蔵海<ザンハイ>伝

あらすじ

物語は、大雍王朝の時代。天文や暦を司る朝廷の重要機関「欽天監」長官の息子として生まれた主人公・稚奴(ジーヌー)は、ある日突然、一族を皆殺しにされるという悲劇に見舞われる。ただ一人生き残った彼は、胸に血の滲むような復讐を誓い、名を「蔵海(ザンハイ)」と改め、顔も変えて世間から姿を消した。

それから10年。蔵海(ザンハイ)は、建築学やからくりなどの「営造学」、風水や地理を読み解く「堪輿術」、そして弁舌と策略で人心を操る「縦横術」といった、武力に頼らない特殊な知識と技術を徹底的に学び、復讐の牙を研ぎ澄ませていた。

ついに彼は、卓越した謀士(策略家)として都に舞い戻り、最大の仇敵である権力者・平津侯(へいしんこう)の信頼を勝ち取り、その懐へと潜り込むことに成功する。侯爵家から宮廷へと暗躍の舞台を移し、権謀術数が渦巻く中で、蔵海は着実に復讐の駒を進めていく。

しかし、ついに仇を討つ好機を得たとき、彼は自分が追い求めていたものが、巨大な国家転覆の陰謀のほんの一端に過ぎなかったことを知る。個人の復讐心は、やがて虐げられる民を救い、国を守るという大義へと昇華していく。先が見えない暗闇の中、蔵海は愛する者や仲間たちと手を取り、真の黒幕が仕掛けた巨大な陰謀のすべてを暴くため、いばらの道を進むことを決意する。

【見どころ】

1. 武力ではなく「知」で戦う、新感覚の復讐劇

本作の主人公・蔵海は、武術を一切使いません。彼の武器は、長年かけて習得した「知識」と「策略」です。星の動きから天災を予測して敵の計画を頓挫させたり、伝統建築の知識(榫卯-そんぼう-:ほぞ継ぎ構造など)を利用して敵の追跡を振り切る罠を仕掛けたりと、その知的な戦い方は非常に斬新です。単純な爽快さだけでなく、主人公が時に過ちを犯し、苦悩しながらも成長していく人間的な姿が丁寧に描かれており、予測不能なサスペンスフルな展開から目が離せません。

2. 『宮廷の諍い女』の監督が贈る、圧倒的な映像美と重厚な世界観

総監督を務めるのは、大ヒットドラマ『宮廷の諍い女』や『ミーユエ 王朝を照らす月』で知られる名匠・鄭暁龍(ジョン・シャオロン)。その手腕は本作でも遺憾なく発揮されています。架空の王朝でありながら、明代の様式をベースにデザインされた衣装や美術は、重厚かつ荘厳。特に、物語の主要な舞台となる平津侯府のセットは、半年もの時間をかけて本物の木材で組み上げられるなど、細部にまでこだわり抜いた映像美は必見です。

3. 物語に深く溶け込む、中国の無形文化遺産の数々

本作の大きな魅力の一つが、中国の伝統文化や無形文化遺産が、単なる背景ではなく物語を動かす重要な要素として組み込まれている点です。「皮影戯(ピーインシー:影絵芝居)」が朝廷の権力闘争を暗示するメタファーとして使われたり、「薬発木偶(やくはつもくぐう:火薬で動くからくり人形)」が重要なシーンで登場したりと、18種類以上もの伝統技術がストーリーに深みと独特の美学を与えています。これらの要素が、復讐劇に神秘的で幻想的な彩りを添えています。

4. 個人の復讐から国家の大義へ――主演シャオ・ジャンの熱演が光る深遠なテーマ

主演は、日本でも絶大な人気を誇る肖戦(シャオ・ジャン)。彼は、一族を失った悲しみと燃えるような復讐心を内に秘めた複雑な主人公・蔵海を、繊細かつ力強く演じています。物語は単なる復讐譚に留まらず、蔵海が権力者に虐げられる民衆の苦しみを知ることで、個人的な恨みを超え、腐敗した体制そのものと対峙していく壮大なヒューマンドラマへと発展します。彼の人間的な成長と、仲間や愛する人との絆を通して描かれる「家国への想い」は、深い感動を呼び起こすでしょう。

各話あらすじとネタバレ

  1. 1話

    欽天監大将軍の父を持つ利発な少年、稚奴(ジーヌー)。彼は父が監督する国家事業の現場で事故が起き、父は死んだと告げられる。悲しむ稚奴の前に、その夜、死んだはずの父が傷だらけで帰還した。すぐにここから逃げるぞと一家に脱出を促す父。しかし、時すでに遅く、一家は兵に包囲されてしまう。平穏な家族の日常が、たった一夜で地獄へと変わる、壮大な復讐劇の序章が描かれる。

    蔵海<ザンハイ>伝 第1話 あらすじとネタバレ

  2. 2話

    家族を皆殺しにされ、一人だけ生き残った稚奴(ジーヌー)。彼は謎の仮面の男に助けられ、仇である高官・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)への復讐を誓う。復讐を果たすため、稚奴は星斗大師(セイトタイシ)という厳しい師匠のもとへ送られる。そこで顔を変え、武術やからくりの技術、さらには心理戦まで、10年にも及ぶ想像を絶する訓練を積む。すべての修業を終えた彼は蔵海(ザンハイ)という新しい名前と身分を得る。ついに復讐計画を実行するため、混乱する都へと向かう準備が整った。

    蔵海<ザンハイ>伝 第2話あらすじネタバレ 復讐の始まり

  3. 3話

    10年の修行を終え、稚奴(ジーヌー)は蔵海(ザンハイ)と名を変えて復讐のため都へ向かう。師匠の言いつけで訪れた妓楼枕楼で、彼は女将の香暗荼(シアン・アン・トゥー)と出会う。そこで朝廷を風刺する影絵芝居を見た蔵海は、宮中の権力争いを知る。だが、香暗荼のとっさの嘘が原因で、蔵海は役人から追われる身となってしまう。なんとか窮地を脱したものの、今度は横暴な権力者・平津侯に捕らえられ、罠だらけの地下牢に監禁されてしまう。

    蔵海<ザンハイ>伝 第3話 あらすじネタバレ

  4. 4話

    家族の仇である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に復讐するため、蔵海(ザンハイ)は危険な賭けに出る。自ら風水師と名乗り、捕らえられることで仇の懐に潜入しようと試みた。彼が連れて行かれたのは、生きては戻れないと噂される恐怖の地下宮殿。九死に一生を得た蔵海は、その類まれな才覚を莊蘆隱に認められる。

    太后の埋葬という国家的な難題を解決するよう命じられた蔵海。彼は科学知識と巧みな話術を駆使して、この難題に挑む。見事に信頼を勝ち取り、ついに幕僚として莊蘆隱の屋敷に迎え入れられた。しかし、そこでは筆頭幕僚である楊真(ヤン・ジェン)との、新たな権力争いが彼を待ち受けていた。

    蔵海<ザンハイ>伝 第4話 あらすじとネタバレ

  5. 5話

    仇のいる平津侯府に潜入した蔵海(ザンハイ)。だが、目的の人物である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に近づくことはできずにいた。そんな中、幕僚のトップである楊真(ヤン・ジェン)は、蔵海の才能と存在を危険視し、彼を侯府から追い出すための罠を仕掛ける。蔵海は財庫の整理中に、莊蘆隱の次男である荘之行(ジュアン・ジーシン)と偶然出会う。この出会いが、膠着した状況を動かすきっかけになるかもしれない。一方、蔵海への嫉妬と焦りを募らせた楊真たちは、彼を陥れるため、非道な宴会を開く。敵の懐深くで、蔵海は卑劣な策略と対峙することになる。

    蔵海<ザンハイ>伝 第5話 あらすじとネタバレ

  6. 6話

    都で広まる先帝の霊の噂。その騒動の責任を押し付けられる形で、蔵海(ザンハイ)は皇陵の修繕を命じられる。これは、彼を陥れるための巧妙な罠だった。蔵海は敵の狙いを承知の上で、この危険な任務を引き受ける。皇陵では、水浸しの謎や父の過去を知る人物との出会いが彼を待っていた。一方、都に残った相棒の高明(ガオ・ミン)も、蔵海を助けるためにある奇策に打って出る。敵の包囲網が狭まる中、蔵海は知恵を武器に絶体絶命のピンチに立ち向かう。

    蔵海<ザンハイ>伝 第6話 あらすじとネタバレ

  7. 7話

    3ヶ月に及ぶ皇陵の修繕。蔵海(ザンハイ)と工匠たちは、ついに大仕事をやり遂げた。だが、彼らを待っていたのは褒美ではなく、あまりに非情な命令だった。褚懐明(チョカイメイ)の陰謀により、蔵海たちは太后の殉葬者として地宮に閉じ込められてしまう。毒入りの食事、脱出を阻む数々の罠。仲間たちが次々と命を落とす絶望的な状況。蔵海は残された仲間を救うため、己の知略と勇気のすべてを懸けて、決死の脱出劇に挑む。果たして、光を見ることはできるのか。

    蔵海<ザンハイ>伝 第7話 あらすじとネタバレ

  8. 8話

    楊真(ヤン・ジェン)たちが仕掛けた完璧な罠により、蔵海(ザンハイ)は皇陵で絶体絶命の危機に陥る。しかし、蔵海は協力者の高明(ガオ・ミン)と連携し、誰もが驚く方法でこの窮地を切り抜ける。生き延びた蔵海は、彼を強く疑う平津侯・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)と直接対峙することになる。言葉巧みに莊蘆隱を説得し、その信頼を得ようと試みる蔵海。府内での立場が危うくなる中、彼は自らの知略だけを武器に、新たな地位を築くため大胆に動き出す。その一方、謎に包まれた枕楼の主人・香暗荼(シアン・アン・トゥー)が、蔵海に接触してくる。

    蔵海<ザンハイ>伝 第8話あらすじとネタバレ

  9. 9話

    平津侯の一番の幕僚となった蔵海(ザンハイ)は、主君の名を使って民衆に施しを行い、その名声を高めていく。しかし、その動きを快く思わない枕楼の女主人・香暗荼(シアン・アン・トゥー)は、蔵海の評判を貶めるため、都に悪意ある噂を流し始める。そんな中、蔵海のもとにお前の本当の目的を知っていると書かれた謎の脅迫状が届く。その手紙をきっかけに、彼は侯府の奥深くで、自らの過去に関わる衝撃的な秘密と対面することになる。さらに、予期せぬ人物に命を狙われた蔵海は、絶体絶命の状況で、長年探し続けていた人物との運命的な再会を果たす。

    蔵海<ザンハイ>伝 第9話あらすじネタバレ

  10. 10話

    師兄の観風(グアンフォン)は、父が残した宝の手がかりを追い、古い墓の探索に向かう。しかし、そこで見つけたのは宝ではなく、父が作った危険な仕掛け箱だった。蔵海(ザンハイ)はその箱を使い、父の仇である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の暗殺を計画するが、彼の罠にはまり失敗に終わる。謎の仮面の人物に助けられた蔵海は、自分の本当の敵が莊蘆隱だけでなく、宮廷の大物を含む三人いるという衝撃の事実を知らされる。復讐を焦る気持ちを抑え、今は耐え忍ぶことを決意する。

    蔵海<ザンハイ>伝 第10話 あらすじネタバレ

  11. 11話

    枕楼の女主人・香暗荼(シアン・アン・トゥー)に協力を断った蔵海(ザンハイ)は、彼女が都に流した悪評に悩まされる。復讐計画への影響を恐れた蔵海は、香暗荼に謝罪し、噂を収めてもらうことで取引する。一方、蔵海は三人目の仇の情報を得るため、新たな計画に着手していた。彼の次のターゲットは、父・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)に疎まれている放蕩息子の荘之行(ジュアン・ジーシン)。彼を後継者に仕立て上げ、侯爵家の懐に潜り込む算段だ。蔵海は巧みに荘之行に近づくが、荘之行は蔵海の正体が、かつて自分が知る少年・稚奴(ジーヌー)であることを見抜いてしまう。父への復讐心を知った荘之行は、蔵海に都を去るよう迫る。

    蔵海<ザンハイ>伝 第11話 あらすじとネタバレ

  12. 12話

    夜、母の墓を訪れた荘之行(ジュアン・ジーシン)から衝撃的な事実を告げられる。それは、母の死がただの病死ではなかったかもしれないという可能性だった。蔵海の言葉を信じられずにいた荘之行だが、父や継母の不審な態度を目の当たりにし、自ら真相を探る決意を固める。これまで家族から冷遇され、無力だった彼が、過去に隠された謎と向き合い始める。一方、蔵海は荘之行の中に自分と同じ復讐の炎を見出し、彼に意外な提案を持ちかける。二人の運命が交錯し、物語は新たな局面を迎える。

    蔵海<ザンハイ>伝 第12話 あらすじとネタバレ

  13. 13話

    蔵海(ザンハイ)は復讐計画の新たな一手として、仇敵の息子である荘之行(ジュアン・ジーシン)に接近する。京城一の放蕩息子として知られる彼を、ある競技会で優勝させるという大胆な計画だ。蔵海の厳しい指導と巧みな策略のもと、荘之行は地獄の特訓に耐え、心身ともに生まれ変わっていく。そして迎えた試合当日、彼は周囲の予想を裏切る大活躍を見せ、一夜にして京城の注目の的となる。しかし、その華々しい成功の裏で、朝廷の大物である曹静賢(ツァオ・ジンシエン)が蔵海に不審の目を向け始めていた。静かに、だが確実に、新たな脅威が蔵海に迫っていた。

    蔵海<ザンハイ>伝 第13話 あらすじとネタバレ

  14. 14話

    蔵海(ザンハイ)は、宿敵・曹静賢(ツァオ・ジンシエン)の右腕である陸烬(ルージン)を排除するため、危険な賭けに出る。彼は謎多き女性香暗荼(シアン・アン・トゥー)に協力を求め、大胆不敵な計画を実行に移した。一方、腹心の帰りを待つ曹静賢は焦りを募らせ、蔵海への圧力を強めていく。平津侯府を舞台に、蔵海は敵の目を欺くための大掛かりな芝居を打つ。それは、何も知らないはずの平津侯・莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)やその家族をも巻き込む、一歩間違えれば全てが崩壊する策略だった。偽装と裏切りが交錯する一夜が、新たな波乱の幕を開ける。

    蔵海<ザンハイ>伝 第14話 あらすじとネタバレ

  15. 15話

    自分を手に入れようとする権力者・曹静賢(ツァオ・ジンシエン)の動きを察知した蔵海(ザンハイ)。彼は、曹静賢が放った刺客を逆手に取り、巧妙な罠を仕掛ける。その結果、蔵海の現在の雇い主である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)と曹静賢の対立は、さらに激しく燃え上がる。一方、蔵海は天象を読み解き、国を揺るがす重大な災害を予測する。それは、朝廷の公式見解とは真逆のものだった。自らの予測の正しさを証明するため、蔵海は己の命を賭けた危険な賭けに出る。

    蔵海<ザンハイ>伝 第15話 あらすじとネタバレ

  16. 16話

    蔵海(ザンハイ)の将星が落ちるという不吉な予言に、侯爵の莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)は不安を募らせる。一方、蔵海のライバルである褚懐明(チョカイメイ)は、待望の雨が降ったことで手柄を立て、有頂天になっていた。しかし、その雨は恵みではなく、やがて中州に大災害をもたらす。責任者である褚懐明は一気に追い詰められていく。牢獄の中から、蔵海は次の一手を打つ。彼の知略は、敵も味方も巻き込み、事態を誰も予想しなかった方向へと導いていく。絶体絶命の危機を、蔵海は乗り越えることができるのか。

    蔵海<ザンハイ>伝 第16話 あらすじネタバレ

  17. 17話

    蔵海(ザンハイ)は卓越した観測技術で民を救い、敵対していた褚懐明(チョカイメイ)を完全に失脚させる。その功績で、権力者である莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)の絶大な信頼を得ることに成功した。蔵海はさらに彼の内面に深く入り込むため、巧みな話術で莊蘆隱の心の壁を溶かしていく。信頼を得た蔵海は、莊蘆隱から彼の過去にまつわる大きな秘密と、ある特別な依頼を打ち明けられる。一方、蔵海自身も大きな出世を果たし、父の職場であった欽天監の長官に就任。新たな舞台で、彼の次なる一手と新たな挑戦が始まる。

    蔵海<ザンハイ>伝 第17話 あらすじとネタバレ

  18. 18話

    欽天監のトップに就任した蔵海(ザンハイ)は、早速、腐敗した組織の大改革に着手する。役人たちの抵抗をものともせず、死後の結婚相手を探す悪習配殤の黒幕を追い詰め、一網打尽に。その一方で、訪ねてきた香暗荼(シアン・アン・トゥー)には、復讐を理由に想いを告げられず、関係はすれ違う。物語の最後、彼は自らの悲劇的な過去と向き合い、すべてを背負って進むための新たな決意を固める。

    蔵海<ザンハイ>伝 第18話 あらすじとネタバレ

キャスト、登場人物

蔵海<ザンハイ>伝

蔵海(蔵海)
肖戦(シャオ・ジャン)

蔵海<ザンハイ>伝

香暗荼
張婧儀(チャン・ジンイー)

蔵海<ザンハイ>伝

荘之行(ジュアン・ジーシン)
周奇(ジョウ・チー)

蔵海<ザンハイ>伝

莊蘆隱(ジュアン・ルーイン)