あらすじ
1953年の初冬、台湾の眷村(けんそん)で、のちにアジアの歌姫となるテレサ・テン(鄧麗君(ドン・リージュン)、演:ミシェル・チェン)は、鄧家の4番目の子「丫頭(ヤートウ)」として生を受けました。
幼い頃から歌の才能を発揮していたテレサでしたが、元軍人で、退役後は市場で饅頭などを売って生計を立てる父(演:ホウ・ヨン)は、娘が歌手になることに強く反対していました。テレサは、父が抱える心の内の苦悩や望郷の念を完全には理解できずにいましたが、市場で父の商いを手伝う健気な少女でした。
小学校を卒業したテレサは、経済的な理由などから中学校へは進学できませんでした。しかし、ラジオ局主催の歌唱コンテストで優勝したことをきっかけに、歌番組へのレギュラー出演が決まります。
そんな中、父が市場で地元のゴロツキとトラブルになり、暴行を受けて怪我をし、訴訟問題にまで発展してしまいます。「自分たちに固定の店舗がないからこんなことになるんだ」と嘆く両親の言葉を聞いたテレサは、家族を助けたい一心で、芸能界と歌手契約を結びます。
そして、契約の前払い金で父のために念願の店を用意すると、父はその思いやりに深く感動するのでした。
家族の支えと自身の強い意志、そして天賦の才能によって、テレサはついにプロの歌手としてステージに立ち、多くの人々から喝采を浴びる第一歩を踏み出すのでした。
各話あらすじとネタバレ(全48話)
1話
1995年、母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)の70歳の誕生日を電話で祝うテレサ・テン。その直後、タイで喘息発作により急逝してしまう。突然の悲報に打ちひしがれる家族。母は霊安室でテレサに感謝の言葉を伝える。物語は過去に遡り、テレサの誕生秘話や、歌の才能の片鱗を見せる子供時代のエピソードが描かれる。麻雀騒動では、機転を利かせて場を収め、その歌声で人々の心を動かす幼いテレサの姿があった。
2話
軍の住宅(眷舎)の引っ越しを巡り、隣人の段立天(ドァン・リーティエン)は鄧枢(ドン・シュー)一家のために口利きをしようとするが、妻の周敏(ジョウ・ミン)は反対する。周敏は司令官夫人に取り入ることで夫の出世を目論んでいたが、司令官の名前を使いすぎていると釘を刺される。一方、鄧枢の妻・趙素桂(ジャオ・スーグイ)は、広い家に引っ越したい一心で、夫に内緒で段立天に賄賂のお茶を渡すが、鄧枢がそもそも引っ越しの申請を出していなかったことが発覚。さらに、娘の鄧麗筠(ドン・リージュン)がお茶を半分抜き取っていたことが分かり、趙素桂は段家で恥をかく。これが原因で鄧枢と趙素桂は大喧嘩になり、趙素桂は家を出ようとする。追いかけた鄧枢は、妻が娘のために部屋を欲しがっていたことを知り、自身の過ちを悟る。そして、長年の望郷の念から軍を辞めることを考えるが、趙素桂は生活を心配し、それに反対する。鄧枢は故郷への想いと台湾での家族・仕事との間で深く葛藤する。
3話
友達との秘密を守り、母からラジオを贈られたヤートウは、歌への興味を深める。結婚式で飛び入りで歌い、マイクの仕組みや歌が仕事になることを知る。台風「グロリア」が村を襲い、デン家は隣人のドゥアン母娘を助けるが、チェン夫人は息子を失い、ドゥアン夫妻は喧嘩別れしてしまう。移転が決まるも拒否するチェン夫人を、ヤートウは不思議な言葉で説得。一家は安邦新村へ引っ越し新年を迎える。ヤートウは悲しむチェン夫人を慰め、歌への情熱を募らせるが学業は低迷。母は条件付きで歌うことを許可する。一方、父デン・シュウは退役を考えていた。
4話
故郷への想いを募らせる父・鄧枢(ドン・シュー)は、家族との手紙のやり取りが発覚し、昇進を諦めるよう迫られる。四川(スーチュアン)を密告者と誤解した鄧枢は暴力を振るい、その結果、四川の妻・秀美(シュウメイ)が早産するも母子ともに無事。鄧枢は深く反省し、妻・趙素桂(ジャオ・スーグイ)の後押しもあって退役を決意。一家は饅頭売りで生計を立てようとするが苦労が続く。一方、娘の丫頭(丫头(ヤートウ))は歌唱コンテストで優勝し、その才能がレコード会社の目に留まる。近所の人々の支えや、周敏(ジョウ・ミン)との関係の変化もありながら、鄧一家は新たな生活を歩み始める。卒業式では、丫頭と周敏の娘・段寧(ドワン・ニン)がスピーチ代表候補に選ばれるが、波乱の予感が…。
5話
卒業式で代表スピーチを代役したテレサ。親友・段寧(ドワン・ニン)は中学に合格するも、テレサは落第してしまう。ラジオで人気が出始めたテレサは、父・鄧枢(ドン・シュー)がチンピラに絡まれたのを見て、自分の店を持つことを決意。兄たちの機転でラジオ局と契約し、前借りした給料(と家族は思っていた)で念願の「鄧家小館」を開店する。しかし、酔った父から、歌で稼いでいると噂されていることを理由に厳しく叱責される。そしてテレサは、店の資金が自分の稼ぎではなく、父が大切な時計を売って作ったものだったという衝撃の事実を知るのだった。
6話
第6話では、テレサ(鄧麗筠(ドン・リージュン))が父(鄧枢(ドン・シュー))に内緒で貯金を友人の父(山東(さんとん))に貸し、その優しさが父に伝わる。一方、歌謡ホールではライバル歌手(李燕(リー・イェン)、劉小春(リウ・シャオチュン))の争いに巻き込まれ、ステージに立つよう指名されるが、父の意向もあり実現しない。親友の段寧(ドワン・ニン)の浮気を知り、さらに学校での問題から母(周敏(ジョウ・ミン))に疑われ、テレサが身代わりで非難される。テレサは父から歌謡ホールへの出入りを禁じられ、最後は段寧(ドワン・ニン)から父の浮気の事実を打ち明けられる。
7話
親友・段寧(ドワン・ニン)の父親の浮気問題を知ったテレサ(鄧麗筠(ドン・リージュン))は、彼女を励ます過程で歌への情熱を再燃させ、歌庁で歌う決意をする。ライバルの劉小春(リウ・シャオチュン)からの妨害や家族の心配もあったが、母親(趙素桂(ジャオ・スーグイ))や次兄の協力で初ステージに立つことに。一方、段寧の家庭教師・周台生(ジョウ・タイシェン)と出会い、互いに惹かれ合うような雰囲気に。段寧は周台生がテレサに好意を持っていると感じ、複雑な心境になる。テレサは初ステージを成功させるが、更なる成長を求め周台生に相談しようとする。しかし、2回目のステージ直前、劉小春によって衣装が隠されるというトラブルが発生する。
8話
ステージ衣装のトラブルを機転で乗り越えたテレサ(デン・リーユン)だったが、学校に歌の活動が発覚し、退学を迫られる。親に内緒で休学することを選ぶが、友人・段寧(ドワン・ニン)とのいざこざが警察沙汰となり、結局すべての秘密が両親に知られてしまう。父・鄧枢(ドン・シュー)は激怒し家出。一方、テレサに心を寄せる周台生(ジョウ・タイシェン)は、彼女を心配する中で不慮の事故に遭い、足を負傷してしまう。家庭の問題、学校の問題、そして恋の予感が複雑に絡み合い、登場人物たちが大きな試練に直面する第8話。
9話
家出した父・鄧枢(ドン・シュー)の安否を一家が心配する中、警察から海辺で遺体発見の知らせが入る。母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)が確認に向かうが、幸い別人だった。父を心配させた罪悪感から、テレサ(鄧麗筠(ドン・リージュン))は歌手活動をやめる決意をし、ラジオ局に契約を更新しないと告げる。一方、父の仲間たちは、彼が屏東の友人・山東(さんとん)のもとにいる可能性を考え探し始める。近所では周敏(ジョウ・ミン)が鄧家の悪口を言いふらし、段寧(ドワン・ニン)は父・段立天(ドァン・リーティエン)が不倫相手からの電話を避けるために電話線を切ったことを知る。趙素桂たちは屏東で無事な鄧枢を発見。テレサが歌をやめると聞き、鄧枢は娘の犠牲を理解しつつ和解し、一家は家に戻る。周りの反対の中、テレサに想いを寄せる周台生(ジョウ・タイシェン)だけは彼女の夢を理解し、怪我をおしてテレサを励ますために探しに出かける。
10話
周台生(ジョウ・タイシェン)の言葉が原因で退学になったと思い込み、彼を避けるテレサ。歌をやめ勉強に専念するが、以前の明るさを失ってしまう。一方、テレサの親友・段寧(ドワン・ニン)は、テレサと周台生の関係に嫉妬を募らせる。そんな中、段寧(ドワン・ニン)の母・周敏(ジョウ・ミン)は、娘の素行不良の原因がテレサにあると誤解。さらに、夫・段立天(ドァン・リーティエン)の長年の浮気が発覚し、家庭は崩壊。傷心の段寧(ドワン・ニン)をテレサは慰めるが、周台生を巡って二人の友情には亀裂が生じ始める。絶望した段寧(ドワン・ニン)は、テレサがくれた周台生の絵を破り捨ててしまう。
11話
夫の段立天(ドァン・リーティエン)が家を出て憔悴する周敏(ジョウ・ミン)を、趙素桂(ジャオ・スーグイ)や陳夫人が心配する。娘の段寧(ドワン・ニン)は母親を顧みず周台生(ジョウ・タイシェン)に夢中だが、テレサ(丫头(ヤートウ))はそんな彼女を諭す。段立天は娘の涙に一時的に家に戻ることを決める。一方、テレサは周台生に歌への情熱を励まされ、父の誕生祝いの席で歌うチャンスを得る。周台生がテレサに歌を教えることになるが、段寧(ドワン・ニン)は面白くない。周台生の父は息子をアメリカへ送ることを秘密裏に決めていた。
12話
周台生(ジョウ・タイシェン)から歌を教わる丫头(ヤートウ)だが、父・鄧枢(ドン・シュー)は母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)の誕生祝いでの一度きりの歌唱しか認めない。趙素桂は娘の将来のため、それなら歌わせないと反発。歌えなくなった丫头(ヤートウ)は落ち込むが、周台生や段寧(ドワン・ニン)の励ましと自身の懇願で、一度だけの約束で歌うことになる。しかし、政府の命令で宴会自体が中止に。再び絶望する丫头(ヤートウ)を周台生は励まし、アメリカへ帰る前に想いを告白する。丫头(ヤートウ)の歌への強い想いを目の当たりにした三番目の兄は、涙ながらに両親を説得。ついに鄧枢は娘の夢を認め、店にステージを作り、自由に歌うことを許すのだった。
13話
歌手契約の話が持ち上がるも父・鄧枢(ドン・シュー)に反対される丫頭(鄧麗筠(ドン・リージュン))。一方、周台生(ジョウ・タイシェン)からの手紙を受け取るが、その頃、周敏(ジョウ・ミン)の家では娘・段寧(ドワン・ニン)が金宝珠(ジン・バオジュ)に怪我をさせてしまい、さらに金宝珠の妊娠が発覚し大騒動に。段寧(ドワン・ニン)との関係修復や周台生からの録音テープなど、様々な出来事を経て迎えた誕生日、ついに鄧枢から歌手契約の許可が下り、丫頭は夢への大きな一歩を踏み出す。鄧枢は娘のために契約内容を吟味し始める。
14話
ヤートウは「国之賓」での初ステージを成功させ、父を感動させる。しかし、同僚歌手の嫌がらせで苦手な台湾語の歌に挑戦することに。ドラマーの阿志(アージー)に教わる中で親しくなるが、母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)は二人の仲を心配し、父・鄧枢(ドン・シュー)も交際を禁じる。一方、香港でヤートウを想う周台生(ジョウ・タイシェン)は、彼女からの連絡がないことに落胆し、台湾へ帰国。ヤートウを巡り、阿志と周台生、そしてヤートウの兄が絡んだ乱闘騒ぎが起き、周台生は警察に捕まってしまう。
15話
バンドメンバーからのボイコットを受け、歌う場所を失いかけたテレサ(丫头(ヤートウ))。周台生(ジョウ・タイシェン)が陰で奔走するも、最終的に彼女を救ったのは意外な人物、黒狗(黑狗(ヘイゴウ))おじさんのバンドだった。ステージは大成功を収めるが、元バンドリーダーたちの恨みを買い、新たな火種が生まれる。一方、周台生(ジョウ・タイシェン)はテレサのそばにいるため台湾に残る決意をし、段寧(ドワン・ニン)の両親の離婚問題も動き出す、波乱含みの第15話。
【テレサ・テン 歌姫を愛した人々】第15話:バンド総スカン!?絶体絶命のテレサを救った意外な助っ人とは?【あらすじ&ネタバレ感想】
16話
夫・段立天(ドァン・リーティエン)から家か離婚かの選択を迫られた周敏(ジョウ・ミン)は、娘のためを思い離婚と家の放棄を決意する。一方、丫頭(丫头(ヤートウ))は劉小春(リウ・シャオチュン)の策略とオーナー林金木(リン・ジンムー)の投げやりな態度のせいで、國之賓でのバンド演奏と歌の仕事を失ってしまう。失意の丫頭だったが、周台生(ジョウ・タイシェン)が機転を利かせ、友人たちと共にアカペラで伴奏を務めるという奇策でステージを成功させる。偶然その場に居合わせ、一部始終を知った父・鄧枢(ドン・シュー)は、娘が受けた仕打ちに憤り、翌日國之賓へ乗り込むことを決意するのだった。
17話
テレサ(丫头(ヤートウ))が原因で兄・鄧長富(トウ・チョウフ)が警察沙汰になった件で、父・鄧枢(ドン・シュー)はテレサを責めず、翌日、自ら関係者に謝罪して回る。鄧枢は子供たちに、困難に立ち向かう勇気と家族の支えの大切さを説く。一方、テレサは周台生(ジョウ・タイシェン)への想いを自覚し、彼から告白される。そのことを親友の段寧(ドワン・ニン)に打ち明けるが、段寧(ドワン・ニン)は激怒。周台生も段寧(ドワン・ニン)に正直な気持ちを伝える。引っ越しを言い出せない段寧(ドワン・ニン)の母・周敏(ジョウ・ミン)のため、テレサは友人たちと協力し、サプライズで段寧(ドワン・ニン)を新しい家に迎え入れ、無事に引っ越しを受け入れてもらうことに成功する。
18話
ナンナンと和解したヤートウだが、兄(鄧長富(トウ・チョウフ))はヤートウと周台生(ジョウ・タイシェン)の交際に猛反対。周台生はヤートウのために中国語を学び、ジャズバーへ連れて行くなどアプローチを続けるが、兄の警戒は解けない。一方、父(鄧枢(ドン・シュー))はヤートウが歌の仕事で委縮していることに気づき、自由に歌えるよう別の歌謡ホールとの契約を取り付ける。また、游英俊(ヨウ・エイシュン)は周敏(ジョウ・ミン)への好意を隠さず、不器用ながらも彼女を助けようとするが、妹の秀美(シュウメイ)には反対される。帰り道、バスの故障で立ち往生したヤートウと母の前に、周台生が自転車で現れ、母に隠れて束の間の秘密の会話を楽しむのだった。
19話
テレサは父のおかげで美琪歌廳という新たなステージを得て喜ぶが、多忙になり恋人の周台生(ジョウ・タイシェン)と会う時間が減ってしまう。周台生は早朝に会う時間を作るなど努力するが、二人の間には微妙な距離感が生まれる。一方、離婚した周敏(ジョウ・ミン)は游英俊(ヨウ・エイシュン)からの奇妙なアプローチに困惑しつつ、テレサの母の店で働き始める。そんな中、周台生はテレサの知名度を上げるためポスター作戦を計画。しかし、彼の母親がテレサの歌を聴きに来ることを知り、テレサは自分らしさを貫くべきか悩むが、周台生の言葉に励まされ、ありのままの自分でステージに立つことを決意する。
20話
テレサは周台生(ジョウ・タイシェン)の母の前で歌い好評を得るが、周敏(ジョウ・ミン)は気まずい再会をする。テレサの人気はドラマ主題歌で急上昇するが、多忙から周台生とすれ違い始める。周台生の父は交際に猛反対し、母・王又玲は周敏の没落を目撃し、テレサ一家を訪ねる。最後に周台生は、テレサに台湾を出て香港で活躍するよう促すのだった。
21話
息子の母・王又玲からの侮辱に憤慨したテレサの母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)は、テレサを香港で成功させることを決意し、周台生(ジョウ・タイシェン)との別れを告げる。父の急病でアメリカへ渡った周台生と連絡が取れないまま、テレサは母と共に香港へ。慣れない土地で苦戦しながらも、映画出演などをきっかけに徐々に人気を高めていく。一方、周台生は父の看病のためアメリカに留まり、二人の距離は離れていく。台湾では、游英俊(ヨウ・エイシュン)が潜入捜査で負傷する。
22話
香港で活躍するテレサは、ひょんなことからTVBの人気司会者ケイ・フェイと出会い、スカウトの可能性を示唆される。一方、アメリカでは父が重病で倒れ、家計を支える決意をしたジョウ・タイシェンが、母の説得もあり、テレサを完全に諦めさせるため台湾へ戻る。期待して台湾に戻ったテレサはジョウ・タイシェンと再会するが、「もう好きじゃない」と冷たく突き放され、深く傷つく。後に、ナンナンがジョウ・タイシェンの苦渋の決断(父の病気と家族のため)を知ることになる。テレサの父の体調不良も明らかになり、それぞれの家族が困難に直面するエピソード。
23話
周台生(ジョウ・タイシェン)は丫头(ヤートウ)の将来を思い、辛い決断を下して別れを告げる。傷心の丫头を慰める段寧(ドワン・ニン)だが、周台生の真意は伝えられない。一方、邓家では父・鄧枢(ドン・シュー)の健康問題が浮上し、母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)は心配する。周台生が台湾を去り、2年の歳月が流れる。段寧(ドワン・ニン)は周台生と文通を続けるが想いはすれ違い、店では周敏(ジョウ・ミン)と游秀美(シュウメイ)の間に不和が生じる。そんな中、成長したテレサは歌手として歩みを進め、ついに一家は念願だった新しい家を手に入れる。
24話
テレサ(丫头(ヤートウ))の父・鄧枢(ドン・シュー)が心臓病で倒れるが、手術を拒否。テレサは季飞の助言で父を説得し、手術は成功する。一方、段寧(ドワン・ニン)はテレサと周台生(ジョウ・タイシェン)の関係を探りつつ、周台生への手紙で季飞の存在を匂わせる。趙素桂(ジャオ・スーグイ)は看病のため店を周敏(ジョウ・ミン)に譲るが、段寧(ドワン・ニン)はこれを周台生へのアピールに利用する。鄧枢と本土の親族が香港で感動の再会を果たすも、その様子が報道され、軍人の兄・鄧長富(トウ・チョウフ)が苦しい立場に立たされる。
25話
テレサ・テン(鄧麗君(ドン・リージュン))の歌声に惚れ込んだ日本のポリドール社・舟木(ふなき)が、破格の条件で契約を結ぶため香港へ飛ぶ。しかし、テレサの父・鄧枢(ドン・シュー)は日本人への強い抵抗感から猛反対。一方、香港ではかつてのライバル劉小春(リウ・シャオチュン)が「朱迪劉」と名を変え、テレサに接近。その裏で、舟木は諦めずに鄧枢の店の前で待ち続け、香港ポリグラムの鄭氏はテレサの人柄に感銘を受け、日本行きを後押しする。頑固な父の心は動くのか、そしてテレサは日本進出の夢を叶えられるのか?
26話
嫉妬に駆られたリウ・シャオチュンは、テレサに関するデマを流し、直接対決で逆上してテレサに暴行を加える。しかしテレサは冷静に対処し、リウとの決別を宣言。一方、舟木(ふなき)の熱意が実り、テレサの父はついに日本行きを許可する。ジョンさん(ビル)はリウと海外巡業の契約を結ぶ一方、策略を用いてテレサとジー・フェイの関係を裂く。アメリカから一時帰国したジョウ・タイシェンは、ドゥアン・ニンの受験日にテレサと再会し、未だテレサへの想いを断ち切れない様子を見せる。ドゥアン・ニンは嫉妬と怒りから、テレサと直接話すことを決意する。日本との契約交渉では、テレサ側は日本国籍取得と日本名の拒否、チャイナドレスの着用を条件とし、認められる。
27話
親友・段寧(ドワン・ニン)への想いから、周台生(ジョウ・タイシェン)に決別を告げたテレサ。周台生は過去の自分の行動を深く後悔し、段寧(ドワン・ニン)と酒を飲む。酔った周台生を介抱する段寧(ドワン・ニン)だったが、小羊の機転でトラブルを回避する。一方、テレサは母と共に日本での活動を開始。日本語習得のため街に出たところを記者に誤解され記事にされるが、めげずにチラシ配りを始め、そこで熱心なファンである何立云・趙宇夫妻と出会う。
28話
日本での成功を目指すテレサは、レコード会社から流暢な日本語を求められ猛勉強を開始。テレビで覚えた言葉が下品な男言葉だと判明する珍事件も。日本語上達のため、趙宇の店で働くことを決意する。一方、台湾では段寧(ドワン・ニン)がアメリカ留学を目指し、周敏(ジョウ・ミン)は出所した游英俊(ヨウ・エイシュン)との関係に悩む。周台生(ジョウ・タイシェン)は日本にいるテレサを想い、日本の厳しさを知る。ついに日本デビューが決まり感涙するテレサだが、プロモーションに力を入れるも、デビュー後の反響は乏しく、厳しい現実に直面する。台湾での知名度とは裏腹に、日本ではまだ無名であることを周台生も知ることになる。
29話
日本でのデビュー曲の売上が75位と振るわなかったテレサ・テン。会社は本人に本当の順位を伏せるが、テレサは苦悩する。母親には心配かけまいと強がるが、東京に戻り友人に本音を漏らしたところを偶然母親に聞かれてしまう。傷心のテレサは母親と共に台北へ一時帰国。そこで友人・囡囡から、元恋人・周台生(ジョウ・タイシェン)との別れの真相と、彼が日本人の彼女からテレサの近況を知っていたことを聞かされる。一方、日本のレコード会社ではテレサへの投資継続が議論され、佐佐木らの強い後押しで再挑戦が決定。まずは香港での活動が決まる。
30話
娘・段寧(ドワン・ニン)との口論の末、家出された周敏(ジョウ・ミン)。段寧は周敏のお金を使い込みアメリカへ渡り、周敏の兄・周台生(ジョウ・タイシェン)の家に嘘をついて転がり込む。丫头(ヤートウ)や周敏の説得も虚しく、段寧はアメリカに居座ることを宣言。心労で周敏は倒れてしまう。一方、丫头(ヤートウ)はアメリカ公演の話が舞い込み、段寧と周台生がいるアメリカへ行くチャンスを得る。周敏を心配する游英俊(ヨウ・エイシュン)は、彼女を献身的に支える。
31話
アメリカへ渡ったテレサは、機内で親切な男性ワン・ジョンウェンと出会う。友人ドアン・ニンを探しに周家を訪ねるが、恋敵と誤解したワン・ヨウリンに冷たく追い返されてしまう。偶然再会したワン・ジョンウェンに助けられるが、彼が裕福な実業家であることを知り戸惑う。一方、ドアン・ニン本人にも突き放され傷心のテレサ。そんな中、ワン・ジョンウェンはドアン・ニンを台湾に帰すため移民局を使って脅そうと画策するが、逃げ出したドアン・ニンとジョウ・タイシェンが交通事故に遭ってしまう。計画が裏目に出てしまい、ワン・ジョンウェンは動揺する。
32話
アメリカで怪我をした周台生(ジョウ・タイシェン)を見舞った汪仲文(ワン・ジョンウェン)。周台生(ジョウ・タイシェン)をかばって怪我をさせた(と思われている)段寧(ドワン・ニン)は、周家での立場が悪くなり、汪仲文の妨害もあって仕事も見つからず、失意のまま台湾へ帰国する。帰国間際、段寧(ドワン・ニン)は周台生と汪仲文に意味深な言葉を残す。一方、段寧(ドワン・ニン)を心配してアメリカに来ていたテレサは、汪仲文からの電話に出るが、彼はすぐに切ってしまう。テレサは日本での活動再開のため帰国し、母・趙素桂(ジャオ・スーグイ)も台湾へ戻ることに。汪仲文は再度テレサに連絡を試みるが、趙素桂が電話を切ってしまい、二人はすれ違ったままとなる。
33話
インドネシアを訪れたテレサは、富豪の息子・汪仲文(ワン・ジョンウェン)と再会。以前の誤解が解け、二人の距離は縮まる。一方、汪家では本妻である汪仲文の母と、父の愛人・梅姨の間で、汪老太太の誕生日パーティーを巡る静かな戦いが繰り広げられていた。パーティー当日、テレサは汪仲文の母に頼まれ、サプライズで登場し見事な歌を披露。これにより汪太太は面目を保つ。その後、汪仲文はテレサに自分の過去を正直に話し、真剣な想いを告白する。
テレサ・テン 歌姫を愛した人々 第33話 あらすじ&ネタバレ!誤解は解け、女の戦い勃発!?汪仲文のストレートな想いにキュン!
34話
シンガポールでの出会いを経て日本に戻ったテレサは、過去の失敗から歌への向き合い方を見つめ直す。会社との方針の違いや衝突を乗り越え、舟木(ふなき)らスタッフと共に努力を重ねた結果、新曲「空港」が大ヒット。チャートトップ10入りを果たし、日本での成功を掴む。その喜びの中、汪仲文(ワン・ジョンウェン)とも再会し、未来への希望が描かれる。
35話
汪仲文(ワン・ジョンウェン)は日本でテレサに再アプローチするが、テレサはまだ受け入れられない。『空港』のヒットで特番が決まり台湾へ帰郷したテレサは、親友・段寧(ドワン・ニン)との間にわだかまりを感じるが、再会し互いの道を歩むことを確認する。日本に戻り、新人音楽祭で『空港』が銅賞を受賞。その場に駆けつけた汪仲文との距離が縮まる中、テレサはレコード大賞への挑戦を決意する。一方、汪仲文は、異母弟を役員にするために母の株が狙われていることを知り、株主総会に出席するため帰国を決意する。
36話
父親との確執と株主総会を巡る問題に直面したワン・ジョンウェンは、母親にテレサへの想いを打ち明ける。一方、何も告げずに日本を去ったジョンウェンに心を痛めたテレサは、過去のトラウマも相まって突然声が出なくなってしまう。大事なステージを前に心理的な原因で失声するが、本番直前に奇跡的に声を取り戻し、見事『空港』で新人レコード大賞を受賞する。しかし、その裏でジョンウェンはテレサの元へ駆けつける途中に交通事故に遭い重体に。祝賀会に現れない彼を待ち続けるテレサ。ジョンウェンは、自分の事故のことをテレサには秘密にしてほしいと理恵に頼むのだった。
37話
交通事故で負傷した汪仲文(ワン・ジョンウェン)は、テレサを心配させまいと事実を隠す。一方、テレサは台湾での営業活動が原因で日本の会社での立場が危うくなり、舟木(ふなき)に避けられていると感じ始める。段寧(ドワン・ニン)は客室乗務員となり周台生(ジョウ・タイシェン)に会いに行く。やがてテレサは汪仲文の事故を知り病院へ駆けつける。彼の深い愛情と自分の本当の気持ちに気づき、彼を大切に思うようになる。
38話
過去の恋人ジョウ・タイシェンとの思い出に別れを告げたテレサ・テン。現在の恋人ワン・ジョンウェンとの関係をラジオで示唆し、二人の絆は深まる。しかし、ジョンウェンは家族からのプレッシャーと、テレサに結婚の条件(歌手活動への影響?)を切り出せない悩みを抱える。一方、テレサは父の入院を知り、歌手活動と家族への思いの間で苦悩する。そんな彼女をジョンウェンが慰め、雪の中でキスを交わすが、その瞬間をアメリカから来たジョウ・タイシェンが目撃してしまう。
39話
クリスマスに汪仲文(ワン・ジョンウェン)と再会し、幸せな時間を過ごすテレサ。しかし、汪仲文は仕事のためすぐにローマへ。一方、テレサを忘れられない周台生(ジョウ・タイシェン)は日本へ渡り、彼女の足跡を辿る。段寧(ドワン・ニン)はアメリカで平静を装うが、内心は複雑。テレサは初の単独コンサートに胸を躍らせる中、日本で周台生と再会。彼にアメリカへ帰るよう諭すが、聞き入れられない。そんな中、テレサを驚かせようと来日した汪仲文は、テレサと入れ違いになり、「蝶」で偶然にも周台生と遭遇してしまうのだった。
40話
コンサート準備中にドアン・ニンが現れ、その後ステージで転倒し足を負傷したテレサ・テン。療養のため台湾へ一時帰国する。一方、テレサを追って香港に来たワン・ジョンウェンはまたもすれ違い、彼女を追って台湾へ。テレサは実家でジョンウェンと再会し、彼への想いを自覚する。乱気流に見舞われた飛行機の中で、付き人にジョンウェンへの愛を告白。空港で彼を出迎えると、思わず抱きつき、二人の関係が記者たちの前で明らかになる。同時に、ドアン・ニンの母ジョウ・ミンの再婚を巡る養育費問題や、アメリカへ戻らないジョウ・タイシェンを巡る動きも描かれる。
41話
香港でのコンサートを控えたテレサ・テンはリハーサルに励む。一方、恋人のヴィンセント(ワン・ジョンウェン)は、祖母から「3日以内にテレサとの関係を公表しなければインドネシアに連れ帰る」と迫られる。多忙なテレサに事情を話せないまま期限が迫り、ヴィンセントは祖母と帰国することを約束。コンサート当日、ヴィンセントの不在に心を痛めるテレサだったが、終演後、彼がサプライズで現れる。二人は記者たちの前で手を取り合い、関係を暗に示す。実は、ヴィンセントの誠実な想いを知った祖母が、直前で彼をテレサの元へ行かせたのだった。後日、事情を知ったテレサは祖母に挨拶できなかったことを残念がる。インドネシアのワン家では、一部を除きテレサへの好意的な空気が流れていた。
42話
コンサートを終え日本へ向かったテレサ・テンは、到着早々、偽造パスポート使用の容疑で逮捕されてしまう。それは、嫉妬に駆られた劉小春(リウ・シャオチュン)の密告によるものだった。恋人のヴィンセントは、母が末期がんであることが判明し、すぐには駆けつけられない状況に。一方、テレサへの想いを断ち切ろうとする周台生(ジョウ・タイシェン)は、献身的に支える段寧(ドワン・ニン)との未来を考え始めていた。無実は証明されたものの、日本から1年間の入国禁止処分を受けたテレサは、台湾へは戻らずアメリカでの再起を決意。しかし、スキャンダルの影響でコンサートの宣伝活動は難航する。そんなテレサを、ヴィンセントは陰ながら支えようとするのだった。
43話
アメリカでコンサートの準備を進めるテレサ・テンは、母の看病で渡米していたワン・ジョンウェンと再会。彼のサポートもあり、アメリカでのコンサートは大成功を収め、テレサの名声はさらに高まる。一方、台湾では友人たちにも変化が訪れていた。台湾への帰国の途、飛行機の中でワン・ジョンウェンからプロポーズを受け、テレサは感激して受け入れる。その後、台湾で退役軍人向けの感動的なコンサートを行い、ワン・ジョンウェンを伴って実家へ結婚の挨拶に訪れるが、結婚後の生活拠点や歌手活動継続の意思を巡り、二人の間にわずかな意見の相違も見え始める。ワン・ジョンウェンはインドネシアの家族に結婚を報告。両家の顔合わせは和やかに行われるが、結婚に向けて解決すべき課題も示唆される回となった。
44話
パスポート事件後、舟木(ふなき)の設立した新会社トーラス・レコードと契約し、歌手活動を再開したテレサ・テン。香港で汪仲文(ワン・ジョンウェン)との婚約を発表し、幸せの絶頂にいたが、彼の母・謝宜芳の急逝により結婚式は延期される。さらに、過去に関わった女性・劉小春(リウ・シャオチュン)が起こした騒動がスキャンダルとなり、汪仲文の祖母から芸能界からの完全引退を含む厳しい条件を突き付けられる。テレサは愛のために多くを受け入れるが、レコード制作だけは続けたいと願う。しかし、祖母はそれすら認めず、結婚式の計画も大幅に縮小されることになる。
45話
汪仲文(ワン・ジョンウェン)の祖母が歌手活動の継続に反対したため、テレサ・テンとの結婚話は暗礁に乗り上げる。テレサは歌への情熱と汪仲文への愛の間で苦悩するが、汪仲文はテレサの幸せを思い、祖母の条件を受け入れずに結婚を断念。傷心のテレサはアメリカの友人・段寧(ドワン・ニン)に慰められ、歌手として再起することを誓う。一方、汪家の祖母は自身の判断に迷いを見せ始める。そんな中、段寧(ドワン・ニン)は夫・周台生(ジョウ・タイシェン)が自分の誕生日を忘れたことに腹を立て、息子と家出してしまう。
46話
夫・周台生(ジョウ・タイシェン)と喧嘩し家出した段寧(ドワン・ニン)(ドワン・ニン)が息子を連れて日本にいるテレサ(鄧麗君(ドン・リージュン)を頼ってくる。仕事面では逆風に晒されながらも、テレサは新アルバム『償還』をリリースし、そのタイトルに想いを込める。迎えに来た台生と段寧(ドワン・ニン)の溝は埋まらないまま、段寧(ドワン・ニン)は父・段立天(ドァン・リーティエン)の手術のため帰国する。台湾では、母・周敏(ジョウ・ミン)と游英俊(ヨウ・エイシュン)の関係が進展するかに見えた矢先、游英俊が交通事故で急逝してしまう。大きな悲しみに包まれる一方で、テレサの『償還』は空前の大ヒットを記録するが、成功の祝賀会には亡くなった人々の影が色濃く付きまとうのだった。
47話
打ち上げの後、酔って転んだテレサは画家のマークに助けられる。二人は互いに惹かれ合うが、マークはテレサが有名歌手だと気づかない。マークは仕事で約束をすっぽかしてしまい、傷心のテレサは日本を去る。空港ですれ違った後、マークはカセットテープを見て彼女がテレサ・テンだと知り後悔する。一方、台湾に戻ったテレサは病床の父から、恋愛に臆病にならず愛する勇気を持つよう励まされる。
48話(最終回)
日本に戻ったテレサは、過去の恋人・汪仲文(ワン・ジョンウェン)と決別し、コンサートでウェディングドレス姿で熱唱する。その直後、母から父の訃報を知らされ、深い悲しみに暮れる。悲しみを乗り越え、画家マークと新たな恋を始めるが、タイ旅行中に持病の喘息発作を起こし、42歳の若さで急逝する。歌姫テレサ・テンの人生は幕を閉じるが、その歌声は永遠に人々の心に残る。
キャスト、登場人物

鄧麗君(ドン・リージュン)
陳妍希(ミシェル・チェン)

汪仲文(ワン・ジョンウェン)
何潤東(ピーター・ホー)

趙素桂(ジャオ・スーグイ)
江珊(ジアン・シャン)

周台生(ジョウ・タイシェン)
彭冠英(ポン・グアンイン)