あらすじ
広大な砂漠に三国が鼎立し、覇権を争う乱世の時代。
没落した部族の公主でありながら、「砂漠一の美女」と謳われる皇北霜(こう・ほくそう)は、ある策略によって他国の姫の身代わりとして、雲沛(うんはい)城へ政略結婚の使者として赴くことになる。
その道中、彼女は砂漠を牛耳る絶大な力を持つ三人の男たちと出会う。一人の美しき公主と、三人の支配者。互いに探り合い、騙し合う危険な駆け引きの中で、彼らの心は惹かれ合っていく。
運命に翻弄されることを良しとしない皇北霜(こう・ほくそう)は、類まれなる知恵と勇気、そして確固たる信念を武器に、危険渦巻く砂漠の世界で自らの足で立とうと決意。中でも、北の地を治める領主・霍擎雲(かく・けいうん)とは、次第に特別な想いを育んでいく。
偽りの公主として生きる彼女は、真実と幻が入り混じる危機的状況の中、やがて砂漠の覇権争いの中心で、激しい嵐を巻き起こしていくことになる。
見どころ
可憐なだけじゃない!復讐を誓う「黒蓮花」ヒロイン
本作のヒロイン・皇北霜は、か弱く守られるだけの伝統的なお姫様ではありません。純真な見た目の裏に、したたかな知略と目的のためなら手段を選ばない強い意志を隠し持つ、いわゆる「黒蓮花(ブラックロータス)」タイプのキャラクターです。自らを陥れた者たちに復讐し、過酷な運命に抗う彼女の姿は、観る者に強烈なカタルシスと感動を与えます。
砂漠の支配者3人との、愛憎渦巻く“逆ハーレム”
ヒロインが出会うのは、それぞれ異なる魅力と権力を持つ砂漠の支配者たち。彼女を巡って繰り広げられる、男たちのプライドを懸けた激しい恋のバトルは本作の大きな魅力です。時には甘く、時には命を奪い合うかのように激しくぶつかり合う「相愛相殺(愛し合いながら殺し合う)」の関係性は、予測不能でスリリング。危険な恋の駆け引きから目が離せません。
壮大なスケールで描かれる、エキゾチックな砂漠の世界
果てしなく広がる砂漠を舞台に、三国間の策略や戦闘が壮大なスケールで描かれます。美しくも過酷な大自然の映像美と、独特の文化を持つ国々のエキゾチックな世界観が、物語への没入感を高めます。壮大な歴史ロマンと、手に汗握る権力闘争が好きな方にはたまらない設定です。
人気小説が原作の、重厚なストーリー
本作は、簡暗による人気小説『大漠情殇』を原作としています。しっかりとした物語の土台があるため、登場人物たちの心理描写が深く、複雑に絡み合う人間関係や、先の読めないストーリー展開が緻密に構成されています。ただの恋愛ドラマに留まらない、重厚な物語が楽しめます。
各話あらすじとネタバレ
1話
水資源を巡って争いが絶えない砂漠の世界。 麻随(まずい)の公主・格心薇(かく・しんび)は政変で家族を失い、復讐を誓う。 一方、小部族・厄娜泣(やくなき)の公主である皇北霜(こう・ほくそう)との望まぬ政略結婚から逃れることばかりを考えていた。
運命的な出会いを果たした二人の姫は、それぞれの目的を果たすため、互いの身分を入れ替えるという大胆な決断を下す。 一人は復讐のために、もう一人は自由のために。偽りの身分で歩み始めた彼女たちの前には、過酷な運命が待ち受けていた。
2話
皇北霜(こう・ほくそう)は、護衛の霍擎雲(かく・けいうん)がただの用心棒ではないと見抜き、彼への警戒を強める。霍擎雲(かく・けいうん)もまた、ある目的のために皇北霜(こう・ほくそう)を探り始める。一行の内部で侍女の反発が起きるなど、旅は序盤から不穏な空気に包まれる。そんな中、皇北霜一行は砂漠一の美女を狙う山賊、若問(じゃくもん)の一味に襲撃されてしまう。皇北霜は交渉を試みるが、若問(じゃくもん)の要求は非情なものだった。絶体絶命の危機に陥った彼女たちに、逃れる術はあるのか。
3話
霍擎雲(かく・けいうん)と取引した皇北霜(こう・ほくそう)は、捕らわれた仲間を救うため、危険な砦へ戻る決意をする。一方、格心薇(かく・しんび)の注意を自分に引きつけるため、大胆な賭けに出た。霍擎雲は敵を欺くため、投降を装い砦に潜入する。裏切りと策略が渦巻く中、命がけの救出作戦が始まる。複数の思惑が複雑に絡み合い、一瞬先も読めない展開が待ち受けている。果たして彼女たちは、無事に仲間を助け出し、脱出することができるのか。
4話
砂賊から逃れた霍擎雲(かく・けいうん)は、砂漠の中の宿屋で一夜を過ごすことになる。皇北霜(こう・ほくそう)の目に砂が入ったのを霍擎雲が優しく取り除くなど、二人の距離は少しずつ縮まっていく。同じ頃、若問(じゃくもん)も訳ありの様子で同じ宿屋に現れ、それぞれの思惑が交差する。そんな中、霍擎雲が刺客に襲われ負傷してしまう。皇北霜の必死の看病が、彼の隠された秘密と本心を引き出し、二人の関係を大きく変えるきっかけとなる。
5話
愛する霍擎雲(かく・けいうん)との悲しい別れを決意した皇北霜(こう・ほくそう)。彼女は一族の未来を背負い、和親のため雲沛(うんはい)へと向かう。しかし、そこでは各部族の姫たちが美貌と策略で競い合う、厳しい大典が待っていた。到着が遅れ、絶体絶命のピンチに陥った皇北霜。彼女は自らの覚悟を示すため、すべてを懸けた大胆な行動に出る。果たして、一筋縄ではいかない雲沛の城主・那戦(なせん)の心を動かすことはできるのか。彼女の運命が大きく動き出す回だ。
6話
那戦(なせん)に執心し、多くの贈り物を授ける。だが彼の真の狙いは、伝説の書物《大漠奇巻》にあった。一方、父の仇を討つことを誓う霍擎雲(かく・けいうん)は、城内に隠された密道の捜索を進め、ついにその入口を発見する。密道は、奇しくも皇北霜が居室として選んだ雲芳閣へと繋がっていた。そこで彼は、皇北霜の秘めた想いを偶然耳にしてしまう。そんな中、那戦は皇北霜と真渠幼佳(しんきょ・ようか)の二人に、その夜の夜伽を命じる。それぞれの思惑が、一つの部屋で交錯しようとしていた。
7話
大王・那戦(なせん)の寝所に召された皇北霜(こう・ほくそう)。誰もが彼女の運命を案じる中、同席していた別の女性の存在と自らの機転によって、皇北霜は危機を切り抜ける。その夜、那戦は皇北霜が持つ類いまれな記憶能力に気づき、彼女に対して強い興味を抱き始める。一方、皇北霜を案じる霍擎雲(かく・けいうん)は、彼女が無事だったと聞き安堵するが、その思いは届かない。別の場所では、格心薇(かく・しんび)が謎に満ちた盗賊の長・若問(じゃくもん)と行動を共にしていた。彼は冷酷な手段で敵を排除し、勢力を拡大していく。それぞれの思惑が静かに動き出し、物語は新たな局面を迎える。
8話
雲沛(うんはい)で月夕節の灯会が開催される。城主の那戦(なせん)が初めて民間の祭りに参加するとあって、城下は大きな賑わいを見せていた。この絶好の機会を逃すまいと、霍擎雲(かく・けいうん)は囚われた重要人物を救出するための大胆な計画を実行に移す。一方、皇北霜(こう・ほくそう)は那戦の本心を探ろうと苦心していた。彼女はまだ知らない。故郷から、自分を追う新たな刺客がすぐそこまで迫っていることを。華やかな祭りの光と影の中で、登場人物たちの様々な思惑が激しく交錯する。
キャスト、登場人物

皇北霜(こう・ほくそう)
哈妮克孜(ハニケジ)

霍擎雲(かく・けいうん)

若問(じゃくもん)
高陽(ガオ・ヤン)

格心薇(かく・しんび)
関暢(グアン・チャン)