あらすじ
舞台は1990年代初頭、経済発展の波が押し寄せる中国の東南沿海に位置する小さな町「福城」。
時代の大きなうねりの中で、未来への希望と漠然とした不安を抱えながら青春を駆け抜ける若者たちがいた。彼らは工場の単調な日常に鬱屈しながらも、エネルギッシュに、そして時には無謀なほど真っ直ぐに、自分たちの生きる道を探し求める。
大きな夢を追いかける中で、彼らはぶつかり合い、傷つきながらも、かけがえのない友情と甘酸っぱい愛を育んでいく。これは、激動の時代を背景に、平凡な若者たちが自分たちだけの「輝かしい時代」を全力で掴み取ろうとする、熱くて切ない青春群像劇である。
義理人情に厚く、仲間を何よりも大切にする純粋な青年、路小路(ルー・シャオルー)の人生は、大学入試の日に大きく動き出す。試験会場に向かう途中、彼は白藍(バイ・ラン)という凛とした美しい女性と運命的な出会いを果たす。
この出会いがきっかけで試験を受けそびれてしまった路小路(ルー・シャオルー)は、彼女が工場医として赴任した食品工場で働くことを決意する。知的でどこかミステリアスな白藍(バイ・ラン)は、たちまち工場中の男性たちの憧れの的に。路小路も彼女に惹かれるが、ある出来事をきっかけに二人の間には大きな誤解が生まれてしまう。
生意気で高嶺の花に見える彼女に一泡吹かせようと、何かと突っかかる路小路。しかし、いつも軽やかに言い負かされてしまうのだった。そんな犬猿の仲のような二人だったが、反発し合いながらも、いつしか互いの存在が気になるように。不器用ながらも少しずつ距離を縮めていく二人を、時代の変化と過酷な運命が待ち受けていた…。
見どころ
90年代の熱気と、若者たちのパワフルなエネルギー
1990年代という、どこか懐かしくもエネルギッシュな時代を背景に、若者たちが放つ圧倒的な生命力が魅力です。閉塞感のある環境の中でもがきながら、自由を求めて突き進む彼らの姿は、観る者に明日への活力を与えてくれます。
現代にも通じる、普遍的な青春の輝きと葛藤
このドラマは「青春はこうあるべき」という型にはめず、若者たちのありのままの姿を描き出します。恋愛、友情、そして将来への悩みを抱える彼らの姿は、時代や国を超えて、現代を生きる私たちの心にも深く響くでしょう。
原作小説とは一味違う、ドラマならではのロマンティックな世界観
原作小説が持つ感傷的で少し憂いを帯びた雰囲気に対し、ドラマ版では若者たちの恋愛模様をより明るく、ロマンティックに描いています。原作の持つ時代の空気感を大切にしつつも、現代的な視点で再構築された映像美やストーリー展開は、本作ならではの魅力と言えるでしょう。原作ファンの方は、その違いを比べてみるのも一興です。
各話あらすじとネタバレ(全26話)
1話
1996年、福城。主人公の路小路(ルー・シャオルー)は、人生で最も重要な日である大学統一入学試験(高考)の朝を迎えます。しかし、親友の恋の手伝いのために向かった食品工場で、予期せぬ大騒動に巻き込まれてしまうのです。そこで出会ったのは、工場に新しく赴任してきた謎めいた美しき女医・白藍(バイ・ラン)。この最悪な出会いが、小路の運命を大きく狂わせることに。古き良き時代の空気が漂う中、甘酸っぱくてほろ苦い青春の歯車が、今、ゆっくりと、そして激しく回り始めます。
2話
工場医の白藍(バイ・ラン)が何者かに襲われ、現場に残された証拠から路小路(ルー・シャオルー)に犯人の疑いがかけられてしまう。身に覚えのない小路は、親友たちと協力して真犯人を捕まえようと奔走するが、おとり作戦はことごとく失敗。白藍本人からも冷たくあしらわれ、工場での立場は悪くなる一方だ。なんとかして彼女の信頼を得て、誤解を解きたい小路。追い詰められた彼は、皆が見ている前で、白藍に対して誰もが予想しなかった大胆な行動に出る。
3話
バイ・ランに痴漢だと誤解されたシャオルー。気まずい関係のまま、工場では二人がキスをしたという根も葉もない噂が広まってしまう。そんな中、工場の大事なドイツ製機械が故障。ベテラン整備士のラオ・ニウピーがすぐに修理できると主張するも、上司はドイツの技術者を待つべきだと聞かない。工場の生産が止まることを危惧したシャオルーたちは、仲間たちと協力し、夜中の工場で秘密の修理作戦を決行する。しかし、その行動が予期せぬ大きなトラブルへと発展してしまうのだった。
4話
連続露出狂事件の犯人だと疑われていた路小路(ルー・シャオルー)だったが、白藍(バイ・ラン)の証言によってついに無実が証明される。しかし、真犯人を捕まえるため、白藍は再び危険なおとり捜査に乗り出す。一方、小路は兄が新しくオープンしたスケートリンクに白藍を誘い、二人の距離は少しずつ縮まっていく。青春を謳歌する二人の甘い時間も束の間、白藍の元に謎の脅迫状が届き、事態は新たな局面へ。事件の捜査と恋の行方が複雑に絡み合い、物語は一気に加速していく。
5話
工場医の白藍(バイ・ラン)に脅迫状を送った犯人が、同僚の阿芳(アファン)だったことが判明する。大学への推薦枠をめぐる誤解からだったが、追い詰められた阿芳は工場の屋上に立ち、大きな騒動へと発展してしまう。やじ馬や上司から心無い言葉を浴びせられ、絶望する阿芳。そんな彼女を救うため、路小路(ルー・シャオルー)と白藍は大きな決断を迫られる。正義を貫こうとする彼らの前に、工場の権力者たちが立ちはだかる。果たして二人は、仲間を救い、自らの信念を守り抜くことができるのか。
6話
同僚を助けたことで、白藍(バイ・ラン)はボイラー室への左遷という厳しい処分を受けてしまう。彼女が職場で孤立し、辛い思いをしていると知った小路は、いてもたってもいられず彼女を助けようと奔走する。不器用ながらも真っ直ぐな小路の優しさに、白藍も次第に心を開いていく。一方、恋敵である畢志剛(ビー・ジーガン)の存在も二人の間に影を落とす。様々な困難を乗り越える中で、小路と白藍の距離は急速に縮まっていくが、その先には予期せぬ展開が待ち受けていた。
7話
恋敵の畢志剛(ビー・ジーガン)と親しげにする白藍(バイ・ラン)を目撃した路小路(ルー・シャオルー)は、嫉妬と誤解から彼女を問い詰めるが、冷たく突き放されてしまう。実は白藍(バイ・ラン)は仕事で畢志剛(ビー・ジーガン)と会っていただけだったが、プライドが邪魔をして真実を話せない。工場内では二人のあらぬ噂が広まり、追い詰められた小路は畢志剛と決闘の約束をしてしまう。白藍は「決闘に行ったら絶交よ」と告げるが、小路の決意は固く…。若者たちの恋とプライドが激しくぶつかり合う。
8話
中秋節のダンスパーティーを前に、若者たちの恋心が交錯する。路小路(ルー・シャオルー)は白藍(バイ・ラン)を、牛小英(ニウ・シャオイン)はシャオルーを、そして秦娟(チン・ジュエン)は李克南(リー・コーナン)をパートナーに、それぞれの想いを募らせる。そんな中、シャオルーと白藍(バイ・ラン)の間にあった「あの夜」の出来事についての大きな誤解が解けることに。それぞれの恋がすれ違いながらも、お互いを想う気持ちが、やがて二人の運命を大きく動かしていく。
9話
長らく町を騒がせていた暴露狂がついに捕まり、一件落着かと思いきや、その正体をめぐって新たな火種が生まれる。路小路(ルー・シャオルー)は白藍(バイ・ラン)への想いを伝えるが、彼女はキャリアアップの大きなチャンスを掴み、二人の心はすれ違ってしまう。そんな中、路小路たちは一攫千金を夢見てミルクティーの移動販売を始めるが、予期せぬ大失敗を犯してしまう。その事件をきっかけに、大人たちの思惑が絡み合い、彼らは窮地に立たされることに。若者たちの淡い恋と夢が、厳しい現実に翻弄される、切なくも目が離せない展開が待ち受ける。
10話
丁徳忠(ディン・ダーヂョン)が仕掛けた卑劣な罠にはまり、兄・大江が傷害事件の犯人として逮捕されてしまう。小路は、兄が自首したことに白藍(バイ・ラン)が関わっていると誤解し、彼女に辛い別れを告げ、失意の底に沈む。一方、白藍は陰ながら小路を支えようと奮闘するが、二人の想いは切なくすれ違っていく。そんな中、新たな事件が発生し、今度は小路と白藍が容疑者として警察に連行されてしまう。追い詰められた白藍に、ある有力者が非情な取引を持ちかける。若者たちの運命が大きく揺れ動く、波乱の回。
11話
停職処分を受けながらも、両親の信頼を胸に仕事に励む路小路(ルー・シャオルー)。一方、白藍(バイ・ラン)は職場で孤立を深めていたが、逆境の中で二人は互いへの想いを確かめ合う。自らの手で状況を打開すべく、白藍(バイ・ラン)は大胆な計画を実行に移す。新年を祝う工場の大会で、理不尽な処分が下されようとした時、小路は皆の前で反旗を翻す。父の言葉にも背中を押され、小路は人生の大きな岐路に立たされる。若者たちの運命が大きく動き出す、決意の第11話。
12話
恋人のバイ・ランと共に上海へ行くことを決意したシャオルー。しかし、母親の猛反対にあい、親友のグアンナンからも引き留められてしまう。友情と愛情、そして自分の将来の間でシャオルーの心は大きく揺れ動く。そんな中、グアンナンはシャオルーを故郷に留めるため、ある大胆な作戦を実行に移す。すれ違う想いと予期せぬ新たな出会いが、彼らの運命を大きく動かし始める、波乱に満ちたエピソード。
13話
親友の李光南(リー・グアンナン)と和解し、想いを寄せる白藍(バイ・ラン)ともついに結ばれた路小路(ルー・シャオルー)。上海での新しい生活を夢見て、二人で大学統一試験に臨むため、シャオルーは猛勉強に励む。順風満帆に見えた彼の未来だったが、工場の経営悪化により、大学への推薦枠がたった一つしかないという厳しい現実を突きつけられる。愛する人の夢と自分の夢の狭間で、シャオルーは大きな決断を迫られることに。友情、恋愛、そして未来が複雑に絡み合い、物語は衝撃の転換点を迎える。
14話
上海の大学に合格した白藍(バイ・ラン)だったが、入学に必要な重要書類が届かず、合格取り消しの危機に陥る。その知らせを聞いた路小路(ルー・シャオルー)は、愛する人の未来を守るため、故郷の工場で前代未聞の行動に出る。一方、上海で不安な時を過ごす白藍。二人の運命を左右する書類の行方は?そして、意外な協力者の登場により、物語は新たな局面を迎える。上海を舞台に、二人の新生活が始まるまでの、切なくも希望に満ちた奮闘を描く。
15話
上海で新生活を始めた路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)。路小路はホテルのドアマンとして、白藍はモデルとして、それぞれ新たな一歩を踏み出す。ささやかな幸せと、いつかレストラン「藍色之路」へ行こうという約束を胸に励む二人だったが、大都会の現実は甘くなかった。路小路は仕事で屈辱的な出来事に遭遇し、白藍もまたモデル業界の厳しい現実に直面する。ある事件をきっかけに、二人の心はすれ違い始め、純粋だった恋に暗い影が差し始める。
16話
失意のまま故郷の街に戻った路小路(ルー・シャオルー)を待ち受けていたのは、母親の突然の入院という知らせだった。手術には高額な費用が必要だが、工場の経営は悪化し、一家は窮地に立たされる。頼るあてもなく苦悩する小路。一方、親友の李光南(リー・グアンナン)や、彼に想いを寄せる牛小英(ニウ・シャオイン)もまた、それぞれの困難と向き合っていた。家族の危機を前に、友情が試される時、若者たちは何を選択するのか。時代の波に翻弄されながらも、必死に生きる彼らの姿を描く。
17話
手術を終えた母が退院し、路小路(ルー・シャオルー)の家族に穏やかな日常が戻る。一方、新天地の上海で就職活動に励む白藍(バイ・ラン)は、その才能を認められ、新たな一歩を踏み出す。福城では、牛小英(ニウ・シャオイン)と彼女を想う長脚(チャンジャオ)の関係にも大きな変化が訪れようとしていた。それぞれの場所で未来へ向かって歩み始めた若者たち。しかし、彼らの運命の歯車は、予期せぬ方向へと静かに、そして残酷に回り始めていた。
18話
2002年、上海で事業を成功させた路小路(ルー・シャオルー)は、親友・李光南(リー・グアンナン)の結婚式に出席するため故郷へ戻る。そこで、長年忘れられずにいた初恋の相手・白藍(バイ・ラン)と思いがけない再会を果たす。しかし、久しぶりに顔を合わせた二人の間には、どこかぎこちない空気が流れる。長い年月が生んだ心の距離に戸惑いながらも、路小路(ルー・シャオルー)は過去に言えなかった一言を伝える機会をうかがうが…。大人になった彼らが織りなす、切ない再会の物語。
19話
上海でキャリアを積む白藍(バイ・ラン)は、昇進を阻まれたことを機に、故郷・福城の食品工場を買収するプロジェクトを立ち上げます。一方、福城では路小路(ルー・シャオルー)が兄・大江の出所を迎え、アイス事業も順調でした。そんな中、買収担当者として工場にやってきた白藍は、小路と運命的な再会を果たします。しかし、彼女はビジネスとして、小路に事業の拠点である冷凍庫の立ち退きを要求。かつての面影とは違う彼女の姿に、小路は戸惑いを隠せません。変わってしまった彼女と、変わらない想いを抱く彼。二人の間に、ビジネスという大きな壁が立ちはだかります。
20話
冷凍倉庫の権利を巡り、路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)の対立は深まるばかり。そんな中、小路は親友の妻・秦娟(チン・ジュエン)から、これまで知らなかった白藍の衝撃的な過去を聞かされ、言葉を失います。一方、工場では白藍への反発が強まり、ついに陰湿な嫌がらせ事件が発生。ベテラン工員の老牛皮(ラオニウピー)が意外な行動に出ます。それぞれの想いがすれ違う中、白藍は師匠に連れられ、ある大物人物と対面することに。そこで、工場買収の裏に隠された、労働者たちの生活を根底から揺るがす大きな計画の存在が明らかになろうとしていました。
21話
食品工場の再建のため、必死に接待をこなす白藍(バイ・ラン)。その姿を偶然見てしまった路小路(ルー・シャオルー)は、彼女を陰で支えるための大きな決断を下す。一方、仲間の一人である長脚(チャンジャオ)は、恋人の牛小英(ニウ・シャオイン)との関係に大きな亀裂が生じてしまう。白藍の誠意が通じ、工場の再稼働に希望が見え始めた矢先、工場内で不穏な事件が発生。工員の一人が何者かに襲われ、事態は思わぬ方向へと動き出す。それぞれの想いが交錯し、物語は新たな局面を迎える。
22話
工場の冷凍庫で起きた事件の調査中、路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)は何者かによって閉じ込められてしまう。一方、バイ・ランが進めていたイタリア企業との提携話が突如白紙となり、工場の再建計画は絶体絶命の危機に。彼女の窮地を知ったシャオルーは、長年築き上げてきた仲間との絆を犠牲にしてでも彼女を救うという、あまりにも大きな決断を下す。果たして二人は、見えざる敵の妨害を乗り越え、工場を救うことができるのか。
23話
協力工場のあてを失い、窮地に立たされた路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)。二人は一縷の望みをかけ、かつての同僚・阿芳(アファン)を頼って広州へと向かう。希望を乗せた旅路だったが、その裏では工場の黄(ホアン)社長が放った黒い影が静かに迫っていた。一方、シャオルーの父・路大江(ルー・ダージアン)と、彼を想い続ける桃姐(ももあね)の長年の関係にも、ある事件をきっかけに大きな転機が訪れる。若者たちの奮闘と大人たちの愛が交錯し、物語は新たな真実へと動き出す。
24話
工場の仲間たちの生活を守るため、路小路(ルー・シャオルー)と白藍(バイ・ラン)は自作のミルクティーを製品化する新事業に乗り出す。かつて路小路が築いた人脈を頼りに販売代理店を集め、計画は順調に進むかに見えた。しかし、工場の再稼働を阻止したい黄青は、卑劣な手で妨害を開始する。そんな中、路小路の親友である李光南(リー・グアンナン)が、友情と野心の間で揺れ動き、ある重大な決断を下す。その選択が、皆の運命を大きく揺るがすことになる。
25話
工場の存続を巡る対立が激化し、労働者たちは決戦の覚悟を固める。そんな中、李光南(リー・グアンナン)の妻・秦娟(チン・ジュエン)は、事態を打開しようと危険を顧みずに行動するが、予期せぬ悲劇的な事故に巻き込まれてしまう。愛する妻を襲った悲劇に、李光南は絶望の淵に立たされる。親友の危機を前に、路小路(ルー・シャオルー)は彼を支えようと奔走するが、一方で、彼らが大切に想う白藍(バイ・ラン)にも新たな脅威が迫っていた。物語は、息もつかせぬ展開で最終局面へと向かっていく。
26話(最終回)
ついに最終回!白藍(バイ・ラン)が何者かに誘拐され、路小路(ルー・シャオルー)と李光南(リー・グアンナン)は決死の救出作戦に挑む。そこに兄の路大江(ルー・ダージアン)も駆けつけるが、事態は誰もが予想しなかった衝撃の結末へ。時代の変化の波は、工場と若者たちの運命を大きく揺さぶる。一年後、仲間たちはそれぞれの道を歩み始めていた。果たして、路小路と白藍が選んだ未来とは?そして、仲間たちを待ち受ける感動のラストシーンとは?青春の輝きと痛みが交錯する、涙と希望のフィナーレ。
キャスト、登場人物

白藍(バイ・ラン)
楊採鈺(ヤン・ツァイユィ)

路小路(ルー・シャオルー)
侯明昊(ホウ・ミンハオ)

秦娟(チン・ジュエン)
向涵之(シアン・ハンジー)

李光南(リー・グアンナン)
費啟鳴(フェイ・チーミン)