あらすじ
故郷に戻り、新たな仕事に就いた溫以凡(ウェン・イーファン){ウェン・イーファン/演:章若楠(ジャン・ルオナン) ジャン・ルオナン}は、高校の同級生だった桑延(サン・イエン){サン・イエン/演:白敬亭(バイ・ジンティン) バイ・ジンティン}と思いがけず再会します。久しぶりの再会にもかかわらず、二人はお互いに知らないふりを貫きますが、運命のいたずらか、何度も偶然顔を合わせることに。
そんな中、溫以凡(ウェン・イーファン)は隣人からのストーカー被害に悩み、引っ越しを決意。一方、桑延(サン・イエン)も隣家で起きた火事のせいで自宅アパートの改装が必要になってしまいます。奇妙な偶然が重なり、二人はなんと一つ屋根の下でルームシェアを始めることになりました。
最初は気まずさからお互いを避けていた二人ですが、共同生活を送るうちに心の壁は少しずつ溶けていきます。桑延が見せる不器用ながらも細やかな優しさに触れ、溫以凡(ウェン・イーファン)は閉ざしていた心を開き、勇気を出して彼に想いを伝えようと決意します。桑延もまた、彼女への真摯な想いを告白し、二人はついに恋人同士に。
その後、溫以凡(ウェン・イーファン)はかつて桑延と同じ大学へ進学するという約束を守れなかった本当の理由を打ち明けます。その真相を知った桑延は彼女の心の痛みを深く理解し、これからは自分が彼女を守り抜くと固く誓うのでした。幾多の誤解とすれ違いを乗り越えた二人は、やがて桑延が自ら設計した新しい家で、共に幸せな生活を築いていきます。
見どころ
1. 脱・王道! リアルな葛藤と成長を描く、現代のラブストーリー
本作は、従来の恋愛ドラマにありがちな「俺様社長とドジなヒロイン」といったお決まりのパターンから一線を画しています。 主人公は、都会の片隅でそれぞれ悩みながらも懸命に生きる、ごく普通の男女です。物語は恋愛一辺倒ではなく、職場で直面する理不尽への抵抗や、家族からのプレッシャーに苦悩する姿など、誰もが経験しうるリアルな問題が描かれています。 こうした等身大のキャラクター設定が、登場人物に深みと立体感を与え、多くの視聴者が思わず自分を重ねてしまうような強い共感を生んでいます。
2. 「好き」を隠す、もどかしくも愛おしい二人の繊細な恋模様
本作の魅力は、わざとらしい甘いシーンの連続ではなく、日常のささやかなやり取りの中でゆっくりと育まれる、真摯な感情表現にあります。 主人公の桑延は、クールな態度の裏に深い優しさを隠した「外冷内熱」タイプ。溫以凡(ウェン・イーファン)のために買った猫タワーを「ついでに買っただけ」と言ったり、夜道を心配する気持ちを「家の鍵をかける習慣があるから」とごまかしたり、その不器用な優しさが心をくすぐります。 一方の溫以凡(ウェン・イーファン)も、素っ気ない態度を鎧のようにまといながら、実はいつも桑延のことを見ています。 二人の関係は、誤解から始まり、少しずつお互いを理解し、やがて深く結びついていくという、自然で丁寧なプロセスを経て進んでいきます。急展開や大げさな愛情表現よりも、着実に積み重ねられる絆の方が、現代の若者が理想とする恋愛観に近いのかもしれません。
3. 誰もが心に抱える「扱いにくさ」に寄り添う、癒やしの物語
原題の『难哄』(ナンホン)は、「なだめにくい」「扱いにくい」といった意味を持ちます。これは、現代社会のストレスの中で、誰もが自分だけの心の壁や「扱いにくさ」を抱えていることを象徴しています。 過去の出来事から恋愛に臆病になってしまう溫以凡(ウェン・イーファン)や、一人の女性への想いを何年も胸の奥に秘めてきた桑延の姿は、まさに現代を生きる私たちの物語そのものです。 彼らが恋愛や仕事、家庭の困難に立ち向かい、希望を見出していく姿は、同じように悩みを抱える視聴者の心を温かく癒やし、明日へ踏み出す勇気を与えてくれるでしょう。
視聴のポイント
本作は美しい映像が高く評価される一方で、放送当初、一部のストーリー展開が大きな物議を醸しました。 特に「ヒロインが短期間に何度も性的な嫌がらせに遭い、加害者の家族を慰める」という描写に対して、視聴者から「不快である」「誤った価値観を助長する」といった厳しい批判が殺到しました。 この反響を受け、制作側は問題となったシーンを削除する対応を取りました。 このような背景を知ることも、作品を多角的に理解する上で一つのポイントとなるかもしれません。
各話あらすじとネタバレ
1話
テレビ局で記者として働くウェン・イーファン。彼女の毎日は、仕事のトラブルや危険なシェアハウスでの生活など、問題だらけだ。心休まらない日々を送る中、友人に誘われて訪れたバーで、忘れたくても忘れられない過去の重要人物、桑延(サン・イエン)と気まずい再会を果たしてしまう。彼はそのバーのオーナーになっていた。大晦日の夜にも偶然彼とすれ違うが、二人の間の空気は冷たいまま。過去に何かを抱えた二人の物語が、ここから静かに動き出す。
2話
年越し番組の仕事の後、一人で帰宅したウェン・イーファン。彼女は、かつての同級生であるサン・イエンと気まずい再会を果たす。 友人の計らいで同席することになった食事の席にはサン・イエンもおり、二人の間の空気は凍りつくほど冷たい。
バーで偶然二人きりになった時も、お互いに皮肉を言い合う始末。しかし、イーファンが仕事の都合で先に帰ろうとすると、サン・イエンは憎まれ口を叩きながらも、結局彼女を車で送っていく。その帰り道、イーファンは過去の出来事を一つ思い出す。
そして、彼女が一人暮らしの家に帰宅した時、予期せぬ危険が待ち受けていた。絶体絶命のピンチに、あの男が駆けつける。
3話
溫以凡(ウェン・イーファン)は、ルームメイトの突然の引っ越しで、新しい同居人を探すことになる。そんな中、高校時代の同級生、桑延(サン・イエン)と気まずい再会を果たす。彼は昔、溫以凡(ウェン・イーファン)のことを白月光(忘れられない人)と呼んでいたらしい。お互いを意識する二人だが、ある日、桑延(サン・イエン)の自宅が火事になるという最悪のトラブルが発生。行くあてのない彼と、ルームメイトを探す彼女。運命のイタズラか、様々な偶然が重なり、二人はまさかの同居生活をスタートさせることになる。ぎこちない空気が流れる家で、二人の新しい関係が始まる。
4話
溫以凡(ウェン・イーファン)が一人暮らしを楽しむはずだったアパートに、なんと高校の同級生、桑延(サン・イエン)が引っ越してくる。偶然を装う桑延だけど、彼の行動はどこか不自然。家賃のやり取りでドタバタしたり、お互いの友人を交えて再会したりと、二人の距離は少しずつ縮まっていく。
そんな中、溫以凡は新しい職場で過去のトラウマを思い出すような出来事に遭遇する。彼女が一人で痛みを抱えている時、桑延はぶっきらぼうな態度を取りながらも、彼女のことを何かと気にかけていた。友人たちとの集まりで、桑延の不器用なアプローチが炸裂する。彼の本当の気持ちと、引っ越してきた真の目的は、まだ誰も知らない。
5話
溫以凡(ウェン・イーファン)と桑延(サン・イエン)の同居生活には、ぎこちない空気が流れていた。そんな中、友人たちとの食事会が開かれる。そこには溫以凡の幼馴染、向朗(シャン・ラン)も参加していた。向朗と親しげに話す溫以凡を見て、桑延の心は穏やかではない。ゲームをきっかけに過去の約束が話題に上り、二人の間に横たわる溝が再びあらわになる。食事会の後、桑延は家に帰らなくなり、二人のすれ違いは続いていく。溫以凡もまた、誰にも明かせない過去の理由を一人で抱えているようだった。
6話
母親のことで急遽病院へ向かうことになった溫以凡(ウェン・イーファン)。そんな彼女を黙って追いかけ、そばに寄り添う桑延(サン・イエン)。彼の静かな優しさが、不安な彼女を支える。年末、テレビ局の仕事で忙しいイーファンは、自ら残業を申し出て一人で大晦日を迎えることに。友人とのビデオ通話で賑やかな様子を目の当たりにし、自身の孤独を実感する。そんな静かな夜、彼女の家のチャイムが鳴る。この出来事をきっかけに、イーファンの知らなかったサン・イエンの過去の想いが、少しずつ明らかになっていく。
7話
サン・イエンの妹、サン・ジーが二人の住むアパートへ遊びにやってくる。彼女の登場により、高校時代に隠されていたサン・イエンの甘酸っぱい秘密が明らかに。イーファンは、彼の不器用ながらも一途だった過去の想いを知ることになる。一方、イーファンは元宵節に実家を訪れるが、そこで家族との痛みを伴う現実に直面し、重大な決断を迫られる。過去の温かい思い出と、現在の冷たい現実が交差し、二人の関係にも静かな変化が訪れる一夜が描かれる。
8話
高校時代、桑延(サン・イエン)はダンスの夢を諦めさせられそうになった以凡を励ます。彼は彼女のためだけに、屋上に特別な練習場所を用意してやった。彼の優しさは昔から変わらない。
現代。以凡は辛い悪夢にうなされ、無意識のうちに桑延の部屋へ行ってしまう。そして、彼の胸に顔をうずめる。しかし翌朝、以凡はそのことを全く覚えていない。一人で混乱し、振り回される桑延。二人の間には、気まずくて、もどかしい空気が流れる。一方、向朗(シャン・ラン)を巡る長年の恋心に、思わぬ真実が突きつけられる。
9話
溫以凡(ウェン・イーファン)に会うため、桑延(サン・イエン)を訪れる。二人は気まずい雰囲気を変えようとホラー映画を観に行くが、そこで桑延(サン・イエン)の意外な一面が明らかに。そんな中、以凡は大学生の穆承允(ムー・チョンユン)に助けられる出来事があり、彼の存在が桑延の心をかき乱す。
スーパーでの買い物や家での映画鑑賞を通して、二人の距離は少しずつ縮まっていく。桑延の子供っぽい嫉妬や不器用な優しさが垣間見える一方で、彼の口からは長年秘めてきた以凡への特別な想いを匂わせる言葉がこぼれる。恋のライバル登場で、桑延の恋心が加速し始めるエピソード。
10話
桑延(サン・イエン)は毎週末、北渝に住むイーファンに会うために通い続けていた。彼は、イーファンが伯母から辛い扱いを受けていることを知り、彼女の立場を考えて静かに見守ることしかできない。一方、イーファンは夜中に無意識に歩き回る夢遊病の症状に悩まされていた。友人との会話や過去の出来事を通して、彼女が親戚の家で受けた心の傷や、実の母親との間にできた深い溝が明らかになっていく。桑延は彼女が抱える心の闇に気づきながらも、不器用な優しさで寄り添おうとする。そんな中、イーファンの無意識の行動が、二人の関係を少しだけ動かすことになる。
キャスト、登場人物

桑延(サン・イエン)
白敬亭(バイ・ジンティン)

溫以凡(ウェン・イーファン)
章若楠(ジャン・ルオナン)

苏浩安(スー・ハオアン)
陳昊森(チェン・ハオセン)

鐘思喬(ジョン・スチャオ)
張淼怡(ジャン・ミャオイー)