あらすじ
中国史上、初めて北方騎馬民族がユーラシア大陸東部を支配した「征服王朝」である「遼」 。その遼に実在し、国を強国へと導いた伝説の皇后、睿智蕭皇后(えいちしょうこうごう)の激動の生涯を描いた本格歴史エンターテインメントです 。
契丹(きったん)人が建国した遼の時代、皇后を輩出する后族(こうぞく)として名高い蕭家の三女・蕭燕燕(しょう・えんえん) は、父や二人の姉の愛情を一身に受け、何事にも物怖じしない勇敢で利発な女性に育ちました 。彼女は、漢民族でありながら遼に仕える有能な将軍・韓徳譲(かんとくじょう)と出会い、国の未来を語り合ううちに深く惹かれ合い、将来を誓い合います 。
しかし、当時の宮廷では暴君として知られる第4代皇帝・穆宗(ぼくそう)への不満が高まり、皇位をめぐる熾烈な権力闘争が水面下で進行していました 。その中で、后族の筆頭である蕭家の三姉妹は、王位簒奪の切り札と見なされ、否応なく政争の渦に巻き込まれていきます 。長女・胡輦(これん)は穆宗の弟・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)へ、次女・烏骨里(うこつり)は初代皇帝の孫・耶律喜隠(やりつきいん)へと嫁ぐことが決まります 。
一方、暗殺された前皇帝の息子で、病弱ながらも大志を抱く耶律賢(やりつけん) は、その聡明さと先見の明を持つ蕭燕燕(しょう・えんえん) こそが、自らの皇后にふさわしいと考えます 。そして彼は、無二の親友であった韓徳譲(かんとくじょう)から、燕燕を奪うことを決意するのでした 。
愛する人との未来か、国のための宿命か。引き裂かれた愛の末に、蕭燕燕(しょう・えんえん) は皇后として生きる道を選び、やがて遼の歴史にその名を刻む伝説の女性となっていきます 。
見どころ
知られざる「遼」の時代を描く、壮大な歴史ロマン
これまで中国の歴史ドラマではあまり描かれることのなかった「遼」の時代を本格的に描いた貴重な作品です 。原作者自身が脚本に参加し、豊富な史料研究に基づいて物語を構築。遊牧民族ならではのダイナミックな文化や風習、内モンゴルで撮影された壮大な自然の風景、出土品を基に復元された豪華絢爛な衣装や装飾品など、知られざる遼の世界観をリアルに体感できます 。
愛と宿命に生きた「鉄血紅顔」の生涯
本作のヒロイン蕭燕燕は、ただ守られるだけの存在ではありません。恋に生きる純粋な少女から、病弱な夫に代わって国政を動かし、後には幼い皇帝を支える皇太后として自ら軍を率いるまでに成長します 。その姿は「鉄の血を持つ強い美女(鉄血紅顔)」と称されました 。愛する者との切ないロマンス、姉妹との絆と対立、そして国母としての決断など、一人の女性の波乱に満ちた一代記が重厚に描かれます。
豪華オールスターキャストが織りなす人間ドラマ
主演は、本作が産後復帰作となったトップ女優のティファニー・タン 。彼女が演じる蕭燕燕は、中国の配信サイトで「最も人気のあるキャラクター」に選ばれるなど絶大な支持を得ました 。さらに、燕燕と生涯にわたる愛を育む韓徳譲(かんとくじょう)を『楚喬伝』のショーン・ドウ、二人の仲を引き裂く皇帝・耶律賢(やりつけん) を『如懿伝』のジン・チャオ、そして長姉・胡輦を『瓔珞』のシャーメイン・シェーが演じるなど、中国時代劇のヒット作を支えてきたオールスターキャストが集結しています 。彼らの熱演が、愛と陰謀が渦巻く複雑な人間関係をより一層引き立てます。
権力に翻弄される三姉妹の絆と哀しき対立
この物語は、蕭燕燕一人の物語ではありません。それぞれが敵対する皇族に嫁いだ三姉妹の生き様も、物語の重要な軸となっています 。妹たちのために自身を犠牲にする長女・胡輦、愛する夫のために権力闘争に身を投じる次女・烏骨里 。固い絆で結ばれていた三姉妹が、それぞれの愛と立場のためにすれ違い、やがて国を揺るがす対立へと向かっていく様は、非常にドラマティックで見ごたえがあります 。
各話あらすじとネタバレ(全48話)
1話
遼の北府宰相の末娘・蕭燕燕(しょう・えんえん) は、男勝りで活発な少女。ある日、彼女は街で出会った兵士・韓徳譲(かんとくじょう)が乗る見事な馬に一目惚れする。どうしてもその馬が欲しい燕燕は、とんでもない行動を起こし、大きな騒動に発展してしまう。一方、都では水面下で皇帝の座を巡る権力争いが静かに始まっていた。復讐を誓う皇子・耶律賢(やりつけん) は、無二の親友である韓徳譲を都に呼び寄せる。二人の出会いが、やがて国の運命を大きく揺るがしていくことになる。
2話
どうしても腕試しがしたい蕭燕燕(しょう・えんえん) は、男しか出られない射柳大会に、なんと男装して潜り込むことを決意する。そこで彼女は、運命の相手ともいえる韓徳譲(かんとくじょう)と、優勝をかけて火花を散らすことになるんだ。一方で、宮廷では皇帝の猜疑心が渦巻いていて、不穏な空気が漂い始める。燕燕の大胆な行動が、やがて彼女自身と周りの人々の運命を大きく揺さぶっていくことになる、波乱に満ちた回だよ。
3話
蕭家の三姉妹、それぞれに恋の予感が訪れる。次女の烏骨里は、皇族の耶律喜隠(やりつきいん)の情熱的なアプローチに心を奪われる。一方、三女の燕燕は、韓徳譲(かんとくじょう)との手合わせ稽古中に思わぬハプニングで急接近する。その裏で、皇位を狙う耶律賢(やりつけん) は、韓徳譲の助けを借りて重臣・蕭思温(しょう・しおん)に接触し、協力を得ようと動いていた。しかし、その密会は太平王(たいへいおう)に察知されてしまう。草原を舞台にした緊迫した追跡劇が始まり、何も知らない燕燕も、その渦中へと巻き込まれていく。
4話
捺鉢(ナーボー,辽帝の行营)からの帰り道、皇帝一行が刺客に襲われる。耶律賢(やりつけん) は身を挺して皇帝をかばい、信頼を得ることに成功する。彼は、この襲撃が耶律李胡(やりつりこ)とその息子・喜隠の仕業だと見抜いていた。一方、追い詰められた喜隠は、蕭家の次女・烏骨里に接近し、彼女の純粋な恋心を利用しようと企む。時を同じくして、辺境で戦が勃発。太平王(たいへいおう)は酔いつぶれた皇帝を無理やり出陣させ、都の実権を掌握する。そんな中、烏骨里は愛する喜隠のために、蕭家を揺るがす重大な過ちを犯してしまう。
5話
謀反の罪で投獄された耶律喜隠(やりつきいん)と父・李胡。この危機に、蕭家の三姉妹はそれぞれが信じる道を選び、動き出す。次女の烏骨里は、恋人である喜隠への愛を貫こうと必死になる。長女の胡輦は、そんな妹を救うため、太平王(たいへいおう)を前に大きな決断を迫られることになる。一方、三女の燕燕は、父・蕭思温(しょう・しおん)に迫る危機を阻止するため、韓徳譲(かんとくじょう)と共に危険な密書の奪取作戦に挑む。彼女の無謀ともいえる行動が、図らずも徳譲との距離を縮めていく。姉妹それぞれの愛と覚悟が試される、見逃せない展開が続く。
6話
韓徳譲(かんとくじょう)と李思(りし)の婚約話を耳にし、深く傷ついた蕭燕燕(しょう・えんえん) 。 誤解からその場を飛び出した彼女は、ある危険な計画を思いつく。それは、国医になりすまして宮殿へ忍び込むという、あまりにも大胆なものだった。 目的の密書を手に入れる寸前で失敗し、絶体絶命の危機に陥る燕燕。しかし、彼女の計画に気づいた韓徳譲の助けによって、なんとか窮地を脱する。この事件をきっかけに、二人の間の誤解は解け、その絆はより一層強いものになっていく。
7話
南の軍が撤退し、都に平和が戻るかと思われた。しかし、主上が酒に溺れて暴走を始める。謀反の疑いをかけられた者たちに、次々と厳しい処分が下されるんだ。その中には、蕭家の三姉妹に関わる人物も含まれていた。蕭家の父、蕭思温(しょう・しおん)は娘たちの将来を案じ、厳しい決断を迫られる。一方、韓徳譲(かんとくじょう) は、宮廷内の権力争いを利用して、自分たちの目的を果たそうと画策する。それぞれの恋と野望が複雑に絡み合い、事態は誰も予想しない方向へ動き出す。
8話
蕭家の三姉妹に、政略結婚の荒波が押し寄せる。長女・胡輦は太平王(たいへいおう)から、次女・烏骨里は趙王・喜隠から、それぞれ強引な求婚を受ける。家族と一族の未来のため、姉たちは大きな決断を迫られることに。一方、韓徳譲(かんとくじょう)との愛を育む三女・燕燕は、姉たちの苦悩に心を痛める。そんな中、病弱な皇子・耶律賢(やりつけん) もまた、燕燕への想いを募らせながら、独自の動きを見せ始めていた。
9話
蕭家の長女・胡輦は、家族を守るため太平王(たいへいおう)・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)に嫁ぐことを決意する。その決断に末っ子の燕燕は納得できず、次女・烏骨里と激しく衝突するが、やがて和解し、三姉妹は嫁入り前夜を共に過ごす。婚礼当日、胡輦と太平王、そして烏骨里と耶律喜隠(やりつきいん)の二組は、対照的な状況で新しい門出を迎える。太平王邸が多くの祝賀客で賑わう一方、喜隠邸は静まり返っていた。姉たちを送り出した燕燕は、彼女たちの未来を案じながらも、自らの周りでうごめく大きな陰謀の気配を察知し始める。
10話
姉たちの結婚で少し落ち込んでいた蕭燕燕(しょう・えんえん) は、草原で耶律賢(やりつけん) と語り合い、彼の人柄に惹かれ始める。二人は秘密の友人となった。宮廷では、長女の胡辇が夫と共に歓迎される一方、次女の烏骨里は夫の喜隠と冷遇され、屈辱を味わう。そんな中、燕燕は恋人の韓徳譲(かんとくじょう)と過ごしている最中、ある皇族の男に絡まれてしまう。徳譲は燕燕を守るために怪我を負わされた。その頃、耶律賢は太平王(たいへいおう)の監視をかわすため、燕燕に協力を求め、ある計画を実行に移す。
11話
韓徳譲(かんとくじょう)を想う蕭燕燕(しょう・えんえん) の前に、彼の縁談相手と名乗る女性が現れる。二人の間に気まずい空気が流れる中、燕燕は自分の気持ちをストレートにぶつける。一方、耶律賢(やりつけん) は燕燕にさらに接近し、友人として相談に乗りながらも、意味深な言葉をかける。彼の本当の目的が少しずつ見え隠れし始める。嫁いだ姉たちの生活にも明暗が分かれ、三姉妹それぞれの運命が大きく動き出す。恋人たちの小さな誤解と、大きな決意が描かれる回。
12話
韓徳譲(かんとくじょう)はついに父の許しを得て、蕭燕燕(しょう・えんえん) に正式な求婚をする。燕燕もその想いを受け入れ、二人の未来は輝かしいものに思えた。しかし、同じ頃、宮廷では主上の常軌を逸した行動が国に暗い影を落としていた。国の未来を深く憂う耶律賢(やりつけん) は、ある重大な決意を固める。そんな中、幸せの絶頂にいる恋人たちとは裏腹に、皇族の一人が主上の逆鱗に触れてしまう。この事件は宮廷を震撼させ、多くの人々の運命を大きく狂わせていくことになる。幸せな恋と、宮廷の深い闇が交錯する回だ。
13話
弟・只没(しぼつ)が宮刑に処され、心を痛める耶律賢(やりつけん) 。彼は掟を破り宮殿を抜け出し、約束の酒楼で待っていた蕭燕燕(しょう・えんえん) にだけ、胸に秘めた弱さを見せる。一方、韓徳譲(かんとくじょう)は激しさを増す権力争いに愛する燕燕を巻き込むことを恐れ、結婚に踏み切れずにいた。そんな中、耶律賢は太平王(たいへいおう)らの監視から逃れるため、ある結婚式の場で大胆な策を実行に移す。それぞれの思惑が交錯し、燕燕を巡る運命の歯車が静かに、だが確実に狂い始める。
14話
次女・烏骨里の妊娠という喜ばしい知らせは、暴君である主上を恐れ、秘密にされる。一方、韓徳譲(かんとくじょう)は命がけの計画を前に燕燕との未来を思い悩み、燕燕は彼を支える固い決意を示す。そんな中、耶律賢(やりつけん) は燕燕を皇后に迎えるという野望を彼女の父・蕭思温(しょう・しおん)に直接告げ、協力を迫る。嫁ぎ先と思惑の違いから、かつては仲の良かった蕭家の三姉妹の間にも、少しずつ見えない溝が生まれていく。それぞれの運命が、国の未来を巻き込みながら大きく動き出そうとしていた。
15話
残虐な振る舞いを続ける主上に、ついに家臣たちの不満が爆発し、歴史を揺るがす事件が起きる。この機を逃さず、耶律賢(やりつけん) を玉座に就かせようと、韓徳譲(かんとくじょう)は極秘の作戦を開始する。作戦の鍵を握るのは、都を出るための令牌。恋人のため、そして国の未来のために、蕭燕燕(しょう・えんえん) は危険な賭けに出る。一方、帝位を狙う太平王(たいへいおう)や耶律喜隠(やりつきいん)も動き出し、事態は一刻を争う展開に。雪の降る黒山で、遼の新たな時代が幕を開ける。
16話
ついに耶律賢(やりつけん) が新皇帝として即位する。しかし、王位を狙っていた太平王(たいへいおう)はこれを認めず、武力で王座を奪おうと反乱を起こす。太平王の妻である胡輦は、自分の父・蕭思温(しょう・しおん)が新帝側についたことを知り、激しく動揺する。父への忠誠か、夫への愛か。板挟みになった彼女は、人生を左右する大きな決断を迫られることになる。一方、妹の烏骨里もまた、夫・喜隠の野心のために動き出す。蕭家の三姉妹、それぞれの運命が大きく動き出す、見逃せない回だ。
17話
韓徳譲(かんとくじょう)との結婚を控え、幸せの絶頂にいた蕭燕燕(しょう・えんえん) 。しかし、新皇帝となった耶律賢(やりつけん) が、燕燕を后として迎え入れるという驚きの勅命を下す。許嫁がいると知った上での、あまりにも強引な決定だった。父・蕭思温(しょう・しおん)からも結婚を迫られ、燕燕は激しく抵抗する。一方、親友に恋人を奪われる形となった徳譲も怒りに燃え、皇帝に直談判するが、事態は変わらない。追い詰められた燕燕と徳譲は、すべてを捨てて二人で生きるため、重大な決断を下す。しかし、その先には過酷な運命が待ち受けていた。
18話
愛する韓徳譲(かんとくじょう)との逃避行を試みた蕭燕燕(しょう・えんえん) だったが、姉の胡輦によって阻まれてしまう。抵抗した韓徳譲は血まみれの重傷を負い、燕燕は彼の命を救うため、皇帝・耶律賢(やりつけん) に嫁ぐという過酷な運命を受け入れざるを得なくなる。一命を取り留めた韓徳譲は耶律賢への憎しみを募らせ、燕燕もまた絶食によって抵抗の意思を示す。二人の純粋な愛が、国の権力と思惑によって無残に引き裂かれていく。周りの人々もそれぞれの立場で動き、事態はさらに複雑な様相を呈していくのだった。
19話
愛し合う韓徳譲(かんとくじょう)と蕭燕燕(しょう・えんえん) に、運命の別れが訪れる。皇帝・耶律賢(やりつけん) との婚礼を前に、燕燕は絶望の淵にいた。韓徳譲は最後の夜に燕燕を訪ね、互いの想いを確かめ合うが、結ばれない現実を突きつけられる。燕燕が悲しみを胸に婚礼の日を迎える一方、韓徳譲は大きな決断を下し、思い出の地である上京を去る。引き裂かれた二人の愛と、それぞれの新たな道が始まる、涙なくしては見られない回だ。
20話
皇帝・耶律賢(やりつけん) と望まぬ結婚をした蕭燕燕(しょう・えんえん) 。二人の初夜は冷え切ったものとなり、宮殿での生活は気まずさから始まる。一方、愛する人を奪われた韓徳譲(かんとくじょう)は都を離れ、一人旅に出る。旅の途中で彼は、遼が抱える深刻な社会問題に直面し、改革への決意を新たにする。宮中では、耶律賢が着々と政治の基盤固めを進める中、それぞれの思惑が動き出す。反発しあうばかりだった燕燕と耶律賢の関係にも、彼の孤独と大志に触れることで、少しずつ変化の兆しが見え始める回だ。
21話
皇帝・耶律賢(やりつけん) は、権力基盤を固めるため、重臣・女里(じょり)の姪である喜哥(きか)を新たな妃として迎える。 この政略結婚を、貴妃の蕭燕燕(しょう・えんえん) は冷静に受け止めるが、対抗心を燃やす喜哥は早々に燕燕に敵意をむき出しにし、宮廷に波風を立て始める。 一方、耶律賢は燕燕との心の距離を縮めようと、不器用ながらも努力を続ける。そんな中、二人は先帝の陵墓を訪れ、共に漢制改革を進めるという国の未来に向けた決意を新たにするのだった。
22話
韓徳譲(かんとくじょう)は旅先の部族で、人身御供の悪習を正そうと奮闘する。彼は陰謀を暴き、新しい族長を助けて部族に改革をもたらした。一方、宮廷では、皇帝・耶律賢(やりつけん) が皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) への一途な想いを伝え続ける。燕燕の心も、父や夫の孤独に触れて少しずつ変化を見せ始める。そんな中、寵愛を得られない妃・喜哥(きか)の行動が、宮中に危険な噂を広めるきっかけを作ってしまう。さらに、烏骨里の出産が、新たな権力争いの火種を生むことになる。
23話
皇帝・耶律賢(やりつけん) が自分の恋敵である韓徳譲(かんとくじょう)を監視していたと知り、燕燕は激怒する。 二人の溝は決定的になり、燕燕は宮殿を去る決意を固め、荷造りを始める。 一方、朝廷では耶律喜隠(やりつきいん)の野心がますます露わになり、皇帝の権威を脅かしていた。 私情と、皇后としての責任。その間で激しく葛藤した燕燕は、酒に溺れ弱さを見せる耶律賢を前に、人生を左右する大きな決断を下すことになる。
24話
夏捺鉢を終え都に戻った耶律賢(やりつけん) は、蕭燕燕(しょう・えんえん) を正式に皇后として迎える。 国中が祝福に沸く中、燕燕の懐妊も判明し、後継ぎの誕生に耶律賢は大きな喜びに包まれる。 一方、燕燕は父・蕭思温(しょう・しおん)と和解し、穏やかな親子の時間を取り戻していた。しかし、耶律賢の信頼を得て権力を強める蕭思温に対し、その座を追われた者たちの憎悪は静かに渦巻いていく。そして、運命の日。閭山での狩りに向かった蕭思温に、最大の危機が迫っていた。
25話
皇帝・耶律賢(やりつけん) との狩りの道中、宰相・蕭思温(しょう・しおん)が何者かの襲撃を受けて命を落とす。耶律賢は、妊娠中の皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) が衝撃を受けないよう、この悲劇を隠そうと奔走する。しかし、宮中の企みによって事実は燕燕の耳に入ってしまう。父の死は皇帝のせいだと耶律賢を激しく責める燕燕。二人の心は離れていく。そんな中、蕭思温の訃報を聞きつけた韓徳譲(かんとくじょう)が都に帰還し、独自の調査を開始。事件の背後に渦巻く巨大な陰謀に迫っていく。
26話
父・蕭思温(しょう・しおん)が暗殺され、悲しみに暮れる蕭燕燕(しょう・えんえん) 。 しかし彼女は、父の死の真相を突き止めることを固く誓う。一方、宮廷では、宰相という重職が空いたことで、後釜を狙う者たちの思惑が渦巻き、権力争いが激化していた。心労で倒れてしまう皇帝・耶律賢(やりつけん) 。 四面楚歌の中、彼は国と愛する妻を守るため、前代未聞の決断を下す。それは、皇后である燕燕を摂政に任命することだった。
27話
父・蕭思温(しょう・しおん)を暗殺した犯人として、蕭家の二人の男が捕らえられる。皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) ら三姉妹は、父の仇を討つため、自らの手で犯人を処刑する儀式に臨む。しかし、その儀式の裏では、摂政の座を狙う耶律喜隠(やりつきいん)が、身重の燕燕を陥れるための卑劣な罠を仕掛けていた。権力争いが激化し、朝廷内のバランスが崩れ始める中、燕燕は国を守るため、かつての敵を呼び戻すという危険な決断を下すことになる。
28話
太平王(たいへいおう)・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)が上京に戻り、皇帝・耶律賢(やりつけん) との間に見せかけの和平が成立する。宮廷に束の間の平和が訪れたかに見えた。そんな中、皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) は待望の皇子を出産し、後継ぎの誕生に国中が沸く。しかし、その祝宴の席で皇子の命が狙われる暗殺未遂事件が発生。この一件をきっかけに、水面下で燻っていた権力争いの炎が再び燃え上がる。それぞれの野望と策略が複雑に絡み合い、遼の国に新たな嵐が吹き荒れようとしていた。
29話
皇帝・耶律賢(やりつけん) が病に倒れ、皇后の蕭燕燕(しょう・えんえん) は一人で朝廷の危機に立ち向かう。摂政の座を公然と狙う耶律喜隠(やりつきいん)に対し、燕燕は腹心の韓徳譲(かんとくじょう)と共に大胆な策を仕掛ける。それは、敵の野心を利用して自滅を誘う危険な賭けだった。一方、韓徳譲は父・蕭思温(しょう・しおん)の死の真相にあと一歩まで迫る。それぞれの思惑が渦巻く中、燕燕は皇后として、そして一人の人間として大きな決断を迫られる。権力闘争の裏で、真の黒幕が静かに動き始めていた。
30話
夫・耶律喜隠(やりつきいん)の流罪をめぐり、蕭燕燕(しょう・えんえん) と次女・烏骨里の関係に深い亀裂が入る。 夫の無実を信じる烏骨里は、韓徳譲(かんとくじょう)に助けを求めた。 韓徳譲は調査を進める中で、一連の事件の裏にいる真の黒幕の存在に気づき始める。一方、追い詰められた太平王(たいへいおう)・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)は、燕燕と韓徳譲に関する悪質な噂を都に流し、朝廷を揺るがす新たな策略を仕掛けてきた。
31話
皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) と韓徳譲(かんとくじょう)が密会しているという根も葉もない噂が宮中に広まり、二人を苦しめる。皇帝・耶律賢(やりつけん) は、噂を鎮めるためにも韓徳譲に早く結婚するよう促した。一方、韓徳譲は亡き蕭思温(しょう・しおん)の暗殺事件の真相を追い、ついに黒幕の巧妙な計略を突き止める。追い詰められた韓徳譲は、ある女性の助けをきっかけに、国と愛する人を守るため、辛い決断を下すことになる。その裏では、皇子に新たな魔の手が忍び寄っていた。
32話
太平王(たいへいおう)がひそかに進める陰謀を、妻の胡輦が偶然知ってしまう。夫の裏切りに衝撃を受けた胡輦は、彼に激しく反発するが、屋敷に軟禁されてしまう。一方、宮廷では耶律賢(やりつけん) の病に関する長年の秘密が明らかになり、大きな波紋を呼んでいた。妹の燕燕は姉の身を案じながらも、皇后として太平王の不穏な動きに警戒を強める。それぞれの思惑が渦巻く中、運命の家宴が開かれようとしていた。
33話
太平王(たいへいおう)・耶律罨撒葛(やりつえんさつかつ)が、病を偽りついに兵を挙げた。 皇子の快気を祝う宮中の宴では、不穏な空気が漂う。皇帝・耶律賢(やりつけん) と皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) に毒酒が献上され、宴は大混乱に陥る。 時を同じくして、謀反軍が宮殿になだれ込み、皇帝たちは絶体絶命の危機に立たされる。しかし、これはすべて皇帝・耶律賢が仕掛けた壮大な罠だった。太平王の野望と、それを迎え撃つ皇帝の策略が激しくぶつかり合う。遼の運命を賭けた、緊迫の一夜が幕を開ける。
34話
太平王(たいへいおう)の死後、胡輦は北の国境へ、韓徳譲(かんとくじょう)は南の幽州へとそれぞれ旅立ち、燕燕は上京で孤独を深めます。それから11年の歳月が流れ、宮中では平穏な日々が続いているかのように見えました。しかし、耶律賢(やりつけん) の病状は悪化し、喜隠の不満は募る一方です。そんな中、韓徳譲が守る幽州に南軍が侵攻。味方の勝手な行動で兵力を失い、韓徳譲は絶体絶命の危機に陥ります。朝廷にその危機はまだ伝わっていません。
35話
南軍の猛攻を受け、幽州は陥落寸前の危機に陥る。韓徳譲(かんとくじょう)はわずかな兵で必死に城を守るが、援軍は来ず、絶体絶命の状況に追い込まれていた。彼は最後の望みをかけ、一頭の馬に皇后への手紙を託す。その頃、都にいる蕭燕燕(しょう・えんえん) のもとに、血染めの伝令が到着する。知らせを受けた彼女は、周囲の反対を押し切り、国と愛する人を守るため、ある重大な決断を下す。戦火の空の下、運命的な再会が待っていた。
36話
幽州に留まる韓徳譲(かんとくじょう)を都に呼び戻すため、皇后の蕭燕燕(しょう・えんえん) と皇帝の耶律賢(やりつけん) が説得を試みる。遼の改革には韓徳譲の力が必要不可欠だと考えた耶律賢は、病の体を押して自ら幽州へと向かう。一方、韓徳譲の妻・李思(りし)児は、夫が都の政争に巻き込まれることを案じ、彼の帰京に反対する。国を思う者、夫を案じる者、それぞれの思いが交錯する中、韓徳譲は大きな決断を迫られる。そして、彼の帰京は朝廷に新たな波乱を巻き起こすことになる。
37話
蕭燕燕(しょう・えんえん)は力を合わせ、科挙の導入など次々と改革を成功させる。遼は繁栄への道を歩み始めたように見えた。しかしその裏で、景宗の病は深刻な段階に入っており、彼の命の灯火は静かに消えかかっていた。政務に追われる燕燕は、そんな夫の深刻な状態に気づくことができない。
そんな中、一人で捺鉢(ナーボ)へ向かった景宗は、美しい琴の音色に導かれ、謎めいた女性・玉簫(ぎょくしょう)と出会う。この出会いが、盤石に見えた皇帝夫婦の関係に、静かな波紋を広げていくことになる。一方、韓徳譲(かんとくじょう)も妻・李思(りし)との間に問題を抱えていた。
38話
皇帝・耶律賢(やりつけん) の病状が悪化し、宮中に不穏な空気が漂う。そんな中、皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) と韓徳譲(かんとくじょう)に関する悪意ある噂が広まり始める。徳譲の妻・李思(りし)は、夫が宮殿へ通うことを快く思わず、二人の間には溝が深まっていく。一方、耶律喜隠(やりつきいん)は徳譲に接近し、現体制の転覆をそそのかす。それぞれの思惑が絡み合い、事態は予期せぬ悲劇へと向かっていく。
39話
韓徳譲(かんとくじょう)の妻・李思(りし)が謎の死を遂げたことで、皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) に疑惑の目が向けられる。自身の潔白を証明するため、燕燕は真相究明に乗り出すが、そのことで周囲との溝は深まるばかり。夫である皇帝・耶律賢(やりつけん) との関係にも不協和音が生じ、燕燕は宮中で孤立していく。一方、姉の胡輦は、一連の事件の裏に隠された大きな陰謀に気づき始める。やがて明らかになる衝撃の黒幕によって、固い絆で結ばれていたはずの三姉妹の関係は、崩壊の危機を迎える。
40話
韓徳譲(かんとくじょう)の毒殺未遂事件をめぐり、ついに真相が明らかになる。 ある侍女の告白によって、事件の黒幕が特定され、朝廷は大きな衝撃に包まれる。摂政皇后として、蕭燕燕(しょう・えんえん) は国を揺るがす罪を裁くため、厳しい決断を迫られる。この一件は、ただでさえ複雑な蕭家の三姉妹の関係に、さらなる深い亀裂を生じさせることになる。その一方、宮中では皇帝・耶律賢(やりつけん) の私生活に大きな変化が起きていた。燕燕は、皇后として、そして一人の女性として、新たな試練に直面する。
41話
自らの死期を悟った皇帝・耶律賢(やりつけん) は、国に潜む反乱分子をあぶり出すため、最後の出巡を決意する。一方、皇后・蕭燕燕(しょう・えんえん) は、夫の野心に振り回される姉の烏骨里を案じ、出巡に同行させようと計らう。姉妹の絆を確かめようとした矢先、彼女たちの留守中に都で大きな陰謀が動き出す。それは、一つの家族を悲劇的な結末へと導き、遼の歴史を大きく動かす事件へと発展していく。避けられない別れと、困難な時代の幕開けが描かれる、激動の物語。
42話
皇帝・耶律賢(やりつけん) の死は、多くの人々の運命を変えました。渤海妃・玉簫(ぎょくしょう)は、愛する人の後を追い、幼い息子を蕭燕燕(しょう・えんえん) に託してこの世を去ります。
一方、夫と息子を一度に失った烏骨里は、その悲しみを燕燕への激しい憎しみへと変えていきました。彼女は復讐のため、他の王族を巻き込み、国を揺るがす危険な陰謀を企て始めます。
皇太后となった燕燕は、悲しむ間もなく、国の安定を取り戻すために動き出します。信頼する韓徳譲(かんとくじょう)と共に、反乱の芽を一つずつ摘んでいこうとしますが、姉妹の間に生まれた深い溝と、新たな敵の出現が、大遼に不穏な影を落としていました。
43話
姉のウグーリーとの心の溝が埋まらない中、燕燕は皇后として大きな決断を迫られる。国内では改革に反対する勢力が力を増し、国外からは南朝が侵攻してくるという二重の危機。燕燕は国を守るため、自ら戦地に赴くことを宣言する。
そんな緊迫した状況の中、ある若い将軍の恋が思わぬ方向へ動き出す。彼の好きな女性が、別の男との政略結婚の候補に挙がってしまったのだ。国の未来と個人の幸せが交差する時、燕燕は一体どんな采配を振るうのか。政治の緊張感と、二組のカップルの恋の行方が見どころの回だ。
44話
三姉妹の絆を取り戻そうと、ウ骨里は妹の燕燕を自分の屋敷での宴に招待する。久しぶりに顔を合わせた姉妹たちは、一見すると和やかな時間を過ごしているように見えた。しかし、その裏ではウ骨里による恐ろしい計画が静かに進んでいたんだ。この宴で起きたある出来事が、三姉妹の関係に決定的な亀裂を生じさせる。異変を察知した韓徳譲(かんとくじょう)が急いで駆けつけるけど、一度壊れ始めた絆は、もう元には戻らなかった。姉妹の運命が大きく動く、見逃せない回だ。
45話
次女・ウ骨里の死から3年の月日が流れた。太后となった蕭燕燕(しょう・えんえん) は、宰相・韓徳譲(かんとくじょう)の助けを得て国を治めていたが、姉・胡輦との心の溝は埋まらないままだった。 朝廷では、漢人である韓徳譲の台頭を快く思わない皇族たちが反発を強める。 燕燕は彼らの前で韓徳譲の権威を示すため、宮中で盛大な誕生日の宴を計画する。 一方、北の国境を守る胡辇は、傷心を抱えたまま、湖畔で一人の野性的な青年と運命的な出会いを果たす。
46話
皇太后の蕭燕燕(しょう・えんえん) は、息子の耶律隆緒(やりつ・りゅうしょ)の后を決め、国母としての務めを果たしていく。その一方で、自分自身の人生、特に韓徳譲(かんとくじょう)との関係について、ある大きな決断を下そうとしていた。そんな中、朝廷では燕燕の政治手法や徳譲の重用に反発する宗室の重臣たちが、ついに実力行使に出る。宮廷を揺るがす激しい対立が勃発し、燕燕と徳譲は命の危険にさらされる事態に。北の地では姉の胡輦にも新たな動きがあり、物語が大きく動く回となっている。
47話
南征を計画する皇太后・蕭燕燕(しょう・えんえん) は、姉の蕭胡輦(しょう・これん)に協力を要請する。しかし、胡輦が寵愛する馬奴・撻覧阿鉢(とうらんあはつ)の存在が、姉妹の間に見えない壁を作ってしまう。燕燕は姉を心配し、上京へ戻るよう説得を試みる。一方、燕燕は自ら軍を率いて南下し、宋との長年の戦いに終止符を打つため歴史的な和議澶淵の盟を結ぶことに成功する。 遼に平和が訪れ、一行は意気揚々と都に凱旋するが、その祝宴で誰も予想しなかった事態が起こる。皇帝・隆緒のある宣言が、宮廷に新たな嵐を呼び、姉妹の運命を大きく揺るがすことになる。
48話(最終回)
最後まで残った長姉・胡輦との兵権をめぐる対立が、ついに限界点に達する。胡輦の恋人、撻覧阿鉢(とうらんあはつ)が引き起こした事件をきっかけに、姉妹の関係は修復不可能なほどに決裂。胡輦は愛する人を守るため、燕燕は国を守るため、それぞれが引けない戦いに身を投じることになる。太后として、そして一人の妹として、燕燕が下す最後の決断とは。運命に翻弄され続けた三姉妹の物語が、ついに幕を閉じる。
キャスト、登場人物

蕭燕燕(しょう・えんえん)
唐嫣(ティファニー・タン)

韓徳譲(かんとくじょう)
竇驍(ショーン・ドウ)

蕭胡輦(しょう・これん)
佘詩曼(カーメイン・シェー)

耶律賢(やりつけん)
経超(ジン・チャオ)