ桃花ですが、体力が尽き水底へ沈んでいきます。そこへ駆けつけたのが、密かに彼女を護衛していた沈在野でした。二人を相府へ引き上げ、沈在野は息のない桃花へ懸命に心臓マッサージと度気(人工呼吸)を施します。唇が重なった瞬間、桃花の閉ざされていた脳裏に大祁でのすべての記憶が鮮烈に蘇りました。己が北苑の公主として沈在野と共に死線を潜り抜け、彼を深く愛していたという絶対的な事実。しかし、ここで記憶が戻ったと明かせば、二度と穆無垠の懐に潜入することはできません。青苔の蘇生を護衛の湛盧に託し、桃花は涙を呑んで記憶喪失のふりを貫き、沈在野に背を向けて穆無垠の屋敷へと戻っていきました。
盗用された策論と、天才・李郊寒の暗殺
朝堂では、祁王が沈在野と四殿下・穆無瑕に孟懷瑞(モン・ホワイルイ)の書いた策論を提示していました。※第21話で描かれたように、それは寒門の学子・李郊寒から騙し取った盗作です。二人は即座にそれに気づきますが、沈在野はあえてその場での弾劾を避け、加筆修正させてから恩賞を与えるべきと時間を稼ぐ策に出ました。
一方、孟家では覚醒した孟蓁蓁が孟懷瑞を鋭く糾弾していました。盗作の事実を突きつけ、今後一切私の指示に従え。さもなくば孟家がお前を消すと脅迫し、彼を完全に己の支配下へ置きます。事態を収拾すべく、沈在野と湛盧が李郊寒の滞在先へ急行しました。しかし扉を開けた彼らの目に飛び込んできたのは、梁から首を吊った李郊寒の無残な遺体でした。室内の争いの痕跡から、孟家の手の者による暗殺の末の偽装自殺であると沈在野は断定します。
亡き父・謝冠玉(シエ・グアンユー)の遺志!科挙復活を懸けた牌坊の死体
李郊寒の無念の死を前に、沈在野の胸中に深い絶望と怒りが込み上げました。※第10話で穆無瑕が語った法治を説いて一族皆殺しにされた敬愛する従兄の伏線がここで回収されます。沈在野の真の名は謝氏。彼の父・謝冠玉は、かつて寒門学子に道を拓くため祁王へ科挙の開明を上奏し、右相・孟仲言の猛反発に遭って一族ごと惨殺されたのです。
父と同じく寒門の才を恐れた貴族に殺された李郊寒。沈在野は冷酷な左相としての知略を振るい、李郊寒の遺体を白日の下に晒す決断を下します。翌日、李郊寒の遺体は街の象徴である牌坊に高く吊るされ、その足元には彼が書いた真の策論が添えられていました。寒門の未来を憂いての抗議の自殺という強烈な印象操作。怒り狂った天下の学子たちが牌坊の下に集結し、世襲制の廃止と科挙の復活を叫ぶ巨大なうねりを作り出しました。群衆の背後でその光景を見つめる沈在野の眼光は、血塗られた改革への決意に満ちていました。
独自考察:なぜ沈在野は李郊寒の遺体を利用したのか?
今回のエピソードで最も戦慄するのは、沈在野が李郊寒の遺体を密かに葬るのではなく、見せしめのように街頭へ吊るした点です。普通なら他殺の証拠を集めて孟懷瑞を捕らえるのが筋ですが、それだけではトカゲの尻尾切りで終わり、大祁の腐敗した世襲制の根本は変わりません。
沈在野は李郊寒の悲劇の天才という価値を最大限に利用し、天下の学子たちの怒りを爆発させる起爆剤として彼の死体を掲げました。個人の正義よりも国家の盤面を優先するこの冷酷さこそが、亡き父・謝冠玉の理想を受け継ぎながらも、あえて奸臣の道を選んだ沈在野の業の深さを物語っています。
血と涙が交差する!第23話の感想と次回の見どころ
第23話は、桃花の記憶回復というロマンチックな展開から、李郊寒の死を利用した壮絶な政治闘争へと一気に舵を切る凄まじい振り幅のエピソードでした!水中の人工呼吸で記憶が戻った瞬間、桃花の瞳に宿った沈在野への愛おしさと、それを隠して背を向ける決断力。冷宮で培った彼女の忍耐力が、ここに来て最大限に発揮されています。また、瀕死の青苔を前にして思わず痛くしないでくれと医者に懇願する湛盧の姿に、二人の恋のフラグを確信して胸が熱くなりました。
李郊寒の死を契機に、ついに大祁全土の学子を巻き込んだ科挙復活の暴動が幕を開けます。この巨大な世論を前に、祁王はどう動くのか?そして孟家の暗躍と、穆無垠の別院で進行する北苑の陰謀。記憶を取り戻した姜桃花の次なる反撃が始まる第24話、絶対に見逃せません!
つづく


